草薙弥生

日々の想いを綴ります

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最近の記事

読書感想

引き込まれるような文体で書かれた本でした。主人公であるうーちゃんは母親の独特な話し方が染み込んでしまったらしく、それがそのまま文章になってるので初めは読みにくかったです笑 ですが、文章のリズムに慣れてくると、この本をずっと眺めていたくなる中毒性がありました。中には聞き慣れた挨拶(いただきまんもす)みたいなのも出てくるので、親しみやすいところもあります。 内容はかなり痛々しかったです。 それも現実で起こり得る悲劇的な物語なので生々しかったです笑 それがこの本のページを捲る原

    • 恋する寄生虫 感想

      題名:恋する寄生虫 またもや手に取ってしまった、最後に悲しくなりそうな本。 ただ。 この作品、感情を忘れてしまうくらい、内容が濃いです(笑) それも、中々に難しい!!(笑) 今日、この作品を読み終えたのですが、今までにないパターン過ぎて、驚いています(笑) もちろん、あれですよ? もの凄い感動します。そして目が潤みます。しかもポロリと出てきます。 では、この作品の何がそこまで濃いのか——それは、『自由な意志とは何か』が問われているような気がします。しかも、これ

      • 推し、燃ゆ 個人的感想

        題名:推し、燃ゆ 個人的感想                             流石は芥川賞を授与される作品。当たり前に転がっている物事を追及し表現するのは難しいと思います。国民全員が認知している物事は、既に自分の中で勝手に解決していることが多いので、題材になり得る当たり前のことを探す時点で非常に困難なのです。(個人的意見) そして今回の題材は「推し」です。 この作品では、推すとはどういうことか。推されるということはどういうことか。推しがいる人を、周りの人はど

        • 桜のような僕の恋人 感想

          題名:桜のような僕の恋人 個人的感想  この手の感動作品は、悲しくなる未来が読めてしまうので購入を渋っていましたが、最近本屋に行くと、数ある本の中での中央を陣取っていたので買いました。  もちろん最後の方、主人公は気持ちが落ちたあと、また元気になっていくのですが、この作品は読者をメインヒロインによる悲しみと成長による感動だけでは終わらせません。  メインヒロインを支える周りの人達の心情が細やかに描かれています。  そこに感情移入をしてしまうんですね......  誰でも

        読書感想

          教室に並んだ背表紙 感想

          題名:教室に並んだ背表紙 個人的感想  この本を手にした時、どんな話が出てくるのだろうと疑問に思いました。誰かさんが困ってるときに、本好きの人がオススメの本を提供して事件解決するものなのか。あるいは、本好き同士の人がお互いの一推し本を紹介して新たな価値観に遭遇する成長するものなのか——それくらいしか思いつきませんでした。それもそのはず、僕は本好きのなので、読書を通して人が変わる物語なんてあまり想像出来ないのです。本が好きなのが普通であり、そこに疑問点を抱いたことがありま

          教室に並んだ背表紙 感想

          滅びの前のシャングリラの感想

          題名:滅びの前のシャングリラ 個人的感想   辛さを乗り越えた先に幸福が訪れる人もいれば、不幸が訪れる人もいます。幼い頃に夢みていたものを手に入れたとしても、その夢が現在の自分を苦しめる原因にもなりうるし、周りの状況が変われば、それが幸せなことなのだと心変わりすることもあるかもしれません。  そして夢を叶えられなかった人も、人生が上手くいかなかった人も、頑張って生きようと、頑張って希望を抱こうとすれば、新たな道へ進むことが出来るのかもしれない—

          滅びの前のシャングリラの感想

          言語が及ぼす知覚への影響

           哲学の本をパラパラとめくり、目に留まった話題が人と言語についてです。  この話を見る前まで、私は言語というのは既に成立している物事を伝達するための手段とまでしか思っていませんでした。  砂や石は自然として存在しているから言語にされ、勇気や希望など目に見えない物は思想や観念として存在しているから言語にされ——これらは他者に伝達するために言葉で表現されているわけです。  これくらいの捉え方で言語と今まで私は接してきたわけですが、アメリカのベンジャミン・リー・ウォーフの言語

          言語が及ぼす知覚への影響