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ただ心地よくいたいだけ(映画「少女は卒業しない」評)

僕は年下にも部下にも敬語で接するんです、基本的に。もちろん例外はありますけどね。

そうするとたまに言われるんです。「なかなか心を開いてくれない感じ」「距離がある」みたいな。

まあわかりますよ、やっぱりくだけた口調の方が親しみを感じるところありますもんね。

ただ、これ言ってくる人って大半が出会ってものの数分でタメ口になる人で。元々敬語が嫌いってことなんでしょうね。かたっくるしいのなんか嫌だぜ!ってことなんでしょう。それを批判するつもりではないんです。その人にとってそれが心地いいのなら、それでいい。

ただ、僕の心地いいも尊重してほしい。そういうことなんです。



なぜ僕が、3年も一緒にPodcastやってる友人(年下)に今も敬語なのか。

なぜ僕が、15も離れた部下に対して今も敬語なのか。

なぜ僕が、友人の子どもさんに対しても敬語で話しかけるのか。

それは、僕にとってそれが心地いいからです。
心を開いてないとかじゃない。

僕にとってはいきなり「〇〇だよね」って話しかけるのとか
出会っていきなり「〇〇ちゃん」と呼んだりするのは、どうしても心地よくなくて。
敬語で丁寧に話すことこそが、自分にとって心地いいコミュニケーションのとり方で。

もっと言うと、そういう風に話してる自分が好きなんですね。



先日、今年10指に入る見たかった映画「少女は卒業しない」を見てきました。その中で藤原季節さん演じる教師が、生徒にずっと敬語で話していたんです。図書室を管理していて、地味だけど、図書室にしか居場所のない生徒にとって守り神のような先生。とても印象的でステキな先生。見ていて、彼にとっても生徒にずっと敬語を使うことが、丁寧とか礼儀とかそういうことじゃなくて心地いいんだろうなと思ったんですよね。おこがましいですが、自分と一緒だなと。

僕の大好きなラジオ番組「アフター6ジャンクション」は「あなたの好きを否定しない」がテーマで。僕はこのテーマが本当に好きなんです。同じく大好きなタモリ倶楽部もはっきりと言ってはいないけれど、同じことテーマにしてくれていたんだろうと思うんです(長い間本当にお疲れさまでした)。

あなたの好きを否定しない
と同じように
あなたの心地よさを否定しない
そんな世の中にもっとなっていったらいいなと思いながら「少女は卒業しない」を見終えました。

もう公開の期間はあまりありませんが、本当に素晴らしい映画です。ぜひご覧ください。

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