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今更ですが2020を振り返ります

日差しが春めいてきた今日この頃。
2021年も始まって随分月日が流れましたが、今更ながらですが2020年を振り返りたいと思います。と言うか、ここで振り返らせてください。。

初めてこちらを読んでくださる方にわたしの自己紹介を書きます。
知っている方はこちらをフッ飛ばしてください。

わたしは創業百年の染屋4代目、女職人です。
都内でグラフィックデザイナーとして勤務後、デザインの現場で培った商品の見せ方や考え方を活かしてプロダクトをザインしています。桐染という屋号で染色業と自社ブランドを運営&経営しています。

昨年のコロナ、まさかこんな1年になるとは誰も思っていなかったですよね。

私は夏に向けて商品を作っているので(これは自分で決めたサイクルなのですが)、夏に予定してた百貨店でのイベントや自社での展示受注会などが中止になり先行きの見えない不安な1年でした。

withコロナの中、様々なイベントが中止になりましたが、咋年は地元桐生での出来事が充実した1年になり、地元の温かさや魅力を再認識する事ができました。
逆にこの機会に自分の身近な人たちや、お店などの魅力に気付いたり再認識できたりと、足元をしっかりと見れた一年だった気がしています。地元で桐染と関わって下さった皆様に心から感謝しています。

桐染の自社商品は浴衣をメーンに作っているので、昨年は夏祭りや外出の予定も立てづらい1年となり、浴衣の売り上げは大幅にダウンしました。
夏に予定していた百貨店での催事、桐染の展示会(桐生・東京)も中止。
まだ自社ブランドを初めて2年なので、そこまで催事がなくなることへの不安はむしろ無かった(分からなかった)のですが、どうやって商品を自分達の力でPRしていくか、それについて頭を巡らせる1年でもありました。

前年に疎かになっていたSNSの更新をなるべく毎日しようとか、オンラインショップをよりお客様に見てもらう為に工夫をしてみたり、自分的にはそういった小さな努力は積み重ねられたかな、、と思っています。

夏前に百貨店のイベントが中止になった知らせを受けたときは焦りもありましたが、母から「今年は何をやってもダメよ」と冷静に言われ、少し気持ちが楽になりました。消してネガティブな「ダメよ」では無く、自分の責任だけではない所で大きな問題がある現実を受け止めて動きなさいという意味合いの「ダメよ」でした。

そんなコロナ禍でも、意外とイベントもできたりしたので、昨年のそんな出来事を振り返りたいと思います。


<2020年5月>

一時コロナが落ち着いた頃、新宿高島屋での桐生3社の催事は開催する事ができました。
その名も「桐生の3つの手仕事店」

これは2019年夏、浅草かまわぬさんにて「桐生の7つの仕事店」という桐生の食と繊維の7社が集って展示販売をするイベントを企画したものの第2段というイベントです。
(↓2019年、桐生の7つの仕事店告知ビジュアル)

チラシ表


今回は、初年度のメンバーの中の3社で手仕事に特化したイベントを開催しました。
井清織物のOLN、帽子製造のcom+position、そして桐染の3社。

OLNのご夫婦が今回お声がけして下さって実現しました。
中止になるじゃないかと直前まで不安でしたが、無事に開催できて良かった!
ちょうどコロナの自粛要請明けだった事もあり、お客さんは予想より多かったです。OLNのお二人が新宿高島屋の良い場所を抑えてくれたのもあり、人通りの良い場所での展示だったのも良かったです。
浴衣の購入には直結できませんでしたが沢山の出会いがありました。

ビジュアル作成は前年に続き私が担当しました。
写真はちょうど展示の数ヶ月前に桐生に移住した「日のこと写真館」の高木さんにお願いしました。高木さんの奥さんは私の高校の同級生という事もあったし、写真を数点見させていただいて、とても素敵な写真を撮られる方だと思ったのでお願いしました。

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予想通りの良い写真が出来上がりました。

こうやってイベントを自分達の力と予算でやってみると色々と課題も出てきます。やっぱりみんなほぼ個人事業みたいなものなので、とにかく毎日が忙しい。みんな職人でもあり経営者でもある。だからイベントでの店頭になかなか立てないとか、わたしの場合は、宣伝のビジュアルの作成の方に集中してしまい、販売する商品の準備や自社のリーフレットの準備が間に合わなかったり。
全部自分達で進めるのは今後はもう少し色々考えないと持続するのは難しそうです。。でもとっても楽しい1週間でした!

実は、ここでのイベントで出会った方と現在仕事をしています。あの時は名刺も忘れて店頭に立っていたので、連絡先など渡していなかったのに、わざわざ連絡をくれて今に繋がっていたりしています。
時が経ってこうやって振り返ってみると、あ、あの時に出会ったのか、、と思い出して、どんな事でも少しづつ次に繋がっていくもんあんだな、と感じます。
そして来週その繋がりがTVで放送されることになりました。
ガイアの夜明けに密着いただくことになったのです。とても好きな番組だったので、まさか出演できるとは思ってもいなかったのですが、放送が決定しました!このことはまた放送が終わってからゆっくりと書きたいと思います。

<2020年7月>
2020年4月、桐生に素敵なお店がオープンしました。
生活雑貨やお洋服などのセレクトが素敵なurarakaさんです。
私は友達のSNSでurarakaさんを知ったのですが、素敵なお店なので直ぐに連絡をとって会いにいきました。

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というのも、桐生で桐染の商品を扱ってくれるお店を見つけたいと思っていたのです。

私は和装をメインで作ってはいるんだけど、和装をやりたいんじゃなくて、和の考え方や魅力、美しさを現代の人に知ってもらいたいというのが根底にあります。和装ばっかりやってたらやっぱりそれがお客様や取扱店さんになかなか伝わらなくて、和装とは全然関係のない生活雑貨を扱うお店に商品を置いてもらいたいと思っていたところでurarakaさんがオープンしました。

これはもう行くしかない!と思い立ってすぐ行動。
インスタからコンタクトを取ってアポイントを取りました。
店主の千草さんと旦那さんの隆さんは快く迎えてくれました。
(旦那さんが東京でクラシコというお店をされていて、奥様が桐生でurarakaを運営されています。クラシコは知るひとぞ知る雑誌などにも取り上げられているお店です。)

温かな人柄のお二人と、香雲堂さんの和菓子と千草さんが入れてくれたコーヒーを飲みながらお話しさせていただきました。
商品を置いてもらいたいと話をする中で、急遽ポップアップイベントをやらせていただけることになりました。ブランドを初めて間もない無名な桐染。なぜかニッチな和雑貨だし、千草さん達も不安だったと思います。。笑
それでもやってみよう!という前向きに考えてくださってPOPUPイベントが決まりました。

ちょうどイベントの最中も、コロナ感染者が増え始めて第2波?みたいな状況だったかと記憶しています。
それでも様々な方に足を運んで頂き、地元で販売できることの喜びを感じました。前から桐染を気にかけてくれていた方や、始めましての方まで。やっぱり1番は地元の人に知ってもらって、手にとっていただけることが1番嬉しいことですね。コロナ前までは、外へ外へ発信して行かなきゃ、そう思っていました。
でも1番応援してくれているのはやっぱり地元の方々なんだな、と商品を買ってくださった方々を見て心が暖かくなりました。以前から桐染を知ってくださってる方ともお話ができたのも嬉しかったです。

店主の千草さんはとっても可愛らしい方で、丁寧に物を扱われる様子がとても素敵で、千草さんから商品を買いたい!と思わせてくれるお人柄です。
そして2人のお子さんがめちゃ可愛い。。
ポップアップ期間中は可愛いモデルさんがあづま袋や日傘を持ってモデルとして活躍してくれました。

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高橋夫婦にはお世話になりっぱなしでした。
商品についてもアドバイスしてくれたり、地元に商品の目利きがいるのはものを作る側にとって大変ありがたいことです。
商品の見せ方もとっても上手で勉強になりました。
そう。わたし、こういうお店を探していたんです!!と叫びたかったです。
本当に素敵なお店です。

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このイベント、今年もurarakaさんで開催出来そうです。
千草さんとオリジナルのあづま袋も製作途中なので、イベントまでにお披露目できるのがとっても楽しみです。是非楽しみにしていてください!

そして千草さんのインスタはお店の事だけでなく、生活の事や子育ての事も綴っているので、同じ女性として見ていてとっても楽しいのでおすすめです。https://www.instagram.com/uraraka_chigusa/


<2020年8月>
毎年8月は桐生祭という八木節祭(&祇園祭)があります。
2020年はコロナで勿論中止に。

桐生祭が無いと夏がきたとは思えないのが桐生人。
私もその一人。
そんな中、オンラインで八木節を楽しめる企画を発足して動いてくれた若者たちが。桐染はそのイベントの中でのクラウドファウンディングの返礼品として浴衣などを提供させていただきました。


来年はコロナ終息を願って、浴衣を買って下さった方もいて感謝です。
オンラインと言えど、八木節音頭が今年も聴けて嬉しかったです。
クラウドファンディングは目標額には至らなかったようですが、地元の為にこういう行動を起こせる人ってなかなか居ないんじゃないでしょうか。
動いてくれた事にまず感謝です!
2021年、八木節はどうなるのでしょうか、、、

<2020年10月>
NHK群馬で桐染を特集していただきました。
取材は9月ごろに何度かに分けて工場に来ていただきました。
NHK前橋のキャスターさんが桐染を見つけて連絡をくれました。
確か、このnoteで桐染を知って下さった様です。つくづく、どこで誰が見てくれてるかわからないものです。。


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担当は若い女性キャスターの大森さん。
キャッキャ言いながら取材も撮影も楽しかったです。
何より担当の大森キャスターが桐染のことに興味を持ってくれているのが伝わり嬉しかったです。浴衣も着てくださいました。
取材では自社開催では初めてとなる、お洋服の染め直し受注会についてのものでした。サステナブル(持続可能)な考えが世間で注目されているので、その取り組みについて取材していただきました。
お洋服の染め直しについては、過去にnoteにも書いているので、気になる方はこちらを読んでみて下さい。

TV放送後、桐生のパンセギャラリーで染め直しの受け付けを行いました。
予想を超える反響で地元の方達に私たちの染色技術を知っていただけてやって良かったと思えるイベントになりました。
この活動は、今後継続的に行って行く予定です。


<2020年11月>
桐生のお洒落なパン屋「THE BAKERY」とのコラボであづま袋を作りました。

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グラフィックデザイナーだった頃(今もだけど)、1番胡散臭くてこそばゆい言葉が「お洒落」という言葉でした。お洒落な人はお洒落という言葉を使いません。なのでキャッチコピーや商品説明でお洒落という言葉を使う企業や人を私はあまり信用していません。笑

けれど、前言撤回。ここではお洒落という言葉をどうしても付けたい。
まさか桐生にこんな洒落たパン屋があるなんて誰も思わないほどお洒落なパン屋さんだからです。
しかも、めちゃくちゃパンが美味しいのです。

実は桐生はパン屋激戦区。
美味しいパン屋が凌ぎを削っています。
美味しいパン屋さんは他にも沢山あります。でもセンスの良いパン屋は他にないんじゃないでしょうか。(ごめんなさい。でも味はみんな美味しいから他のパン屋も大好きです)

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オーナーの阿久津さんは、めちゃかっこいいパン職人です。
腕に刺青がたくさん入っていて、俺はパン屋で一生食って行くという意気込みを感じます。味もそうだけどとてもセンスが良い方です。
思えば、かまわぬさんで開催した「桐生の7つの仕事店」の時にオープニングパーティーのケータリングの時に初めてちゃんとお話しさせていただきました。
そこからの縁でこのコラボレーションが実現しました。
こうやって小さな出合いから次に繋がって行くのが楽しい。
春先にご相談いただいた頃から随分時間が経ってしまいましたが、クリスマス時期にちょうど良い色合いだったので結果オーライ!という事で店頭で販売会を行いました。
当日はあづま袋目当てにお買い物に来てくださる方もいて嬉しかったです。

うちの工場や実家からはちょっと遠いので普段あまりパンを買いに行けないのですが、サンドイッチなども人気ですぐになくなってしまうので、朝早めにお店に行くことをお勧めします。
ちなみに、クッキーなどの焼き菓子は先ほどご紹介したurarakaさんでもお買い求めいただけます。


<2020年12月>

ボードゲームのお店ふふふ主催のイベント、ふぁふぁふぁに参加させていただきました。桐染はお洋服の染め直しの受付をイベント内で行いました。

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ファッションを軸に、お洋服の処方箋受付、そして群馬県内の素敵なお店を1日限りのイベントでふふふに終結させるという企画です。

<お買い物>
- THE MODERN AGE(高崎)
- HEIRLOOM(桐生)
- the entrance(前橋)

<既存のお洋服への処方箋>
- 桐染-KIRISEN-(桐生)
- 大小(桐生)
- Rio Kadoi(桐生)

supported by mai shimamura

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毎回名札とマスクを大小さんが刺繍で作ってくれます。
イラストは渋川で美容院をやっているマイさんによるもの。
みんな多才で感心してしまう。。

1回目はお洋服のセレクトショップがふふふに集いました。
1回目の様子をあんまり写真に撮っていなくて後悔!

同世代の面白い人たちと一緒に何かできるのは本当に楽しいです。そして群馬のポテンシャルの高さに驚きました。
そして昨年に続き、早速今年の3月頭に2回目のふぁふぁふぁが開催されました。

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イベントの企画に合わせて出店者に声をかけてまとめてくれる大小さんにも感謝だし、みんなすごい面白い人ばかりで出店しているわたし自身が楽しいイベントです。
2回目はGREEN GROCERY STOREの小林さんが写真を共有してくれて、
写真がかなり充実しています。

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今後継続的に開催予定みたいなので、是非機会合えば次回お越しください。

大人から子供まで楽しめるイベントです。
もっと細かく色々書きたいところですが、段々長文で疲れが出てきています。。また次回、fa -pha -phaについて詳しく掘り下げて書きたいと思います。

2020年を振り返ると、桐生って面白い街なんだな〜て改めて思います。

人も個性的だし、お店同士がライバルとして敵視したりせず、みんな仲が良い。お互いの店で買い物したり、ごはんを食べに行ったり。

桐生はどんどん良くなっているように思います。
そして桐染も時代の波に揉まれながらも、新しい出会いにも恵まれなんとかやっております。。

そんなこんなで2020年の振り返りを終わりとします。
桐生に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

本当にただの日記になってしまいましたが、最後まで読んで下さった方ありがとうございます。

桐染
平本ゆり






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