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【第三章】ニコンからZOZO、そしてビットキー へと転職して丸2年。今改めて考えるスタートアップで働く魅力

こんにちは。高石です。

ビットキーというスタートアップでファームウェア開発チームの責任者を担当しています

スタートアップ転職譚の第三章を綴っていきます。
第一章:こちら
第二章:こちら

記事の構成

「ニコンからZOZO、そしてビットキー へと転職して丸2年。今改めて考えるスタートアップで働く魅力」の記事は全部で3部の構成としています。文量が多くなってしまった為。
それぞれの内容は以下の通りです。

【第一章】:転職エントリ的な内容を記載
【第二章】:スタートアップで働いて感じたことについて記載①(スタートアップに入ってよかったこと)
【第三章:本記事】:スタートアップで働いて感じたことについて記載②(スタートアップに入って驚いたこと)
【第四章以降】スタートアップに合う人、合わない人とか。

この記事では、主に以下内容について詳細に綴っていきます。

・ビットキーで働いていて「うお、マジか」と感じたこと

記事のターゲット

第二章となるこの記事では、以下の方々をターゲットとしています。

・スタートアップで働くことに興味を持っているが、挑戦するかどうか迷っている人
・スタートアップで働くことになったが、入社に向けて不安を抱えている人
・スタートアップで働き始めたが、価値を出せるかまだ不安を抱えている人
・ビットキーに興味を持っている人
・ビットキーで働いている人(一緒に働いている高石の考えを共有する為)

では、早速本題に入っていきましょう。

・ビットキーで働いていて「うお、マジか」と感じたこと

一つ前の記事でも書きましたが、僕は2019年10月にビットキーに入社しています。もう2年半近くが経過した中で「楽しかったこと」「しんどかったこと」どちらもありました。その中で感じた「良かったこと」は前回記事にて詳細に記載しています。

今回は「おお・・・これがスタートアップか」と感じた内容についてです。まずは要点を以下にまとめます。

・覚悟はしていたが,思いの他「整っていない」状態だった
・抽象的な依頼が多く、求められるプロフェッショナリティが想像以上により高かった
・あらゆるところから無限に仕事が生まれるため、優先順位をしっかりと意識しないとパンクする
・自分の仕事の効率がそのままプロジェクトのボトルネックになり得る
・トップ層の「抽象」「具体」の行き来が目まぐるしく早い

それぞれについて記載していきます。

・覚悟はしていたが、思いの外「整っていない」状態だった

スタートアップに転職するんだからそれくらい覚悟しとけよ」の一言に尽きるんですが。

僕が入った時のビットキーは、色々な領域で「整っていない」状況でした。
「何が整っていなかったのか」、というと、例えば以下のような内容です。

・製品や機能の開発プロセス
・ソフトウェアのリリースプロセス
・製品が市場に出た後のお客様からの声を技術者に迅速に伝達する為のプロセス
・製品仕様をまとめたドキュメント
・他

一つ念押ししたいのは、「整っていない」だけで「全くない」わけではなかった、ということです。
例えば各種の「プロセス」については、明確なルールが固まっていませんでしたが、それぞれの領域において各メンバー自分なりに「どうにかしよう」と思って動いていましたし、製品仕様についても「個別の領域について詳しい人」や「広い領域を大まかに把握している人」はいました。

ただ、新しく入ったばかりの自分は「自分が欲しい情報」について「誰が知っているか」も「情報がどこにあるか」も「そもそも情報が存在しているのか」も含めてわからない状態だった為、キャッチアップには結構な努力が必要だったなと思います。

「人に聞く」にしても、聞く相手がまた滅茶苦茶忙しい人であることが多いので、なかなか聞きづらいですしね。

ただ、そんな中で活動している中で、「周囲にいるメンバーは誰もが忙しい」ということを常に念頭に置く癖がついたので、「質問をするときには端的にすることを意識しよう」「目的や背景を明確にした上でコミュニケーションを取ろう」という、「今まであまり意識していなかったコミュニケーション能力」が身に付いて来たという実感もあります。

入社直後には戸惑いを感じましたが、改めて考えると「自身が成長する要因」にもなっているとも思えます。

・抽象的な依頼が多く、求められるプロフェッショナリティが想像以上に高かった

これも、恐らく「スタートアップでよくある話」だと思います。

少しボカしますが、「市場でこんな問題が起きていると聞いてる。よくわからんけど直せる?」といった様な、具体がわからない状態の問題解決の依頼が来ることが結構多かったと思います。

「抽象的な依頼が来る」ことに加え「高石さんって、この領域に対して、一定の知見ある・・・んだよね?」という無言の期待をひしひしと感じたのは今でもよく覚えています。

上記の様にプレッシャーを感じることがある一方、良い意味での驚きもありました。「依頼が抽象的である」ということは、言い換えると「自分が考える余地が多分に含まれる」ということでもあります。「自分の考えをここまで反映していいのか」という驚きを感じたことが記憶に新しいです。

こちらも、入社直後は面食らいましたが、「今となっては経験しておいてよかったこと」になります。

・あらゆるところから無限に仕事が生まれるため、優先順位をしっかりと意識しないとパンクする

これはスタートアップだけでなく大きな企業でも同じかもしれません。

仕事を振ろうとしている相手は「自分自身が助けを求めたい状況」なので、「仕事を振る相手の今の状況」なんて気にせずに依頼を掛けてきます。

更に「業務のプロセスが整っていない状態」だとそれが拍車を掛け、「メンバー」「マネージャー」「経営陣」などあらゆる方向から色々な仕事が飛んできます。

以下のような、「仕事の納期を調整する」「仕事を断る」ということが一定以上できないと、すぐにパンクしてしまいます。

「これこれこういう理由で今この問題に取り掛かっているので、どんなに早くてもこのくらい掛かります」
「依頼頂いた内容はこのくらいの優先度だと思います。すぐに取り掛かるのは難しいです」

もちろん、周囲のメンバーやマネージャが、「ある人がパンクしないように業務量を調整すること」も必要なのですが、「一人のプロフェッショナルとして、自身の業務を調整すること」も必要である、と今になって改めて強く思います。僕自身は、大企業に所属している時に「業務調整ができているつもり」でいたんですが、「つもり」でしかなかった、ということを痛感しました。

自分自身が抱えている業務は、何を目的としていて、いつまでにどの程度の品質で対応しなければならないのか。いわゆる「QCDの観点」を常に念頭において置くことの必要性を、ビットキー入社後に改めて学び直した、と言えるかもしれません。

・自分の仕事の効率がそのまま事業・プロジェクトのボトルネックになり得る

裁量が大きい」ということを「スタートアップのメリット」に掲げる会社や、「スタートアップに転職する要件」にする人をよく見かけますが、「本当にそれで大丈夫か?」とよく思います。

「裁量が大きい」のはそのまま「自分自身に責任がある」ということ。自分が上手く動けないと、それがそのまま事業・プロジェクト推進におけるボトルネックになってしまいます。

そういったリスクを理解した上で、覚悟を持って「裁量が欲しい」というなら良いのですが、そうではない状態で格好だけ「もっと裁量欲しいんだよね」と思っている人が一定以上いるんじゃないかなと思っています。

・・・何せ、僕自身が最初の会社にいた時にそう思っていましたから。当時の僕は「上長はわかっていない」とか「俺がやればもっとできる」の様なことを発言しがちで、今になって振り返ると「何もわかってない子供が喚いているだけだったな」、と恥ずかしく思えるくらいです。

「裁量を求める」に関しては、以下のビットキー3代表のインタビュー記事にも記載があるので是非読んでみて下さい。

僕は、江尻さんの以下の表現に全面的に同意です。

江尻さん:
でも、「裁量を持つ」「すべてのことに責任を持つ」というのは本当にプレッシャーのかかることだし、覚悟の要ることで、意思や実行能力が十分ではない人が裁量を持ってしまうと潰れてしまうかもしれませんよね。ビットキーだけの話でなく、どこの会社でも未経験の人にいきなり裁量権を渡すことにはないと思います。「裁量権が欲しい」と、転職の目的の一つとして言う人がいたら、それは間違っている。権限がないとできないことなんて本質的にはないと思っていて、権限があっても、なくても、「これをやる」「こうやって実行する」という意思や思考、その実行こそが大事だと思うのです。

何というか、最初の会社にいた頃の自分自身に言い聞かせたいですね、これ(遠い目)

・トップ層の「抽象」「具体」の行き来が目まぐるしく早い

ビットキーは「あらゆるものをコネクトする」というミッションを元に、様々な事業領域に対して価値を創造している会社です。

それを実現する為に、「コアとなる抽象的な概念の摺り合わせ」と「具体策の検討」それぞれについての議論が日々活発に行われています。

例えば、「具体的なお客様への対応方針」を議論しているかと思えば、「今議論している内容を一段階、もしくは二段階抽象化した場合にどうなるか」に議論の対象がシフトし、その後に「ということは、別件のこちらのお客様にも適用できるよね」という様に、「一つの具体的な案件」→「抽象化された概念」→「別の具体的な案件」と、議論の対象が高速にシフトすることがよくあります。

「具体⇔抽象」の行き来にの重要性ついては最近よく話題になりますし、自分自身よく理解しているつもりではいたのですが、「議論の推移のスピード」が早すぎてだいぶ焦ったことをよく覚えています。

今でこそある程度はついて行けるようになったので、「トレーニング次第でどうにでもなる」という感覚は持ったのですが、その場に放り込まれたばかりの当初は右往左往するばかり、でしたね・・・。あれからまだ2年とちょっとしか経ってないのか。早いもんだ。

具体、抽象に関しては以下の記事がわかりやすくてオススメです。

余談ですが、日々の会話の中で「要するに(一段階抽象化)」と「例えば(一段階具体化)」をする様に意識を付けていると、脳のトレーニングになると思います。同じ課題を持った人と2人とかでディスカッションすると超楽しいです。僕も仲の良い仲間と楽しみながらトレーニングしてます。

さて、案の定書いていたら文章量が増えてきてしまったので、今回はここまで。次回は「スタートアップ(ビットキー)に向いている人、向いていない人」について記載していければと思っています。

ではでは〜。

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