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わたしが好きな撮影サイクルとプロトタイピングの共通点

このnoteには私が関心をもっている事柄について自由に書いているためフォローしていただいている方からすると関心の無い内容についてタイムラインを汚してしまっているかもしれません。

と言うことで、今回は私がnoteに書いているテーマが全体としてどのように繋がっているかについて少し書いていきたいと思います。

 

デザイン系とデジカメ系

私がメーカーでデザイナーをしている関係からデザイン周辺の話題が多めになっています。特にUIやUXを実現するための商品としてのシステムとそれを実現するための業務環境のシステムをグルグル回りながら書いてきました。

また20年前は業務として、今は趣味としてデジタルカメラのUI/UXの研究をおこなっており、その実践として写真をアップさせてもらっています。(写真家を目指している訳ではなくカメラを使いたいだけですのでレベルは察してください(笑))

このように仕事繋がりでデザインとデジカメの話題が同居することになりました。

では内容は無関係かというとそうでもありません。むしろデザイナーとして目指している「人・社会を含めたシステムデザイン(体験設計)」というテーマにおいてデジカメはうってつけの題材であることが大きな理由となっています。

 

デジカメはシステムの宝庫

デジカメは複数の段階(種類)のシステムを扱うのにちょうどよい対象です。

まず何よりもカメラは複数の製品を組み合わせて使います。複数のレンズとボディを組み合わせる一眼カメラや、三脚やフラッシュといった周辺機器と組み合わせることで多彩な状況や表現に対応します。ハードウェアだけでなくソフトウェアを組み合わせて作品を仕上げたり管理したりします。さらに複数のパラーメータを組み合わせて撮影することもカメラがシステム的な製品であると感じる大きな要素になっています。

このように多岐にわたるシステム性を持つ製品群を同時(並行)開発したり、または何十年と長期に渡ってシステムを維持させるためには、社内の開発管理システムがしっかりしていなければなりません。守るべき基準は何か、どのようにシステムをアップデートしていくのかなど、単発製品では考えられないほど複雑なデザインマネージメントが必要なのです。


システムデザインとプロトタイピング

同時に繋がる複数機器にしても、時間方向で繋がる複数製品(モデルチェンジやランナップ)にしても、思い付きや簡単な検証だけでシステムを設計することはできません。様々な組み合わせパターンや将来への展開など多くの検証をおこなう必要があります。

最初は簡単なシステム図を紙に書くことから始まりますが、直ぐに関係の複雑さとパターンの多さに悲鳴を上げることになります。それでも巨大な表を作ったりモデルベース開発ツールを使ったりしてどうにか開発していきます。

ただ現状では、それらのフォーマットやツールは製品設計のためのもので、人間や環境を含めた体験設計を扱いやすくはできていないため、それらのファクターがどんどんと具体的な数値に落とし込まれ実態の見えないものになってしまいます。

そこで複雑なものをフクザツなまま扱うプロトタイピングが必要になってきます。

 

撮影はプロトタイピング

私がデジカメを題材にする理由に「撮影行為が試行錯誤」ということがあります。例えばクルマでどこかに行くのに、最初のルートが面白くなかったからといって色々なルートを試してみることはほとんどありません。むしろ少しでも上手くいったならば経験を活かして毎回同じ行動をとろうとするはずです。ほかにもコーナーの曲がり方を色々試してみて事故が起きるまで極端な運転をすることもありません。ところがデジカメの撮影ではそのようなことを楽しめるようにUIが作られているのです。

カメラがデジタルになったことで、撮影結果に対するフィードバックループの時間が極端に短くなり、またそのサイクルコストも極端に安価になりました。ユーザーのクリエイティブな試行錯誤をここまでサポートする商品は他に無いと思います。

もしシステム開発のツールがデジカメの様に簡単に扱え試行錯誤できたとしたらどんなに素晴らしいでしょうか。もちろんデジカメの試行錯誤環境にもまだまだ不満があります。一部は炊飯器や洗濯機のようにボタンを押すだけで自動でやってくれることを目標にしているためデジカメのUIは必ずしもプロトタイピングと言う視点だけで考えられていないからです。

 

ここでプロトタイピング的な撮影と体験設計のためのプロトタイピングについて比較しておきます。どちらも教科書に書いてあることを並べてみました。驚くほどよく似ていることが分かります。

観察が大切
主題を決めることが大切
ストーリーが大切

上流で素早くたくさんのアイデアを試す
失敗を見つけて限界を探す
やってみてから考える

単に目の前の被写体を撮影するだけではなくそこに関係性を見つけ出すことでより良い写真にするヒントと、製品やモジュール試作ではなく体験を作り出し経験価値を高めるヒントが似ているのは、「感動」のような情緒性が人にとって大きな意味があり、それは計算では出てこないからです。

 

まとめ

noteテーマの全体マップをベン図で示しておきます。私はプロトタイピング/試行錯誤というのが好きで、一生型破りなことをやっていきたいと思っています。このような領域がつながり私が書くnoteになっているのです。

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