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その絵を好きになる瞬間(華麗なるジャポニズム展にて)

美術館で絵を見るとき、あなたは何を思いますか?


解説をじっくり読み込む人、解説を一切読まないで絵だけをみる人。
目的の絵だけみる人、1つ1つの絵を細部までよくみる人。

美術館にはそれぞれの楽しみ方があって、そこがいいなぁと思うのです。


私はというと、正直気分によりけりで、目的の画家や絵だけじっくりみてあとはささーっと流してしまうときもあれば、何時間もかけて全てをみてまわる時もある。

一人で美術館にいくときは、イヤホンで音楽を聴きながらみるもの楽しい。
画家の半生を知ってからみにいくのもいい。
絵のストーリーを勝手に想像したりするのもいい。

そんな風に、型にはまらず色んな楽しみ方ができるよう、
私がこれまで出会ってきた絵や、過去の展示会について少しずつ話していこうと思います。



今回紹介したい絵は、『華麗なるジャポニズム展(2014年)』で展示されていたモーリス・ドニの絵。

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タイトルは、『私たちの魂はゆっくりとした動作の中に』。

ドニの『アムール』(フランス語で愛という意味)というシリーズの中の1枚なのだが、なんて優しいタイトルなのだろうと、初めて絵のタイトルから好きになるという経験をした。
(原題はわからないけど。フランス語もわからない。)

ピアノを弾いている人物と、バラを手にして音色に浸るように目を閉じている人物。


”私たちの魂はゆっくりとした動作の中に”。心の中で何度も復唱する。


魂が通じるような恋だろうか。もしかしたら言葉にすることを許されない恋だったりして。
言葉は交わさず一音一音に愛を込めて、相手は目を閉じてそれを受け取る。
音楽も人の気持ちもはじまれば終わってしまうから。
無意味に、美しく。
だから音楽を楽しむのなら、好きな人と一緒がいちばんなのかもしれない。

そんなことを思いつくままに、絵の世界に重ねてみる。


私たちの魂はゆっくりとした動作の中に。



そんな風に自由気ままに、勝手に想像して楽しむのもいいでしょう?

アートは誰の心にもあるからこそ、誰でも楽しめるのです。


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