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グラレコ・図解・ビジュアライゼーションを学びたい人必見の日本語書籍まとめ12冊

こんにちは、くぼみです。

私のnote連載をきっかけに2020年8月、『はじめてのグラフィックレコーディング 考えを図にする、会議を絵にする』が翔泳社より出版されました。発売直後から想像以上に多くの反響があり、すでに2度目の重版が決定しました(2020年12月時点)。

この本は、タイトルのとおり、はじめてグラフィックレコーディングを学ぶ方のための「入門書」という位置づけで書きました。そのため、線の引き方や人の描き方など、基本的なテクニックから学べるワークブックとなっています。この本を読まれた方の中には、「やってみたら楽しかった。さらに実践的なスキルを学びたい」という方や「関連分野にも興味が出てきた」という方も多いと思います。そこで今回は、グラフィックレコーディングや図解、ビジュアライゼーションを学びたい人におすすめの関連書籍を紹介したいと思います。

今回紹介するのは、次の観点で厳選した12冊

・私が執筆中に出会ったおすすめ関連書籍
・2020年に出版されたおすすめ関連書籍

私自身も、執筆するにあたって様々な関連書をリサーチしました。その中で直接引用した書籍や、引用してなくても私が大きく影響を受けた書籍を紹介します。また、近年のグラフィックレコーディングやファシリテーションへの注目の高まりもあってか、今年は多くの関連書籍が出版されました。その中で特に注目すべき書籍を紹介します。読みたいと思える本に出会っていただければ幸いです。

▼前回の記事も合わせてどうぞ
以前、「グラレコ・図解・ビジュアライゼーションを学びたい人必見の海外書籍まとめ10冊」という記事を書いたところ、多くの方に「参考になった!」と言っていただけました。合わせてお読みください。


1. Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

概要
「グラフィックレコーディング」とは、会議やミーティング、あるいはカンファレンスやワークショップなど、さまざまな立場の人たちが集まる場所で行われる議論をグラフィックで可視化することで、より良い対話をもたらし、課題解決に導く手法です。本書は、これからグラフィックレコーディングを始めたいと思っている方や、自社の会議に課題意識を持っている方にとって、最適な入門書です。

この本をきっかけにグラフィックレコーディングを知った人も多いはず。グラフィックレコーディングの第一人者・清水 淳子さんが書かれた名著。「はじめてのグラフィックレコーディング」執筆でもとても参考にさせていただきました。グラフィックレコーダーの役割とはなにか?から会議を実際にファシリテーションするコツまで、体系的に学べる必読本です。

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2. ビジュアル・ミーティング 予想外のアイデアと成果を生む「チーム会議」術

概要
アップル社のリーダーシップ教育にも携わるなど、35年以上にわたって多様な変革プロジェクトを支援してきたコンサルタントが明かす、予想外のアイデアと成果を生み出す会議の秘訣!会議内容を「ビジュアル化」する、ファシリテーション・グラフィックの“元祖"が解説する会議手法の決定版。

ファシリテーション・グラフィックの「元祖」と呼ばれるデビッド・シベット氏による有名な一冊。会議をビジュアル化する手法は、1970年代から、米国の住民参加によるワークショップや組織の研修などで活用されてきました。組織コンサルタントのデビッド・シベッド氏がその方法論を1冊にまとめたのが本書で、この本をきっかけに、世界中に広く普及しました。「成果を出す会議」に至るステップが4つのパート(Imagine → Engage → Think → Enact)に分けて解説されています。


3. VISUAL THINKING - 組織を活性化する、ビジュアルシンキング実践ガイド

概要
視覚的な思考法は、複雑な問題をクリアにし、チーム内のコラボレーションを促し、イノベーションに火をつけます。本書はこうしたビジュアルシンキングのテクニックをビジネスの現場へ導入するための手引書です。絵を描くことへの恐怖心を取り払って、あらゆるビジネスシーンにおける絵や図の活用方法を提示しながら、ビジュアルシンカーへの第一歩を後押しします。

見ているだけで楽しくなる、手描きスケッチ満載の一冊です。ビジネスシーンで役立つビジュアルシンキングのテクニックが学べるほか、デザイン思考で用いるような様々なビジュアルテンプレートが紹介されているので、テンプレート辞典としても役立ちます。

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▼2作目「VISUAL DOING 仕事に役立つ、ビジュアル活用ガイド」も日本語翻訳版があります。こちらはさらに一歩踏み込んで、ビジュアルをいかにうまくコミュニケーションで活かすのかという点について詳しく解説されています。


4. アイデアがどんどん生まれるラクガキノート術 実践編

概要
ラクガキは、文字とビジュアルを同時に使い、それらを「描く」という行動によって表現するため、頭の中で考えたり、文章だけで表現する以上の成果が出る万能ツールです。本書では「デザイン思考」をベースにした新しいアイデアの生み出し方や問題解決のプロセス、目標設定、プレゼンテーションなど、幅広いビジネスシーンで活用できる技術を、誰でも気軽にできる「ラクガキ」という切り口で紹介します。

『はじめてのグラフィックレコーディング』でも紹介している、誰でも簡単に表情を描けるテクニック「エモグラフィ」を開発したタムラカイさんの書籍。アイデアを生むための技として「ラクガキ」の活用法が提案されており、眠っている創造力を引き出したり、問題の本質に迫ったりするための実践的なテクニックが満載です。

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5. アイデアスケッチ アイデアを〈醸成〉するためのワークショップ実践ガイド

概要
地方都市にありながらも全国から異才が集結する学校IAMAS(イアマス)。
そこで培われた視覚的ブレインストーミング手法「アイデアスケッチ」のノウハウを、誰もが実践できるようわかりやすく解説。新規事業開発担当者のみならず、ビジネスの領域でファシリテートしたいデザイナーやエンジニアも必携の一冊。

アイデア発想ワークショップを実践したい方にオススメの一冊。『はじめてのグラフィックレコーディング』では4種類のペンを使った効果的な絵の描き方を解説しています。その参考元が、こちら『アイデアスケッチ』で紹介されているアイデアスケッチ手法。ワークショップで絵が苦手な人も得意な人も同じレベルでアイデアを交換できるようにと考案されたそうです。

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6. 手塚治虫のマンガの描き方

概要
「まったく絵が描けなくたっていい」ところから始まる「マンガの描き方」! 初心者のための手ほどきから、絵がうまくなるためのちょっとした心構えまで… 手塚治虫が「マンガの描き方」を手ほどき!

絵に興味がある人全てに読んでほしい、マンガの神様・手塚治虫によるマンガの描き方指南書。「なぜマンガ?」と思う方もいるかもしれませんが、グラフィックレコーダーには、シンプルなイラストで多様な感情やストーリーを伝える表現力が欠かせません。マンガは、そうした表現の宝庫です。『はじめてのグラフィックレコーディング』でも参照しています。巨匠・手塚治虫によるユーモアたっぷりのわかりやすい解説で、天才の表現力が学べる、本当に素晴らしい本です。しかも!AmazonのKindleでなんと297円!これは本当にお買い得なので、声を大にしてオススメしたい一冊です。

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画像:https://www.pinterest.jp/pin/263460646937162170/

▼改めて調べていると、本書がさらにパワーアップしたという永久保存版『手塚治虫のマンガの教科書』が今年の11月に新たに発売されていました。こちらも読んでみたいです。


7. デザイン仕事に必ず役立つ 図解力アップドリル

概要
図や絵を描いたり、写真を撮ったり、街に出て図を探したりなど、手を使って体を動かして、図解力を身につけよう。文字で説明されていることを、直感的にわかりやすい図表現で伝える方法を、例題やドリルを通して易しく解説。

「図解力を重点的に鍛えたい!」という方に最初に読んでほしいのが、こちら『図解力アップドリル』。図とは何か?というところから体系的に理解を深めることができます。『はじめてのグラフィックレコーディング』の4章「図の作り方」で解説する図の基本要素「点・線・面・矢印」の考え方のベースとなっています。

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8. なんでも図解 絵心ゼロでもできる! 爆速アウトプット術

概要
「同じ事を繰り返して言い合う会議」「完璧だと思って作った資料なのに、『趣旨がずれてる!』と一蹴された」「言葉が飛び交うだけのアイデアブレストにはうんざり…」etc「なんでも図解する力」でこんな不満やモヤモヤを解消!手書きこそ最強のビジネススキルだ。受講者数4000人超!伝説のセミナーが本になった。

会話形式でサクサク読める、仕事に効く図解力が学べます。2020年9月に発売され、注目を集めています。ビジネスパーソン向けの図解本はこれまでにもたくさんありますが、とにかくサクサク読めて、今日から使えるテクニックが満載です。

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9. ノンデザイナーズ・デザインブック

概要
デザイナーでない人のための、デザインの定番基本書。デザインの「4つの基本原則」。これを知るだけで、あなたのデザインはずっとぐっと、良くなります。プロではなくても、読みやすいデザイン、伝わるプレゼン資料、わかりやすいレイアウトを作りたい。そんなあなたのための、デザインの基本書です。

デザインスキルを高めたい方におすすめの定番書。複雑な情報を見やすく伝わるグラフィックに変換するときに役立つのが、デザインスキル。近接、整列、反復、コントラスト。デザインの4つの基本原則として知られるこれらを最初に提示したとされる世界的名著です。良い例、悪い例を挙げて、具体的に原則を解説してくれるので、デザインを初めて学ぶ人にぴったりです。

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10. 問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション

概要
ワークショップのファシリテーションとは「問い」と「対話」を戦略的にデザインすること。問題の本質をどう見抜くか。固定観念をいかに壊すか。どうすれば課題が自分事になるか。商品開発・組織変革・学校教育・地域活性等でファシリテーターに必要な思考とスキルを解説。メンバーを本気にさせ、チームの創造性を引き出す極意。

個人的2020年に買ってよかった本のひとつ!ファシリテーションを学びたい方の必読書。『はじめてのグラフィックレコーディング』の中で、「話を聞き分けるためには、問いを心の中に持つことが大切だ」という話や、「問いを場に投げかけることはファシリテーションの第一歩である」という話を書きました。2020年6月に出版された話題の『問いのデザイン』は、まさに問いと対話をデザインするための極意が書かれた素晴らしい良書です。

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11. 思考・論理・分析―「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践

概要
本書は論理的思考という大テーマに真正面から取り組み、「思考」の原論、方法論としての「論理」、そして「分析」のテクニックという三部構成によって、体系的構造的でありながらかつ平易で実践的な解説を行っている。

グラフィックレコーディングや図解に欠かせない、構造化や論理的思考。なかなか固い本でとっつきにくいのですが、これを読めば、「考えるということ、わかるということ」という人間にとっての大テーマを本質から理解できるようになります。私が人生で読んできた本は多くはありませんが、「ものごとの考え方」を学べる希少な本だと思っています。


12. 具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ

永遠にかみ合わない議論、罵り合う人と人。その根底は「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機がある。「具体」と「抽象」、この動物にはない人間の知性を支える頭脳的活動を、ビジネスコンサルタント・細谷功が読み解く。さらに漫画家・一秒が、具体的言説と抽象的言説のズレを、各テーマに沿った四コマ漫画で描く。

『はじめてのグラフィックレコーディング』では語りきれなかった、具体化思考と抽象化思考を学べる本書。様々な人の意見をまとめたり、議論のズレを見つける場面では、ものごとを抽象的に考える抽象化思考と、ものごとの詳細を考える具体化思考を行き来して考えるスキルが求められます。私の本でも解説したいとは思ったのですが、解説できるほど私の中でも言語化できておらず、また本で読んだからといって容易に身につけられるスキルでもないので、私の本では扱わなかった部分です。この本では、4コママンガと一緒にかなりわかりやすく解説されているので、一つ前に紹介した『思考・論理・分析』はちょっと堅苦しいな…という方にもおすすめです。

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まとめ

最後まで見ていただき、ありがとうございます。興味のある書籍は見つかったでしょうか?他にもおすすめの書籍や情報があれば、ぜひコメント欄で教えて下さい!

そして繰り返しにはなりますが、『はじめてのグラフィックレコーディング』をまだ読んでないという方は、ぜひチェックしていただければ幸いです!


グラフィックレコーディングアドベントカレンダー

ちなみに今回の記事は、2020年グラフィックレコーディングのアドベントカレンダー第2弾に登録しています。他のみなさんの記事もぜひ!


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