見出し画像

GWに大学入試問題を解く社会人は世界に一人しかいない自信がある件

そうなんです。GWですが家族は実家に帰っています。そんなとき、夫である私は何をするのか。実は大学入試問題を解いているんです。変態でしょう?

大学入試問題を解くようになったキッカケ

この癖はいつからついたのでしょうか。おそらく大学入学後ですね。僕は大学入試を英語一本の推薦入試で入ってしまった人間で、当時のセンター試験を数科目勉強して受験するという経験がなかったのです。

しかし入学してみると同級生のセンター試験の成績を聞いてびっくりしました。そこで過去問を見てみるといかにも難しそう。こんな難しそうな試験を通って大学に入ってきていたのか、と焦ります。

とはいえもう大学に入ってしまった今、専攻の英語以外の科目を勉強する気にはなかなかなれず、英語のみ大学入試問題を解いていたのでした。最初はセンター試験の過去問を。意外と取れませんでした。外大生のくせになかなか満点が取れなくて。

でもセンター試験だけでは飽き足りなくなって、近くにあるブックオフで他大学の過去問(赤本)を安いものから買っては解くという毎日。周りからするとこれのどこが楽しいの?という感じだと思います。おそらく受験時代に入試をあまり解かなかったことがコンプレックスになって、大学に入ってから解き出したという、変なことになっているのです。

そして大学を卒業してから10年以上経った今も、大学のウェブサイトで資料請求できないかチェックし、無料で過去問を送付してくれるところを探しているという始末。普通だったら引きますよね。

大学入試問題を解く効用

でも入試問題を解く効用って意外とあるんじゃないかなと思っています。英語の場合はもちろん、語学力の維持という目的は大きいですね。

一方で国語の現代文も解いています。これは楽しみでする読書とはまた違って、文章読解という知的格闘技だと僕は思っています。適当に流し読みでも誰にも怒られない趣味の読書とは違って、読み間違えると点数が引かれる世界の中で日本語と格闘する。こういう緊張感は社会人にはあまりないかもしれません。

例えば漢字の問題。今日解いたものだと神戸学院大学の2020年の過去問から以下の問題が出ました。

シヒョウのヒョウと同じ漢字を使うものを次から選べ。
A: ヒョウカを気にする B: イヒョウをつく C: 昆虫ヒョウホン D: 海岸にヒョウチャクした

さあどれでしょうか。まずシヒョウは指標ですね。Aから順に評価、意表、標本、漂着ですから答えはCです。出来ましたか?

こういういう何でも無いような漢字を、社会人は意外と覚えてなかったりします。特に標本と漂着とか、木偏と三水の違いを知っていないと思い出せないかもしれません。こういう頭の体操的なことを、大学入試問題を通して不定期におこなっております。

他にも論理関係の流れを追う問題で、空欄Aに入るのは「しかし」「したがって」「例えば」「あくまで」のどれか、みたいな問題も出てきます。前後関係を考慮して答えなければならないので、少しでも気を抜いて文字だけを追っていると答えられなくなります。

大学入試問題を読書化する

僕はこういう読書の仕方もあっていいんじゃないかと思っている派です。大学入試という形で色々な分野の文章に触れつつ、その内容を理解しているか確認できる問題にも挑戦してみる。あまりに難関大だと解く気も起きないのでやらないですが、中堅大学からセンター試験レベルの評論だったらまだ何とか解けるかな、という感じです。

こういう日本語の触れ方をしていて良かったなと思うのは、人前で講演する時です。大学で教えるから、というのもありますが人前で話すことには多少なりとも気を付けているつもりでして、無駄な言葉を使わないだとか、論理関係が不明な日本語を話さないだとか、講演や講義で自分が話した録音を聴きながら一人反省会を開いております。

大学入試の現代文読解の経験が、講演する時の日本語コントロールに繋がっていると感じることがあります。何も堅苦しい日本語を話せ、ということではないのですが、こう話せば論理的になるよね、という感覚を少しづつ大学入試問題を通じて身に付けているというか。あとは文レベル、段落レベル、そして文章全体レベルという順の規模感で文章を理解する練習は、プレゼンにすごく活きると思います。

誰かこういう大学入試の活用方法に賛同して一緒に解いてくれる人いないかな、と密かに募集していますが誰も興味がないようです。大学入試問題を趣味で解く社会人の方、引き続き募集中です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?