水瓶座なんです、と、書き直しについて

今年はいろいろと星のめぐりが変わるんですって。

と、とつぜん奥様っぽく書き始めてみましたが、気づけばもう3月も終わろうとしていました。noteをほったらかしていますね。というかTwitterもほったらかしだし、やってることといえば、資料を読む・原稿を書くということです。

春から始まるだろうと予想していたお仕事ひとつ無くしまして、それはそれで心に引っかかりがあったのでちょっと穏やかな心持ち。そのかわり、夏あたりから半年ほど雑誌で「創作時評」を受け持つことになりました。児童文学の「創作時評」。
 隔月刊なので、時評というのもちょっと違うかなと思いつつも、児童書は息の長いあつかいだからちょっとくらいのズレはいいだろうということで、半年ずれくらいで時評を書いていきます。
 今回は3回ですが、前やったときは1回だけだったのにけっこうへとへとになりました。というのも2ヶ月分の本として88冊読んだんですよね。それを「乱暴カテゴライズ」という標題で、自分の好きに分類して、本を当てはめていったんです。
 あの試みそのものはおもしろかったんだけど、ふだん読まない方向性のものもあるし、読書好きではあっても熱心ではないので、読むのがしんどかったりで大変でした。
 今回は1回にだいたい10冊ほどくらいになるかなと。これならじっくり評価もできるかもしれないです。
 掲載されたりしたらご報告いたします。

年末から書いている原稿はいつものとおりの進捗ですが、書き直しを考えなくてはならなくなりました。


ついでだから、書き直しということについて、ちょっと創作談みたいな話をしていきます。

書き直しは推敲のことではありません。推敲ってのは文字通り「推す」がいいのか、「敲く」がいいのか悩むなあっていう直し方のことです。
 書き直しは文字通り初めから書き直すことです。設定などはそもそもあるけど、エピソードの取捨選択とかキャラクターの整理とかをしながら、プロットを組み直すという作業です。
 いきなり原稿を書くタイプの人だったら、何十枚何百枚を破棄してということもあるかもしれません。荻原規子さんとかそういうのを嬉々としてやられるんだって、以前お話をきいたことがあります(あとさき塾の初年度で、非公式ゲストに来られたときだったかな。とつぜん行き詰まって、読み返してみると百枚だか二百枚前に齟齬を発見。だから、そこからを破棄して書き直すんですって。ものすごい力量です)。

教室をやっていると、推敲すればいけるものと、書き直してほしいものとが分かれるんですよね。教室のタイプにもよりますが、初心者of初心者みたいな人だと、完全書き直しって心が折れるので手直しですませます。というか、それを一度書き直したら、次のを書いてほしい。次々新しいものを書いたほうが(書き終えたほうが)、力がつきますからね。
 ある程度の人、賞を狙いたいという、初心者の中レベルの人になってきたら、書き直しを示唆することがあります。そのとき上記に書いたような、エピソードの取捨選択とかキャラクターの整理とかが必要になるんです。
 賞を狙うとかになると、枚数制限みたいなものがありますね。短いものだと5枚、10枚の童話もあるし、ミステリーや伝奇ものなんかだと500枚なんてものもありますが、だいたい「頭でっかち」なんです。竜頭蛇尾ならまだしも、竜頭兎尾みたいな原稿になっていることがある。長大な作品はまだ調整しやすいですが、短い作品だと思いきった取捨選択が必要になります。

で、だいたいできないんです。なぜできないかというと、書いた作品がかわいいから。
 せっかく書いたのだから、苦労して書いたのだから、読みかえしたらそれなりにおもしろいから、というようなのがだいたいの理由です。読者には関係がないんですよね。
 読者に必要なのはその話のおもしろさであって、作者の苦労とか作者のおもしろさではない。そもそも作者は自分の書いた文章は読みやすいからおもしろいんですよ。書きそびれていることまで推察できますし。
 だから、そういうものをバッサリ切り離していきます。
 いつか別の作品に使えばいい、くらいの気持ちで、バッサバッサと削っていきます。

お話は大雑把にいって、前半が設定・後半がドラマです。これは尺で考えます。100枚なら50枚で前半後半を区切ります。
 前半。設定だからといって退屈ではいけないません。だから、その世界観をおもしろく知っていくストーリーラインにしていく。
 後半はその設定がどんどん生かされる(覆される)などするところです。
【脱線しますが、後半に新しい設定がどんどん出てくる話はだいたい破綻します。枚数無視していい話ならそれでもいいけど、制限があるなら前半後半を守る。これをプロットポイントと教室では言っています(プロットポイントは尺を何等分かしたところにおくと都合がいいです)。】
 で、書き直しをしてほしいのは前半なのですよね。「あれも知ってほしい」「これも知っておいてほしい」「本筋に関係ないけどこのエピソード入れておきたい」とかいうのが前半に多すぎると、あふれてしまうわけです。
 このあふれたものを整理する必要があります。
 整理するとどうなるかというと、文章レベルでもプロットレベルでも全体の調整が必要になります。部分を直せばいいってものではなくなります。それやると「前半で削った人が後半でいきなり主要人物として出てくる」というおかしなこととかになります。

書き直しはしんどい作業です。でもこれを乗り越える必要がありますね。

そしてこれは自戒なのです。今書いてる原稿がまさにこれ! 長くない作品なので今のままとりあえず書き終えますが、おそらく50枚になる。これを25枚にする必要があります。

泣。


話はタイトルまで戻りますが、わたし水瓶座なんです。今年はかなりいろいろ変わる年だそうで、楽しみです。

とりあえず、花粉症がすぎたら、Youtubeで創作・作文ラジオをはじめてみようかなと思ったりしています。創作指南本とかの紹介とか、小学生~高校生向けの作文技法とか、論文のこととか、もちろん創作の技術やなんかも。自分ができる範囲で。

ではまたー



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