yuto_frabyn

煩雑な好奇心と、行き当たりばったりの創作。

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最近の記事

石打ち止めさせ粉砕恐怖症

原初の因果なのではないか。 不意にそのような発想が降って湧いた。 正確には原初というよりも先の世か。 ふとした拍子に何かのきっかけをもとに、思い出すシーン。 右横の男の子が辛うじて握れるぐらいの大きな石を辛うじて握り、やや太めの木が植わったスペースを円形にブロックで囲った花壇というか木壇というかのブロック上を台にして、同じような別の石をブロックの上に置き、手に握る獲物にて台上の石を打っている。 握る石(置く石もだが)は、荒い小石を滑らかなコンクリート状の石で練り集めた

    • 『チリンの鈴』→ダークサイドアンパンマン

      チリンの鈴アンパンマンが報われなかった世界線。 チリン。 アンパンマンもともすれば そちらに落ちる可能性があったように思える。 牧歌から始まるものの、 物語の佳境にさしかかり ある一線を越えてしまう。 それよりのち 本来の性質から 異質なものへと変わってしまい、 元には戻れなくなる。 おやすみプンプンを思いだす アンパンマンとチリンの違いは、 行為自体には無いともいえる。 チリンは家族や仲間を殺されたから、 殺した。 アンパンマンは仲間にいじわるをされたから、 懲

      • 『やなせたかしおとうとものがたり』読む

        父の死:その時その瞬間の幸不幸では、 その後、もしくは最後が幸不幸か どうかまでは測れない。 彼の深いところには、 かなしみが確かに ある。 存在している気がする。 著作を読むと 確実に見え隠れする それ。 特にこの『父の死』の語り口など、 悲しみがある、けれども それをどこか他人事のように 少し距離を置いて 記述するような 置き方がみられる。 距離を置かなければ受け止めきれないから だろうか。 羽海野チカさんの作品の 悲しみシーンを想起させられる。 それは対話と

        • 『怪傑アンパンマン』読む

          熱血メルヘン怪傑アンパンマン を読んだ。 なんのために生まれた琴線人生の意味はわからない。たぶん。 この本でも答えや結末は描かれない。 そういうものなのだろう。 これまではアンパンマンの歌詞を聴いても、 感動・感慨でも 焦燥・忸怩であっても 深い感情に反応するときは無かった気がする。 しかしながら、 このシリーズを聴き終わったことで、 彼の人生や思想を踏まえての理解が できるようになったのではと思える。 平和という目的ありきの平和思想とはまた違う。 行動や経験や内省や

        石打ち止めさせ粉砕恐怖症

          『食べたくなる本』とレトリック

          食べたくなる本 三浦哲哉 みすず書房 で取り上げられている、 家庭の魚料理 丸元淑生 講談社 からの引用。 “料理屋が魚市場で魚を仕入れて料理をこしらえるのと異なり、生活者が生活空間の中で魚を買って魚料理を作る場合には、前もって何を作ろうと決めてかかることはできません。現在の大都市では魚屋(デパート、スーパーマーケット)に行っても目的の魚があることは少なく、ないことのほうが多いからです。鮮度のよくないものならありますが、そういうもので無理に魚料理は作るべきでないという考えで

          『食べたくなる本』とレトリック

          藤富保男『一人の人間のなかの孤独は』 感想

          https://www.books.or.jp/book-details/9784783707561 引用も何もせずでの、前半1/4部分の感想。 おもしろ過ぎる。 言葉の切れ目や改行の妙。  言葉を本来ならざるもの部位で切ること、それは、現実世界がうまくいかないことを表している(多分)。 仕事でキリの良いところなんて到底こないし、皿洗いだって掃除ですらも子供に中断される。 ましてや、1作業あたりの中断は1度とかは限らない。睡眠もそう。 世の中だって二分できないし

          藤富保男『一人の人間のなかの孤独は』 感想

          悪いことほど人間らしさともいえ、悪さを許容できるのは人間らしさを許容できるということともいえる。例外はあるが。 人間らしさ最高だし、他人のそれを肯定評価できる他人はもっと最高。

          悪いことほど人間らしさともいえ、悪さを許容できるのは人間らしさを許容できるということともいえる。例外はあるが。 人間らしさ最高だし、他人のそれを肯定評価できる他人はもっと最高。

          “創作ビジョンは、〈中略〉これは創作の初期には明確ではなく、創作活動を積み重ねること (つまり mini-cの積み重ね)で形成されるものと想定される”P47 創造するエキスパートたち →おもしろ。最初のうちに明確なビジョンがあるのは少数で、手を動かしながらできていくということか。

          “創作ビジョンは、〈中略〉これは創作の初期には明確ではなく、創作活動を積み重ねること (つまり mini-cの積み重ね)で形成されるものと想定される”P47 創造するエキスパートたち →おもしろ。最初のうちに明確なビジョンがあるのは少数で、手を動かしながらできていくということか。

          🎞エブエブ=📕ボーボボ説 の観測

          ボーボボをある程度読んでから、 エブエブを見た。 エブエブはボーボボかエブエブにボーボボ要素があるのは同意する。 が、ボーボボだけでは足りないように感じた。 より正確に言うなら、 「ハード『伴名練』、ソフト『ボーボボ』」 もしくは、 「なめらかな世界とそのボーボボ。」 がしっくり来る。 エブエブに感じたこと我々は誰もがエブリンだ。 忙しく日々を過ごして、うまくいかない仕事、子供、老いた親、税金、趣味。 全てを抱えようとして、多くのものがこぼれ落ちていく。 ある

          🎞エブエブ=📕ボーボボ説 の観測

          『酒虫』 芥川龍之介 感想

          酒虫とは何か。 答えは示されない。 幸福そのもの象徴のことなのか。 人性の幸せを取るか、 物的な実入りと取るかということか。 あるいは、 酒虫に栄枯盛衰の根本原因があると 考えてしまいがちだが、 酒虫それ自体は物事の直接原因ではなく、 間接的なもの、 複合的なもの、 ただの目に見える結果、 つまりモニターのようなものではないか。 酒を飲めなくなったのは暗示による効果。 没落したのは、 人を信じて 健康を求めようとしたからこその結果。 それと引き換えに、 ビジネス上の辣

          『酒虫』 芥川龍之介 感想

          『父』芥川龍之介 感想

          『父』の感想 能勢の父の佇まいに関する解釈、 余白が残されている。 社内で動くすべてのもの。動かない能勢父。 時間や環境、時代を想起させられる。 能勢は死んで動かないものとなる。 能勢父は動かないはずだが、 動かないものと対比してしまえば動いている。 能勢父は車内で動いていなかったが、 息子を見たく乗り込んできたその気持ちは そぞろ動いている。 静と動、 外面と内面の比較と対比を考えさせられ、 短いながらおもしろい。 その余白と、 日常にあり触れる無情な要素に、

          『父』芥川龍之介 感想

          名前の消された看板

          『違法駐車おことわり! =========』 駐車禁止を示す看板。その隅に、古そうな屋号、そして店主の姓が書かれていた。以前は。 看板は今日もそのままだが、屋号と店主名だけ、太くて安っぽい粘着力の強そうなテープで覆われ、消されている。

          名前の消された看板

          君たちはどう生きるか 推察や疑問

          「-感想会を企画します-」 観ようかな 観たいなと 思ってはいたけれど、 その提案がなければ 日々に忙殺され流れてしまい、 少なくともタイムリーには 観ることはしなかった。 と思う。 映画 君たちはどう生きるか見終わった後の率直な好みとしては、 10段階で8くらい、 おもしろかったように思う。 自分が子どものころとすれば、 説明がつくされていないと 楽しめなかったように思える。 今は、 語りつくされないこと 伏線を回収しきらない 解釈は委ねられる、 そんなもののほう

          君たちはどう生きるか 推察や疑問

          人種差別考察レベル1

          人種差別があった。 フォローしている業界において。 反射的に発信してしまいそうになる。 自論を。 でも思った。 自分の考えが正しいと主張することも、 相手は間違っていると否定することも、 どちらも間違っているのではないか。 自分が何らかのポジションにいる以上、 自分の意見は公平な意見ではない。 自分に何らかの色がついているだけで、 文字どおり色眼鏡で見られる。 職業の、所属コミュニティの、出身の、国籍の、推しの、好きなチームの、人種の、肌の色の、性別の、趣味の、嗜好

          人種差別考察レベル1

          入り混じるような覚え

          「杉内さんとこのかたでしょう」 「覚えてました?嬉しいです」 海沿いの、それも波打ち際にある建物。海があふれそうなときは、波が触ってしまうのではとも心配してしまうような場所。 以前は居住の用に供されていたが、最近の以前から、展示・インスタレーションのスペースとして活用されているらしい。 前に一度訪れたことがあるものの、記憶に残ってもらえるほどのことはしておらず、おそらく覚えていないだろうとは思っていた。 だけれども、店番(小商店の店番をする丁稚奉公の小僧を思わせる言葉

          入り混じるような覚え

          「ギ酸が流れ出す!!」と彼は言った(今際の国のアリス感想)

          そんなセリフは本編には無い。 しかし、 感想をつづっていくと そこに終着した。 Netflixスタート、漫画フィニッシュ当時、Netflixで1stシーズンを見ていた。 最近、2ndシーズンを見た。 おもしろかった。 上から目線でものを言えば、 決して5点満点中の5とは言わない。 ただ、 これを受けて学ぶべきテーマがあるのでは、 この作品の背景はどうなっているのだろう、 と好奇心が湧いた。 眼球の根が乾かないうちに、 続けざまに漫画も読むことにした。 漫画も面白い1

          「ギ酸が流れ出す!!」と彼は言った(今際の国のアリス感想)