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春の景色に心がおどる

暖かな陽ざしと、しっとりと生温い風に、クレヨンの「そら色」のような青空が広がる、4月第2土曜日。

あぁ春が来た、と思った。

運転していると目に飛び込んでくる、春の花や草木たち。開花まであと少しの桜の枝先は紅く色づき、花ひらく頃合いを見計らっているようだった。

桜がつぼみを膨らませているころ、心をときめかせたのは、モクレンだ。木の蓮(ハス)と書いて、木蓮(モクレン)。文字通り、蓮の花のような形の花びらには、コーデュロイのような厚みと柔らかさがあり、ガクには、産毛のようなものがフサフサとしている。その佇まいが、まるで花界の女王のように美しく思えた。

ほかに、バナナのような小花を連ねるレンギョウ、ラッパのような表情をしたスイセン、ひょこひょこ地面から伸びるツクシ、ちょこんと座るように咲くタンポポ、ぶどうを逆さまにしたようなムスカリ…目を向ければそこに芽生える野草たちに、クスクスと笑いがこぼれてしまう。面白いのではなく、春を感じられるのが嬉しくて。

昨年は出産があり、気づいたら春は終わっていた。
一昨年はコロナ禍が始まったばかりで、春を楽しむどころではなかった。

3年ぶりに、素直に感じられた「春」を、自分の全部が喜んでいるのだと思う。もう少し続くであろう春の景色を、めいっぱい味わい尽くしたい。


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