六道慧

六道慧と申します。ライトノベル、時代小説を経て、今は警察小説を書いています。32年間、…

六道慧

六道慧と申します。ライトノベル、時代小説を経て、今は警察小説を書いています。32年間、文筆活動を続けてきました。短編小説『恋猫』、お笑いの『浪速猫漫談』などなど無料配信しています。お暇なときに是非、どうぞ! 応援していただけると嬉しいです。

マガジン

最近の記事

六道慧の花暦2024年3月

昭和の下町 映画『ゴジラ-1.0』が、アカデミー賞視覚効果賞を受賞した。ゴジラ生誕70年、映画作品では30作目の快挙である。いやぁ、目出度い!  励まされます。 ゴジラで思い出すのは、アメリカがマーシャル諸島で行った水爆実験のこと。1954年3月1日。付近を航行していた日本の船、第五福竜丸が水爆の影響を受けたとされています。このニュースに素早く反応したのは、私の母親世代でした。子どもを産み育てる女性には無視できない事案だったのでしょう。女性は肌で感じて反応しますから。

    • 六道慧の花暦2024年3月(1)

      昭和の下町(5) 私の住んでいた下町が、買い物難民の区域であったことは以前、書きました。そのせいなのだろうが、千葉県から行商の女性が魚や乾物類などを売りに来ていた。2、30キロはあろうかという大荷物を背負い、総武線に乗ってはるばる売りに来てくれたのである。 電車の中で見かけた方もいるかもしれない。うちに来ていた女性は、九十九里浜の方だった。ご主人は漁師さんだったのだろう。自家製と思しき鯵の干物やしらす干し、漬物などが美味しかったのを憶えている。 夏になると逆に、私たち家族

      • 六道慧の花暦2024年2月(3)

         昭和の下町(4)  ビートルズ、来日。この話題は避けて通れません。リアルタイムで観られたのは、幸いでしたが、なにしろまだわからなくてね。へえ、なんて興味津々、テレビで飛行機のタラップを降りる4人を見た憶えがある。その影響でしょう。日本でもグループサウンズが花盛りとなりました。  タイガース、テンプターズ、ワイルドワンズ、ジャガーズ、ブルーコメッツ、オックス。オックスが最後になったのは、中学生のとき、同級生とライブハウスに観に行ったからです。私はファンじゃなかったんだけど、親

        • 六道慧の花暦2024年2月(2)

           昭和の下町(3)  昭和30年代。墨田区石原町、緑町、亀沢町あたりの下町には、小さな町工場が連なっていた。メリヤス関係や鉄工所、金型造り、ネジ専門、車の修理といった小さな工場、さらにはガラス加工や江戸切子の工房、足袋職人の家などが建ち並んでいた。  私の家もそんな小さな町工場のひとつ。従業員は父を含めて三人程度だったっけ。今はスカイツリーのお膝元だけれど、昔も今も買い物が不便なのは変わらない。自転車で7、8分のところにあったスーパーが、食料品や日用品を揃えられる唯一の場所。

        六道慧の花暦2024年3月

        マガジン

        • 六道慧の花暦
          20本
        • 恋猫
          10本

        記事

          六道慧の花暦2024年2月(1)

          昭和の下町(4)  昭和三十年代の中頃。デパート――当時は百貨店とも言いましたが、まあ、しのぎを削っていましたね、はい、派手でした。銀座に三越と松屋、松坂屋、日本橋に三越と高島屋、東急百貨店、そして、新宿に新進気鋭の伊勢丹。  私は憧れました、伊勢丹に。トレンディ(死語か)で今で言うところのクール。流行の最先端という感じがしました。あれは忘れもしない小学六年生の12月。子どもには胸躍るクリスマスです。不思議な夢を見ました。  デパートらしきフロアに赤いコートを着たマネキンが立

          六道慧の花暦2024年2月(1)

          六道慧の花暦2024年1月(1)

          昭和の下町(3)  昭和のスターをひとり、挙げろと言われたら、あなたはだれを思い浮かべますか?  私はダントツで美空ひばり(敬称略)。子役としては今ひとつだったように思いますが、歌手としては押しも押されもせぬ大スターです。あたりまえの表現で恐縮ですが、本当に歌が上手かった。  小林旭と結婚したときは、ぶったまげましたね。あちらも俳優としてはもちろんのこと、歌手としても大スターです。私は小林旭の歌、好きでした。ちょっと高い声で、朗々と歌いあげる。天は二物も三物も与えるんだなと思

          六道慧の花暦2024年1月(1)

          六道慧の花暦2023年12月(4)

          光文社文庫から『警視庁行動科学課』、発売中です。主人公は男勝りの女刑事・上條麗子で、FBI仕込みの犯人像作成(プロファイリング)を駆使して難事件を解決に導きます。 相棒がこれまた、一癖も二癖もある美人検屍官・一柳清香。歩く百科事典という異名の持ち主であるとともに、時代物好きの歴女でもある。幼なじみの二人が大活躍! 大好きなシリーズです。男性作家があまり取りあげてこなかったストーカーやDV、虐待といったテーマを軸にテンポよく話が進みます。重くならないのは、二人の持ち味による

          六道慧の花暦2023年12月(4)

          六道慧の花暦2023年12月(3)

          『風水探偵タケル』(1)~(3)巻。アドレナライズ社さんから配信中です! 大正時代を舞台にした男子校の物語。主人公の速水タケルは、若いながらも風水師です。 私自身、大好きなシリーズで、本当はあと2冊、書きたいと思っているのですが、なかなか機会に恵まれません。大正時代は、関東大震災が起きたせいか、資料が非常に少ないのです。 やはり、災害というのは、文化に大きく影響しますね。どうにか揃えた資料をもとに、男子寮のある学校を描いてみました。 是非、どうぞ! 風水探偵タケル (全3

          六道慧の花暦2023年12月(3)

          六道慧の花暦2024年12月(2)

          『蝶々夫人の事件簿』(1)~(3)巻。アドレナライズ社さんから配信中です! 気持ちが沈みがちなとき、明るい蝶子さんの活躍を読んでいただくと元気が出るかもしれません。元警察官の主人公は、ある事情で警察を辞め、女探偵に。 私のシリーズにしては珍しく(?)、良い主人を持ち、可愛い娘もいるという設定です。破天荒なところは、いつも通りですけどね。 カバーやイラストは、漫画家の秋乃茉莉さんにお願いしました。主人公の華やかさを繊細な絵で描いていただきました。好きですねえ、秋乃先生のイラス

          六道慧の花暦2024年12月(2)

          六道慧の花暦2023年(12月の1)

          徳間書店から『公儀鬼役御膳帳(新装版)』で発売中です! 鬼役は徳川将軍家の毒味役。主人公の隼之助は、どんな味もわかるという『鬼の舌』の持ち主です。一気読み間違いなし。お正月休みにお楽しみください! #時代小説 #六道慧 #徳間書店

          六道慧の花暦2023年(12月の1)

          六道慧の花暦2022年11月(2)

          徳間書店さんから『新・御算用日記 美なるを知らず』と、2巻目の『新・御算用日記 断金の交わり』、発売中です! 電子書籍でも配信されています! 主人公の生田数之進と、相方の早乙女一角が、小藩に潜入して藩の財政を立て直すというシリーズです。3巻目を前にして、カバーをお願いしていた村上豊先生が、7月22日。亡くなられてしまいました。 はじめは辛くて「もう書けない」と担当編集者に言ったのです。 新しいカバーを描いていただけない、もう村上先生の絵を見ることはできない。悲しくて、辛く

          六道慧の花暦2022年11月(2)

          六道慧の花暦 2024年1月(1)

          『神の盾レギオン 獅子の伝説』、1~4巻と、外伝の『星月夜の歌姫』。アドレナライズ社さんから配信中です! 当時、ヒトが乗って操るロボットが流行りました。触発されてファンタジーとからめた次第です。 『ミラクル・アイ』、1~4巻も、アドレナライズ社さんから配信中です! カバーや挿し絵を担当してくださった鈴木雅久先生は、6月20日に旅立たれてしまいました。すでに追悼文はあげましたが、描いていただいた作品をあらためて告知いたします。 アドレナライズ社さんにライトノベルズの電子書

          六道慧の花暦 2024年1月(1)

          六道慧の花暦2022年10月(1)

          『異界の四龍士』(1)~(4)巻、外伝『貴種流離譚』(1)巻。 アドレナライズ社さんから配信中です! 台風、地震、夏かと思えば冬のような寒さ。異常気象も加わって体調を崩しがちなとき。皆様、お元気ですか? さて、このシリーズは、題名を見るとファンタジーに感じるかもしれませんが、ミステリーです。ライトノベルズを離れた後に手がけた一連の警察小説の前身みたいな感じになりました。 イラストを描いてくださったのは、吉原留偉さん。武器なども気にかけてくださり、丁寧なお仕事をしてください

          六道慧の花暦2022年10月(1)

          六道慧の花暦2022年9月(3)

          『羅刹王』1巻~7巻。アドレナライズ社さんから配信中です! ファンの方には叱られてしまうかもしれませんが、空気感が『鬼滅の刃』に似ています。私は『鬼滅』が大人気になったとき、『羅刹王』や『大神伝』みたいだな、と思いました。 当時、ライトノベルズでは、まだあまり取り入れられていなかった民俗学的な雰囲気も織り込んだホラーミステリーです。羅刹王はだれなのか、覚醒したとき、なにが起きるのか。 謎が謎を呼び、主人公たちは翻弄されて、みたいな感じでしょうか。 私は三年ほど前からブログ

          六道慧の花暦2022年9月(3)

          六道慧の花暦2022年9月(2)

          『千の顔を持つ男』1~5巻、同じシリーズなのですが、メインタイトルが変わった『縁切屋シリーズ』が、3巻。合計8巻、昨今、また流行り出したオカルト話が満載。面白いです、アドレナライズ社さんから配信中です! 二人のイケメンイラストレーターが、裏では(怪しげな)霊能力を使って人助け、なのですが、なかなか思うようにはいかず、猫に憑依されてしまったりすることもあり……大好きなシリーズです(こればかりですが)。 メインタイトルが変わったのは、出版社側の都合でありまして、ノベルズの大きさ

          六道慧の花暦2022年9月(2)

          六道慧の花暦 2022年9月(1)

          9月は、電子書籍化されたライトノベルズの作者セレクションをブログにアップしたいと思います。まだお読みいただいていない方の参考になればと思います。私は漫画が大好きなので、ライトノベルズの原作を、どなたかが漫画化してくださらないかしら、などと夢見ております。 *『風水探偵タケル』 大好きなシリーズのひとつです。舞台は大正時代の男子学生寮。日本版ハリーポッター(ファンの方、すみません。言わせてやってください)的な感じで書きました。イラストは、古張乃莉さん。文中のモノクロ挿し絵も、

          六道慧の花暦 2022年9月(1)