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干し菜、万歳!

ウゴジ。あぁ、ウゴジ。
シレギ。あぁ、シレギ。

なんのこっちゃとお思いでしょうね。ウゴジ、シレギは、干し菜を意味する韓国語。
韓国と言えば、なキムチを漬ける際に出る不使用部分を食用にしたもの、です。

キムチを漬ける際、白菜を丸ごと用意し漬け込みますが、緑濃い外葉は外します。キムチを漬け込む際に用いる薬味(ヤンニョム)を作ったり副菜的な感じで大根を用いますが、その菜っ葉の部分も、余ります。それらを寒干しし、柔らかく食べられるようにしたものが、ウゴジ・シレギ、です。韓国ではチゲの具材にしたりスープに使ったりと、厳冬期の葉物野菜として活用されてきたそうです。

(カムジャタンから出てきたウゴジ。味が染みてて美味しい…)

ちなみにウゴジもシレギも、干し菜を表す言葉ですが、その差は方言だと言う人もいて、いやいやウゴジは白菜、シレギが大根菜だと言う人もいたり。まあ、個人的には、どっちも好きです。

ウゴジもシレギも、そのままでは食べにくい部位を「どうにかして食べる」ものなので、少々の青臭さや繊維質な食感が残ります。が、それが「食文化的な味わい」になり、面白いというか感慨深いと言うか…。これを「どうやって美味しく食べるか」を長らく工夫し、干し方も工夫してきて、今の味があるんだろうな、と…。そういや日本でも東北などでは干し菜を作るんでしたっけね。雪に白菜を埋めて熟成させたりもするんでしたっけ。

そんな「庶民の冬の保存食」なウゴジ・シレギですが、かなり定着している食材なのでしょう。世界有数の国際空港に入っている韓国料理レストランのメニューにも、ありました。

ウゴジチゲ定食。熱々のチゲの具材は、あの「ウゴジ」が堂々たる主役。

煮崩れしそうなほど煮込まれていますが、さすが外葉だけあってしっかりしています。トロトロな部分と繊維質な部分との食感の差、そして煮汁の絡み具合が、おいしいのです…。

肉も入っています。これがまた、見た目と違って柔らかくて、脂もよく抜けていて、肉なのにあっさり美味しいんですよね。

韓国の食事と言えば…な小皿類も、いくつか並びます。さすがに空港の食堂なので「おかわりサービス」はなく、小皿というより猪口に毛が生えた程度の小さな小さな小鉢ですが、ちょこちょこと色々なものを食べられるのは、やっぱり楽しいのです。そして野菜が多いのも、韓国らしいところ。この青菜、何なんだろう…

空港で食べる、現地の食材。庶民の味。
あぁ、また、食べに行きたいなぁ…。

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