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寮長

高校から東京で寮生活なんて贅沢なもので、高校に入学する時点では千葉から通うことしか考えていませんでした。

ただ初年度に二時間半以上かけて通う辛さを痛感し入寮を決め、現在も寮生活を送り、ついこの前までは寮長も務めていました。

寮長としての仕事は主に毎晩19:30に行われる寮会を仕切ることや、日常的に寮監さん寮母さんと寮の改善案を出し合い、寮関連イベントの企画作成などが挙げられます。

寮長をやり始めた当初は自己中心的になってしまっている自分がいて、『リーダーとしての自覚を持ち寮をまとめること』が寮長の役割だと思っていました。

が、

以前の記事でも紹介した長谷部誠の『一番の理想はリーダーなんて必要しない組織』という言葉に出会い、それ以降は自分の思いを貫くのではなく、全寮生が暮らしやすい環境を作ることに専念するようになりました。

暮らしやすい寮を実現するためにストレスを減らすべく、ルールは最低限に止め、細かいことはあまり指摘しないようにしていました。

ただその方針を試していくうちに、寮監・寮母さんとの対立が増えるようになりました。決まり事を最小限にした分、以前より多くの問題点が可視化されるようになり、その対処に時間が多くかかりました。

僕の寮の寮監・寮母さんはルールに非常に厳しく、取り締まることで起きる問題を最小限に抑えようという考えを持っていて、その考え方のギャップが対立を招いたように思えます。

ルールの厳しさと私生活への指摘の多さに不満を露わにする寮生も少なくない状況で、自分は寮生側の立ち位置で話を進めていました。

ただ当時の自分の視野の狭さにたまに後悔することがあります。当時の自分は、寮生の意見を踏まえた上で寮監寮母さんと意見交換をすることがほとんどでした。

客観視できていたかと自分に問い直すと、その視野が寮全体ではなく寮生の心地よい生活だけに限定されていたのではないかとつくづく思います。

寮全体のメリットを考える寮監寮母さんと寮生のメリットを考える自分。

寮全体のメリットを多く考慮できなかったことに悔しさを感じています。

自分が寮全体のことを考えられていなかったように、寮監寮母さんにも寮生の見えていなかった部分があると個人的には思っているので、一概にどちらが悪いとは言えません。

しかし何がベストかを常に周りを巻き込みながら追求していくことが十分にできず、不完全燃焼みたいなところはあります。。。。

それがリーダー的立ち位置に立って初めて見えてくる難しさであるように感じました。

貴重な体験をさせてもらいました。自治は後輩に任せます。


クリチバーノ1212

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