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『父』芥川龍之介 感想

『父』の感想

能勢の父の佇まいに関する解釈、
余白が残されている。

社内で動くすべてのもの。動かない能勢父。
時間や環境、時代を想起させられる。

能勢は死んで動かないものとなる。
能勢父は動かないはずだが、
動かないものと対比してしまえば動いている。

能勢父は車内で動いていなかったが、
息子を見たく乗り込んできたその気持ちは
そぞろ動いている。

静と動、
外面と内面の比較と対比を考えさせられ、
短いながらおもしろい。

その余白と、
日常にあり触れる無情な要素に、
レイモンドカーヴァーを感じた。


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