六道慧の花暦2024年3月

昭和の下町

映画『ゴジラ-1.0』が、アカデミー賞視覚効果賞を受賞した。ゴジラ生誕70年、映画作品では30作目の快挙である。いやぁ、目出度い! 
励まされます。

ゴジラで思い出すのは、アメリカがマーシャル諸島で行った水爆実験のこと。1954年3月1日。付近を航行していた日本の船、第五福竜丸が水爆の影響を受けたとされています。このニュースに素早く反応したのは、私の母親世代でした。子どもを産み育てる女性には無視できない事案だったのでしょう。女性は肌で感じて反応しますから。

「死の灰が降るんだってさ。雨になって降り注ぐんだって。髪の毛が抜けちゃうらしいよ」と母はかなり真剣な顔をしていました。雨の日は必ず傘をさすように言われたうえ、レインコートまで着せられましたもの。水爆イコール怖いもの、長崎と広島への原爆投下を母親たちは思い浮かべていたのかもしれません。

アカデミー賞受賞の知らせが流れたのは、奇しくも3月11日(月曜日)。東日本大震災から13年目の日だったのも、偶然とは思えません。第五福竜丸の事故が3月1日というのも、なんだか数字が迫ります。やけに1と3が目につきますよね。
私は、ゴジラからの警告のように感じました。忘れるなよ、原水爆を甘く見るなよ、と。

明るいニュースが少ないとき。なによりの朗報でした。関係スタッフや出演者の皆様、本当におめでとうございます!
そして、ありがとう、ゴジラ。大好きだよ。


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