セリアック病への栄養療法

皆さんおはようございます!

整体院「感喜」の金子です!



今回はセリアック病についてお話したいと思います。

セリアック病はグルテンに反応して様々な症状が起こる自己免疫疾患です。

この疾患に子どもがなると発育に問題が起きたり、女性であれば婦人科系の疾患に繋がったりと腸からの問題が様々な部位に波及していきますので、この疾患への対策は非常に重要な意味を持ちます。




セリアック病とは


セリアック病はグルテン過敏性腸症とも呼ばれ、小麦、大麦、ライ麦に含まれるタンパク質であるグルテンに敏感な小腸の免疫介在性疾患です。グルテンは抗原として作用し、小腸の内層に損傷を与える免疫反応を引き起こし、脂肪、カルシウム、ビタミン B12、葉酸、鉄、その他の栄養素の吸収不良を引き起こします。



子供がセリアック病になると、発育不良、発育遅延、神経過敏、嘔吐、便秘、多量の便、末梢性浮腫、ばち状核突起、頻繁な呼吸器感染症などの症状が現れることがあります。しかし、セリアック病はグルテンを摂取したらすぐに発症するわけではく通常は 10 歳から 40 歳になるまで現れない場合があります。



成人の場合、多くの場合は無症状ですが、一部の患者では下痢、体重減少、腹部膨満、腹部膨満がみられることがあります。



セリアック病になると腸以外の症状の他にビタミン Dカルシウムの吸収不良を起こし、くる病、骨粗鬆症、、骨折、貧血、無月経、不妊症、疱疹状皮膚炎、および神経学的症状(末梢神経障害、運動失調、発作など)が起こる可能性があります。





セリアック病に関連する症状

セリアック病には関連する症状が250以上あり以下がその一部になります。

  • 疱疹状皮膚炎、セリアック病に伴うかゆみを伴う皮膚発疹

  • 倦怠感

  • 下痢、便秘、ガス、膨満感、腹痛などの胃腸障害

  • 片頭痛を含む頭痛

  • 鉄欠乏性貧血

  • 関節と筋肉の痛み

  • うつ病、不安神経症、「ブレインフォグ」などの心理的な問題

  • 手足のうずきを引き起こす末梢神経障害

  • 骨減少症および骨粗鬆症

  • 不妊症およびその他のリプロダクティブ ヘルスの問題

  • 体重増加または体重減少


セリアック病を治療せずに放置すると、骨粗鬆症他の自己免疫状態、さらには特定のがんなどのさらなる合併症につながる可能性があります。


グルテンを含まない食事はセリアック病を治療することができますが、決してすべての症状を改善するわけではありませんが。 セリアック病が治るまでには時間がかかり、場合によっては数年かかる場合もあります。2016年の研究では、診断から1年後にフォローアップ生検を受けた患者の約半分は腸の治癒を示し、残りの半分はまだ絨毛萎縮を示していました。

<font><font>2016年の研究</font></font>





セリアック病に関連する疾患


IgA欠乏症、自己免疫性甲状腺疾患、1型真性糖尿病、炎症性腸疾患のある患者はリスクが高くなります。

1 型糖尿病患者の大部分は、疾患の明らかな徴候や臨床症状を示さない無症候性セリアック病を患っている可能性があり、疱疹状皮膚炎は、セリアック病患者によく見られます。



栄養学的な対策



グルテンフリーの食事


グルテンフリー食では、小麦、大麦、ライ麦、およびこれらの穀物の派生物 (ファロ、セモリナ、デュラム、スペルト小麦、ライコムギ、麦芽など) を排除します。またビール酵母には、大麦由来の微量のグルテンが含まれていることがよくあります。通常、オート麦はセリアック病の人が摂取できますが反応してしまう方もいらっしゃいます。




もしオート麦に反応してしまい、それでもオート麦を摂取したい場合は、病態や症状が落ち着いたら食事に1 日 2 g 未満のオート麦から取り入れててみるとよいかもしれません。

エンバク特有の腸内T細胞の存在によって確認されるように、エンバクに敏感な患者には、エンバクを避けることが推奨されます。




しかし、現代はグルテンを 100% 回避することはほぼ無理です。何故なら自然にグルテンを含まない製品でさえ、1kgあたり20~200mgのグルテンを含んでいる場合があります。これはグルテンフリーの小麦粉を 1 日 300 g まで摂取すると30 mg のグルテンを摂取することになります。




対策


グルテンフリー食は現在はセリアック病患者の唯一の治療法と言われています。錠剤や治療法がないため、セリアック病を管理する唯一の方法は、厳格な 100% グルテンフリーの食事です。

<font><font>グルテンを含まない食事は現在、セリアック病</font></font>



グルテンフリーの食事では、パン、ベーグル、パスタ、プレッツェル、クッキー、ケーキ、クラッカーなどを除外して果物、野菜、肉、家禽、魚、豆、豆類を摂取することが勧められています。



また小麦や大麦、ライ麦の代替品として以下の食品があります。

  • アマランス

  • そば

  • アーモンドミルク

  • ココナッツ

  • トウモロコシ

  • コーンスターチ

  • グアーガム(でんぷん)

  • えんどう豆の粉)

  • じゃがいも

  • キノア

  • 玄米

  • 大豆(小麦粉)


セリアック病対策の注意点



セリアック病患者の食事やグルテンフリー製品は、ビタミン B、カルシウム、ビタミン D、鉄、亜鉛、マグネシウム、繊維が少ないことがよくあります。つまり、グルテンフリーの食事をすると微量栄養素が不足して栄養状態が悪くなり、骨密度の減少、便秘になりやすいですので、他の食品でしっかりと微量栄養素や繊維の含まれるものを摂取する必要があります。



またビタミン B 群の欠乏は未診断のセリアック病患者の 5 ~ 7% であるのに対し、対照集団の 1 ~ 2% あり、鉄欠乏症および葉酸欠乏症と診断された患者の約5%は、内視鏡検査および生検後に組織学的に確認されたセリアック病であることが分かっています。つまり、セリアック病になると、そうでない人たちに比べてビタミンやミネラルの吸収障害が起こりやすいということになります。



10 年間グルテンを含まない食事を続けた患者では、37% で葉酸の血中濃度が低く、20% でビタミン B6 の血中濃度が低くい、治療を受けていないセリアック病患者の 20 ~ 40% は、ビタミン B12 の状態が悪いことも分かっています。

同時に脂溶性ビタミンの欠乏も起こりやすく、セリアック病におけるミオパシー(筋肉の病気)およびビタミン D 欠乏症の症例が報告されており、低レベルのビタミン E はセリアック病の神経学的合併症に関与しています。

ビタミンEの補給とグルテンを含まない食事は、結果として生じるミオパシーの対策になります。




まとめ

セリアック病への対策はがんや自己免疫疾患、神経疾患など様々疾患の予防に繋がりますのでグルテンフリーの食事をすることは重要なのですが、もともと腸の炎症により栄養素の吸収障害が起こりやすく、グルテンフリーは微量栄養素の不足になります。その結果別の症状を引き起こしてしまう可能性があるので、グルテンフリーを実践する場合はビタミンやミネラル不足にならなように対策することが必要になりますので是非覚えておいてください!



本日はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!!

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