「始まったんだね。」

ラジオから、イギリスで総選挙の投票が始まったというニュースが聞こえてきます。
EU離脱の行方を決める選挙です。

こざる達は、今日も楽しくお喋りしながら、夕飯の仕度をしています。
今日は久しぶりに朝から一日晴れていました。
空が橙色に染まって、綺麗な柔らかいトーンの夕焼けです。

「今夜は満月だよ!」
「あ! 今年最後の満月だね。」
「そういえば、イギリスでは 月はチーズで出来ているって言うんだよ。」
「ぼく達が、月にはウサギがいて、餅つきをしているっていうのと同じだね。」

お月さまは、昔から何処の国の人にとっても  とても身近な存在だったのでしょうね。
満ち欠けを繰り返して、いつも優しく静かに見守ってくれている感じがします。

「イギリス、どうなるのかなぁ。」
「事前の調査だと、保守党が過半数を獲ると予想されているみたいだよ。」
「そうなると、いよいよEU離脱が現実になる可能性が高いね。」
「離脱すると、どうなっちゃうんだろう?」

今まで離脱した国はなく、イギリスは どうなっていくのでしょう?
そして離脱後のEUもまた どうなっていくのでしょう?

「今日は12月12日だよ!」
ふいに こざるちゃんが明るく言います。

「うん、そうだけど、何かの日だったっけ?」
「12月12日だから、1, 2, 1, 2…テンポよく、前に進んでいくんだよ!」
「そうかー、前進だね。」
「どっちにしても、イギリスは現状維持ではなく、前に進むことを望んでいるんだよ。」
「なるほどねー、そうだね、たくさん問題があるのは どこの国も同じだけど、イギリスは そのままではなくて 変わろうとしているんだ。」
皆、うんうん頷きます。

時代は どんどん変化して動いていきます。
EUが始まった当初とは かなり違います。

「いずれにしても 生活が辛く苦しい思いをしている人達が、ちゃんと毎日、普通に 無事に幸せに暮していかれるようになってほしいよね。」
皆、うんうん頷きます。

ラジオから ゆっくりとしたテンポの力強い歌が聴こえてきます。

「息を切らしてさ 駆け抜けた道を 振り返りはしないのさ
ただ未来だけを見据えながら 放つ願い
カンナみたいにね 命を削ってさ 情熱を灯しては
また光と影を連れて 進むんだ」

Mr.Childrenの『終わりなき旅』です。

こざる達も一緒に歌います。

「閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて
きっと きっとって 僕を動かしてる
いいことばかりでは無いさ でも次の扉をノックしたい
もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅」

夕飯が出来たようです。

「りこちゃんに、夕飯、出来たよーって言ってくる!」

こざるちゃんが 歌いながら りこちゃんの部屋へ向かいます。

「難しく考え出すと 結局全てが嫌になって
そっと そっと 逃げ出したくなるけど
高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいもんな
まだ限界だなんて認めちゃいないさ」

「りこちゃーん、夕飯が出来たよ。今日は 炊き込み御飯と 秋刀魚の塩焼きと、あと具だくさんのお味噌汁もあるよ!
皆で一緒に食べよう!」

「時代は混乱し続け その代償を探す
人はつじつまを合わす様に 型にはまってく
誰の真似もすんな 君は君でいい
生きる為のレシピなんてない ないさ
息を切らしてさ 駆け抜けた道を振り返りはしないのさ
ただ未来へと夢を乗せて」

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
明日はまた寒くなるようですので、どうぞご自愛ください。
よい毎日でありますように (^_^)