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私たちは、幸せになるために演奏している

私はかれこれ50年近くピアノを弾いています。
音楽の専門教育を受けて、ピアノを専門として卒業しました。

大学の4年間をとにかく、ピアノを弾いていたかったのですが、卒業後にピアノで暮らしていけるとは思っているほど甘い考えは持っていませんでした。
それでも、三年働いて貯金して留学するつもりでしたが、長期休業を利用して、ドイツにレッスンに行くことを結婚まで続け、実際は職場も仲間も楽しく、そのまま50歳まで二足の草鞋をはくことになります。



一流の芸術大学や外国の大学に留学したとしても、
だれもが豊かな暮らしを安定的にできるわけではありません。

両親や配偶者が、裕福で無い限り、生活費を毎月稼ぐのは不安定でたいへんです。

私は、一流になれないなら、普通の暮らしを得たかったので、就職しました。

家を建ててピアノを置き、旅行に行ったりレッスンに行ったり、コンサートを企画したりできたのは幸せだと思います。

その代償として、
世の中でピアニストとしては認められにくかったり、音楽の世界でも、仕事の世界でも、中途半端にやってるだろうという偏見もつきものです。

プロの方からマウンティングなんてザラです。
音楽愛好家とかね

でも、私たちはピアノを誰かに演奏して、喜んでもらいたいというただそれだけのために、日々疲れていても、辛い時も弾いてきました。

だから、

それを聴いてくださり心が動かされてくれるかたのだめに、ピアノを続けてよいのだと思います。

たとえ、30人でも、ファンがいるなら、幸せです。
幸せになるために、ピアノを弾いているから。
聴いた方が、幸せになるためにピアノを弾いているから。
そう、それは趣味じゃない。


だから、
批判したりマウンティングしたり、なんだかんだの雑音に遊ばれず、誘導されずに、



ピアノだけで食べていくのが、正しいわけでもなく、
ピアノを通して幸せになるのが、演奏家なんだと思います。

二足の草鞋、いいでしょう。
ピアノだけで演奏だけでは、生活大変です。
それに、
若い人が次々と出てきます。
芸能界のアイドルの競争に似たところがあって、
音楽家とはいえ人気商売です。

人の気持ちなど移り変わり、縛りつけられるものではありません。

ならば、
二足の草鞋を勧めます。

たしかに
アマチュアだとかセミプロだとか言って、やる気を削ごうとする人は、いますが。

生活をまずはつくりましょう。
報酬が逆転したら、一本にしたらいいです。

たしかに、体力も気力も2倍です。
でも、
演奏することが幸せなら、形も社会的立ち位置も関係ありません。

音楽に限らず、私たちは幸せになるために生きているのだから。

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