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介護職に就く動機が「お年寄りが好きだから」ならば注意してほしいこと

介護の仕事を選ぶ動機は色々ある。

その中の1つに「お年寄りが好き」「お年寄りと話すのが好き」といった、高齢者とのコミュニケーションを挙げる人がいる。

おばあちゃんっ子だったとか、ご近所の高齢者とフレンドリーに会話をしている背景などから、介護を好きな仕事にできると思うのだろう。

別に仕事の動機は何でもよいと思う。

しかし、自分の嗜好や今おかれている環境が、そのまま仕事に反映できるかと言えば話は違う。

そもそも、仕事とは他人(顧客)の悩みや課題に応えるのが基本である。

それを知っている人であれば、その仕事が大嫌いであってもちゃんと成果を出すことができる。

一方、仕事の基本を知らないまま「自分が好きだから」というスタンスで臨んでしまうと、そのギャップに打ちのめされてしまう恐れがある。

身の回りにいる高齢者が大好きだから介護の仕事を楽しめると思うかもしれないが、仕事として相手にする高齢者(顧客)は自分のことを知らない。
何なら「こいつは誰だ」と不審がられることもある。

また、自分の祖父母や近所の方々は自分に対して良い対応をしてくれるかもしれないが、介護を受けることを毛嫌いしたり、誰とも関わりたくないタイプの高齢者は、いわゆる”塩対応”をされることだってある。

もしかしたら、お年寄りが大好きで介護業界に来た方からすると「思ったのと違う」と感じるかもしれない。

――― しかし、それが現実であり、それが介護の仕事である。

高齢者(顧客)は介護する側を楽しませるためにいるわけでない。介護を要する状態の高齢者に対して支援を行うために、スキルを高めて労働としてサービス提供するのだ。

その過程でたまに面白い会話があったり、大変な思いをしたけれど何とかやり切ったときに”やりがい”とやらを感じるくらいだ。


――― と、別に「お年寄りが好きだから」と言う理由で介護という仕事を選ぶことを否定しているわけではない。

上記でもお伝えしたが、正直言って仕事の動機なんてどうでも良い。

大切なことは顧客目線で相手のニーズを探り、それに応えることである。
それはどの仕事においても成果を出すための基本であり、引いては仕事が面白くなっていく要素でもある。

それができるのであれば、「お年寄りが好きだから」という動機でも「お金が稼げればなんでもいい」でも「プライベートと折り合いがつくから」であっても何でもいいのだ。

情熱とか色々な話もあるだろうが、それはあくまで仕事を発展させるための要素であって、仕事に従事するだけならば淡々としていればいい。

理不尽なことばかりでも、たまに「コレ面白いな」「ちょっと楽しい」と思えればラッキーだと思えばいい。

そして時々「ああ、自分はやっぱりお年寄りと関わるのが好きだなー」と思えれば、きっとそれは介護という仕事が天職なのかもしれない。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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