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毒親に育てられました 母から逃げて自分を取り戻すまで #塚本本棚

”毒親”という言葉を検索できるまで、生きていられるかどうかが分かれ目


今日は「毒親に育てられました 母から逃げて自分を取り戻すまで( https://amzn.to/36pB8uR )」つつみ (著) #塚本本棚


【紹介文】
Instagramで話題! 「毒親に育てられました」が全編再編集され、結末を加えて1冊に。
祖父母に育てられていた子ども・つつみの前にある日、母親が迎えにくる。派手な洋服を着た華やかな母と暮らすことになったつつみに待ち受けていたのは、母からの暴言、体罰、ネグレクト。地獄のような日々から、抜け出すためにつつみがとった方法とは……。


【書評】
僕にとっては結構つらい本で、一つ分かったのが、僕はもう過去を思い出せなくなっているという事。


家も家族もないから、思い出すきっかけもないし、何なら思い出したくもないから、必死に忘れようとした分、思い出せない。著者はよくそんな地獄を記憶から消さずに生きていられたなと思います。僕は記憶消してるや、これ。


”毒親を理解する本”だなと思います。特にP70とP148に解説がありますが、本来なら文末に載せるべきで、多聞にネタバレを含みます。読むときはマンガ部分をはじめに読み切るのがおすすめ。


昔頑張ったこと、家でいろいろ同じような悲惨なことがあったこと、あれが異常だと気が付かなかったこと(社会と比較できないから)、父親から殺されないために牙を磨くんだと誓ったことなんかをうっすらと思い出しましたが、そのプロセスを踏んでいるときに、途中の楽しかった思い出などがほとんど思い出せない事に気が付きました。


僕が強くなったのは、家族から自分の命を守って、誰よりも早く自立してサバイブするためだったなと思います。


毒親と検索できるまでに、生きていられるかどうか。


これが本当に分かれ目だと思います。


著者もそうですが、僕もあの地獄に対する憎しみがあったから、自分というものをここまで練り上げられたと思います。


あの頃の自分に、大丈夫だ、お前は勝ったよ、幸せを手に入れられたよ。大丈夫全部取り返せる。強くなれたよと、しかも底辺ではなく、望むところまで行けたよって、言ってあげたい。


記憶をなくしてまで、生きようと思ったあの頃の自分に。
感謝を。



【本を読んで考えた・メモ】
・毒親は自身の自己否定感を打ち消すために、子供にストレスをぶつける

・成長の過程で、自己肯定感を育むことができず他者信頼感も薄い人間が毒親には多い

・他者に対して優位に立てないその憤りを子供にぶつける

・毒親は他責だから、自身がネグレクトであることも気が付きにくい

・自身のストレスのはけ口として使いながら、誰にも愛されないからせめて子供には(無条件に)愛されたいと願う

・すべて他人のせいなので、子供もこの虐待は自分のせいだと思いこんでしまう→他者への相談が遅れる

・信頼できる第三者との接点を取れるか、毒親に気が付けるか(これはとても難しい)が大事

・著者は幼児期に祖父母から与えられた愛情や思い出を心の中に貯金してあったことで、心の崩壊をしのいでいるとの分析

・僕もよく、自分はバカではない事、自分は人ができない事をできたこと、裕福だった時期もあったことなどは思い出していたなぁと感じます。それで僕も僕という自我の崩壊を防いでいたんだなぁ。今もポジティブなのもそこ由来なのは確か

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