誇り高きサモア

サモアが最後までその誇りを捨てなかった事で
日本は勝ち点5を獲得することができた。

これでスコットランドは残り2戦でBPを意識して戦わざるを得なくなった。
SHレイドローのPGで先行してゲームをコントロールしていくのが、
スコットランドにとって鉄板の勝利パターンであり、この影響は間違いなく大きい。
ゲームの戦略だけでなく、水曜日のロシア戦、そこから中3日での日本戦という日程があり、
両試合のメンバリング、そして試合中の選手交代のタイミングにも影響が出る。

日本が有利な立場になったのは間違いない。
まあ、スコットランドから4トライ取ることが簡単でないことに変わりはないのだけど。

それにしても、サモア主将のジャック・ラムはよく最後まで戦う事を選択したと思う。

この大会(前大会もかも)、サモアはプライドを散々傷付けられてきた。
毎試合で出されるイエローカード。
ラフなプレーが多いのは間違いないのだけど、スコットランド戦で受けた2枚目のイエローカードとなったプレーは完全に性悪説に基づいた判定だったと思う。
個人的にはサモアの選手が相手のボールを落とさせるために滑り込んだようには思えなかった。
その選手にレッドカードが出された時のジャックラム主将の悲しそうというか困惑した表情が印象に残っている。

レフリーはできる限り反則が起きないようゲームをマネジメントするために、チームの傾向も頭に入れて試合に望む。
それが常にサモアには不利な方向に影響しているのかもしれない。

あれだけアイデンティティを否定されても最後まで攻めようとしたジャック・ラムの決断は尊い。(ハイライト動画に含めてほしかった)

サモアに限らずファールプレイに関するレフリングが度々話題になっている今大会。
安全性の確保が課題であることは間違いないのだけど、基準がブレたり、極度に取り締まると、
ただでさえ他競技に比べ大きいレフリーのゲームへの影響力(試合前にレフリングの傾向を調べるスポーツを他に知らない)が更に大きくなり、
公平性への懸念は増え続ける。

プレーヤーやファン(と投資する人たち)はそれをラグビーユニオンの美徳としてどこまで寛容でいられるだろうか。

元々、伝統国、上位国とそうでない国の区別が根強く残っているラグビーユニオンだけに安全性だけでなく公平性の確保も大きな課題と思う。 (ワールドカップの日程も含め)

そんなこと言っておきながら、具体的な解決策は全く思いつかない。
判定についてはレフリーやカメラの数を増やしても特に状況は変わらないと思う。
ラフプレーについては基準を作って判定しているが、それによる影響の判断が難しい。

ジャック・ラムのようなサモアのプレーヤーが
オリンピック競技となった7人制やラグビーリーグの13人制に偏る前にいい落とし所が見つかるといいのだが。

#ラグビーワールドカップ #サモア #RWC2019 #日本代表

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