見出し画像

夏嫌いが7月の沖縄で草むしりしたけど結果オーライな話

一年中、とまではいかないけれど、とにかくずっと暑くてじとっとしている沖縄で育ったからなのか、夏がすごく苦手です。

ほんと、カラッとしたハワイを想像して沖縄に来る人たちが気の毒になる湿度です。あ、ハワイもそんなに湿度は低くないそうですよ。

僕は強い日差しに当たると首筋や背中が痒くなってしまうし、三十分で今日のエネルギーの九割が消費されたような心地になります。

そんなわけで、沖縄に帰ってきてからの三ヶ月間、夜も暑くて仕方ないのでほとんど家の外には出ません。遊びには行きたいんですけど、せめて気温が5℃は低くて、体力が10倍くらいあったらなと思ってます笑

(↑夏嫌いで疲れている方はこちらをどうぞ。僕の文章より100倍ためになります)


そんな夏嫌いインドア人間なのですが、昨日、祖母の家の周りの草むしりをお願いされ、弟と朝から働いてきました。まず祖母の家まで歩いて行って(1.5キロ先。大変。)、そっからスタートです。

と思いきゃ、祖母がたくさんお菓子を用意して待ってくれていてそれを食べることからスタートしました。

おしゃべりが何より好きな祖母は、有り余る元気を外出で発散することもできず、人が訪ねてくるのが楽しくて仕方なかったようです。政府から10万円をいただいていていたこともあってかなり太っ腹になっていました。

僕ら二人に対してアイスが10本、ポテチの大袋が一つ。まだ草むしりをしていないのに「ありがとう」とお小遣いまでいただきました。よほど退屈していたんだろうなと思います。

僕と弟がブルーシールのバニラアイスの蓋を開け食べ始めると、祖母はいかに退屈な日々を送っているかとか親戚の不幸とか、そんな話を楽しそうにしてくれました。最近はテレビを見るのと飴玉を舐めるのと祖父の世話をする以外何もしていないんだそうです。

アイスを一つ食べ終わった僕と弟はようやく草むしりを始めました。さすがにアイスを連続で何本も食べられませんし。

幸い天気は曇りで、気温は28℃くらいでした。それでも暑い。すごく暑い。

とはいえ、草むしり自体はけっこう面白かったです。やり始めると没頭できますよね。草以外何も見えなくなります(誇張)。

思い切り引っこ抜いた草の根っこが盛大に土を撒き散らすのに巻き込まれ顔を汚したり、火を使えば一瞬で作業が終わるんじゃないかと弟と議論したりしながらも作業は続きました。

屈んで作業するのが思いの外大変で、立ち上がると少しクラクラしましたね。

と、順調に草むしりをしていたら、全身をかっちり紫外線からガードした白装束の祖母が参戦してきました。おお。眩しい。

たぶん孫と何か一緒にやりたいんだなあと思った僕は「休んどいていいよ」とはあえて言わないことにしました。

隣で草むしりをしながら、祖母はさっきのように脈絡のない話の続きを始め、僕はそれに適当に相槌を打って文脈に関係ない質問を投げかけていました。

だんだんと草むしりに没頭し始め口数を減らした祖母が微笑ましかったです。

1時間半くらいで作業は終わり、手を洗ったら、今度は一万円札を渡され近所で弁当を買ってきなさいと。これまた太っ腹な。

僕と弟は近所のお弁当屋さんで適当に3人分の弁当を買って祖母宅に帰りました。三人分で二千円も使いませんでしたね。

お釣りのうちの小銭は全て僕らに与えられました。ありがたや。


祖母はいつも、僕らに何かを与えるほどに上機嫌になり、話の内容が明るくなっていきます。与えるほど幸せになれるとはよく聞きますが、祖母の幸せになる度合いは指数関数的です(誇張)。

来月末には富山に戻るので、あと何回か会えるうちに会っておこう、その際祖母の人生を取材してみようと思った夏の一日なのでした。ちゃんちゃん。



この記事が参加している募集

夏の思い出

サポートいただいたお金は、僕自身を作家に育てるため(書籍の購入・新しいことを体験する事など)に使わせていただきます。より良い作品を生み出すことでお返しして参ります。