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作文が苦手な中学生にライターなりのアドバイスをしてみる

本業はライター(誰かに代わって文章を書く仕事)なのですが、それでは生活費が足りないのでこれまでに家庭教師や塾でのアルバイトをしてきました。

主に中学生を担当することが多く、その際に感じたのが、作文が苦手な子が多いなということです。

書く題材がなかなか決められなかったり、指定の字数まで書けなかったり、自分らしさが出る内容が書けなかったりで困っている様子をよく見てきました。

そこで、間も無く高校入試の今、本業がライターである僕にできることはと考えたとき、作文が苦手な人へのタイプ別の対処法を書いてみようと思い立ったのです。

目次を見て、自分はこのタイプだなと思うところへ進んでみてください。

タイプA:書くことが見つからない人

君は先生から作文のテーマを与えられたとき、「考えろって言われても〜」「知るかよー」なんて言った側から、隣の人にテーマから派生した話題を持ちかけてはいませんか?

このタイプの人は、書くネタは豊富に持っていることが多いです。

きっと作文のネタになるようなことを散々友達にしゃべっておきながら、作文用紙を目の前にしたとたん 、「なんにも書くことないよぉっ」と言っているはず。

そんな君には、観察力も、それをうまく切り取る力もすでに備わっている。

一度ぐっと口をつぐんで、今にも口からあふれ出てきそうな「ネタ」をしゃべる通りに書いてみよう。味のある作文になるはずです。

タイプB:原稿を埋められない人

書き始めてみたもののあっというまに書くことがなくなって、全然文字数が足りなくなってしまうタイプの君。

もしかしたら、初めの方に短く結論を書いてその先をどうしたものかと考えているんじゃないかな?

君の文章のクセは、とにかく具体的な描写が少ないことです。

ふだんから何に対しても「ヤバイ」「すごい」「感動した!」とハヤリの単語、ハヤリの言い方ですませてしまってはいませんか?

そういう人は、まず心に引っかかったことにに点数をつけてみてください。

「全くなんとも思わなかった」「一ミリもいいと思わなかった」を最低の0点、「今まで見た中でも最高のレベル」「これより良いものが現れるのか不安」を最高の5点として6段階で評価してみるんです。

点数を付けたら、こんどは点数を使わずに見たものの良さ、つまらなさを説明してみて。

3点と4点ではなにが違うのか、5点と6点ではどうか?
なにを足せば点数が上がるのか?

1点の違いを説明するには具体的な描写がどうしても必要になるはず。あとはすなおに書いていけば、いきいきとした長い文章が書けるようになるでしょう。

タイプC:書き始めるのに時間がかかる人

こんなことを書いて意味があるのだろうか、こんなことを書くと先生に低い評価をされるのではないだろうかと不安になっているのかもしれない。

たしかに、友達にしゃべるのとはちがって、自分を評価する人に文章で考えを伝えないといけないのはプレッシャーを感じることだよね。

だけど、安心してほしい。

君たちが15年かけて積み上げてきたものすべてを、たった数百字の文章で評価できるはずはない。

採点する人が見ているのは、君たちがどれだけ立派な文章を書いているかではないし、真実を書いているかですらないんだ。気にしているのは、ただ条件に合うように作文ができているかだけ。

まずは、立派に書こう、全部書こうという気持ちをすててしまおう。

作文には「書かない勇気」が必要なんだ。頭に浮かんだいろんな結論のうち一つだけを選んで提出するしかない。そんなもんだとわりきってもっと気楽に書いてみてほしい。

タイプD:ありきたりのことを書いてしまう人

このタイプの人はCの人とは逆に、テーマが与えられるとすぐに飛びついて書き始めてしまうことが多い。

もう少し君の「自分にしか書けないこと」をじっくりと探ってみよう。

自分の周りにいる人たちの中で、自分だけが気づいたこと。自分だけがなぜか他人とちがう感想・意見を持ったこと。自分だけが体験したこと。そういうことを書いてみてほしい。

うーん、そう言われても、みんな同じような経験をして同じような感想を持つ中学生なんだしむずかしいよと思ったかな?

それなら、タイプBの人のところで書いた6段階評価をぜひ使ってみてほしい。

君の観察がするどくなって、細かい違いを説明できるようになるほど、他の人と自分の感じ方の違いにも気づけるようになってくるはずです。


番外編:条件作文が苦手な人

高校受験では必ずと言っていいほど登場する条件作文。

与えられたテーマに対して、条件を守りつつ、だいたい200字で書きなさいという問題が多いかな。

これが苦手な人に対してかんたんなアドバイスをしてみる。

1:書きやすいことを書くこと

「言いたいことがたくさんある」「私はこれを言わなくてはいけない」という人には特にこのことを意識してほしい。

さっきも言ったように、採点する人が見ているのは、君たちがどれだけ立派な文章を書いているかではないし、真実を書いているかですらない。気にしているのは、ただ条件に合うように作文ができているかだけ。

受験ではスピードも大事だから、とにかく書きやすいことを書くようにしよう。具体的なエピソードが必要な場合はウソでもまったくかまわない。

2:いきなり書かないこと

基本的なことだけど、これもすごく大事。

数行書いた後で間違いに気づくと消すのが大変だし、どうしてもむりやり感のある文章になりがち。

せめて余白に以下のことを箇条書きをすること。
・具体例として取り上げること
・具体例から引き出されるまとめにぴったりなキーワード
・まとめに沿った主張

これだけでも実行すればかなり文章が読みやすいものになるでしょう。

最後に

高校受験が人生で初めての受験という人は多いと思います。今すごくドキドキしているかもしれません。

でも、いざというときに緊張するのは、戦う準備が整った証拠。決して悪いことじゃないのです。

実際、緊張を悪いものじゃないととらえた人の方が発揮できる力が上がるんだそうです。

緊張を味方につけ、受験に挑んでください。

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