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田舎のサラリーマンが実家の和菓子屋にカフェを立ち上げて2周年を過ぎた今残しておきたい記録 Vol.1

初めまして、新潟県の片田舎で和菓子屋のカフェのオーナーをしている上野と申します。
大学を中退して地元に戻った田舎のサラリーマンが新型コロナウイルスの広まりをきっかけに、実家の和菓子屋の店舗の中にカフェを立ち上げて、とりあえず無事に3年目を迎える事ができました。(家業とは別に今もサラリーマン続けています)
この記事を書こうと思ったのは、今しか書けない超リアルな体験記をここに残し、どなたかの参考になればと思ったからです。
現実はあまりにも厳しいなと何回も思いました、もちろん今も思ったりします。
それでも幸せだなと今感じられていることも事実です。
今、暗闇で足掻いている同志がいるならば何か少しでもためになる言葉や記録が残せれば幸いです。
この2年間で得られた大きな成果は、頑張った分、苦しんだ分、悲しんだ分、悔しんだ分、あらゆるモノゴトに幸せを感じられるということがわかったことです。

創業70年の和菓子屋は2代目である父の代で終わるはずだった

これはカフェ立ち上げに至った経緯のお話です。
大学を中退して(大学時代の話はいつか記事にします。)実家へ戻り地元で就活。
この時点で家業を継ぐことはもちろん、会社に入ろうとは1ミリも思っていませんでした。
せいぜい仕事が決まるまでちょっと手伝うくらいで、ありがたいことに割と早く仕事も決まり無事サラリーマンになれました。
そこから4年間家業はほぼノータッチ、内情も知らないし、今後の話も全くしてません。(親も継がなくてもいいと普段から言っていました。)
そんな中、新型コロナウイルスが蔓延し、会社の経営状態がヤバそうだなと感じ始めました。(カフェ立ち上げ後にここ数年の数字を見たら、コロナ以前から既に会社は大きく傾きかけていましたけど笑)
ここからは正直、戦略を練って動くと言うより、なりふり構わず動きました。
経営は初心者だし、カフェも素人、戦略なんか練ってる暇があったら動いたほうがよっぽど早く状況を変えられる、そんな気がしたので。
まずは社長含めた従業員を全員集めて会社を手伝うこと・カフェを立ち上げることを伝えました。当たり前ですけど最初からすんなりとはいかず、ここの交渉は時間が掛かる事も予想していたので、出来ることから手をつけることにしました。キャッシュも全然なかったので、いかにコストをかけずに始めるかが鍵でした。
ここからやったこともない事業計画を練り、補助金の申請準備、金融機関に融資の相談、設備屋さんに安い設備がないか相談、店内の内装は極力自分達でDIYすることにして、難しい壁紙だけ業者さんに相談しました。広告費は掛けないと決めていたのでSNSも立ち上げて準備段階から発信しました。←2020年3月頃の話。
5月末にようやく補助金が採択されたので、ここで正式に社長にあらためて話をしにいき、承諾を得ました。
ここからオープンの9月15日に向け毎晩徹夜で準備。
・内装DIY
・メニュー開発
・設備、備品準備
・人材確保
・ロゴやパッケージのデザイン
・HP立ち上げ
etc…….
真夏に、古びた力の弱いエアコンしかない店内で、床の張り替えを毎晩汗を滝のように流しながらやっていたのが懐かしいです。
時間もお金もなかったので、100%理想の状態でのオープンは目指していませんでした。とりあえず始めて、そこから少しづつ良くしていければいいかなと。
そんなこんなでたくさんの人にお世話になりながら無事オープンまで漕ぎ着けました。立ち上げをサポートしてくれた全ての人に心から感謝しています。

このフェーズでの学びは
・行動すると状況が変えられる
・基本何かをやろうとして、みんな賛成してくれるなんてありえない
・頑張っていると周りにも伝染する
・最初から100点を目指さない、大事なのは改善する時間を沢山作ること
・感謝は行動に繋がる大きなエネルギー


オープン当初の店内の様子

オープンはゴールのないレースの始まり

無事にオープンを迎えたToRaYaですが、広告費を掛けないという条件があったので情報の発信はSNSのみ。
オープン当初は近所の方や会社従業員の知り合い取引先の方がお客様として来店してくれるという感じでした。もちろんとてもありがたいし、自分自身、この人たちとはしっかり繋がりを作りたかったので、とらやに入るまでは全くなかった繋がりができてとても嬉しかったです。
ちなみにお店の名前を【とらや】ではなく【ToRaYa】にして分けたのは、覚悟と責任の証としてあえて分けました。そうしないと何かあった時に社長(父)の責任にできてしまうので。
今思うと、よく言うオープン景気というのは1週間くらいで終わってたのかもしれません。10月に入るまで割とカフェは閑散としてた記憶があります。
SNSの影響がジワジワ出てきたのが10月入ってからで、【新潟カフェ】のハッシュタグをきっかけに認知が広がっていき、ローカルインフルエンサーの方々にもご来店頂いて、ようやく火がついたという感じでした。
そこで満を辞してモンブランの提供を始め、モンブランという商品が勝手にToRaYAを宣伝してくれるようになりました。
新聞や雑誌といったメディアもこの頃から取材して頂くようになりました。
メディアに紹介してくれた方やSNSで発信してくれた方々にも心から感謝しています。お店にとって、SNSの一つ一つの投稿がとてもありがたく貴重です。もちろんポジティブな意見ばかりではないですが、ネガティブな意見にも凄い価値があるという事にもお店を始めて初めて気がつけました。(SNSについては後で詳しくお話します)
そんなこんなで、ここから右肩上がりに知名度が上がっていく事になります。
そこからが終わりなき戦いの始まりでした。
Vol.1はここで終了です。
ご清観ありがとうございました。
こんな感じで自分の経験談や学びなど発信していくので少しでも誰かのお力になれれば幸いです。
Vol.2 は最初の戦い【 接客編 】です!
お楽しみに。


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