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小さな私から届いたクリスマスプレゼント

もうすぐクリスマスですね。


こちらは
少し前の文子さんの記事。

3歳のMちゃんの言動に
涙がほろり。

この記事を読んで
私は幼い頃のある出来事を
思い出しました。

おそらくそれは
私が5、6歳の頃のこと。

家の修理か増築のために
大工さんが来ていたことがありました。

その時のことは  
ほとんど憶えていないのですが
一つだけ
憶えていることがあって。

それは
その中の一人の大工さんのお家に
泊りに行ったこと。

その大工さんのことも
ほとんどおぼえていないのですが
父とは対照的で
穏やかで優しい人だった
そんなぼんやりとした記憶が残っています。

おそらく
私はその大工さんのことが
大好きだったのだと思います。

その大工さんの側に行っては
色々お話をしていたんじゃないかなと。

一日の仕事が終わったら
当然大工さんは自分の家に帰ります。

それが寂しかったのでしょうね。

大工さんのお家に泊まりに行けば
ずっと一緒に居られる…

そう思って
幼い私は大工さんに
尋ねてみたのだと思います。
「(おじちゃんの)お家に
 泊まりに行ってもいい?」と。

幼い私の無理なお願いを
大工さんは
嫌な顔を一つせず
「いいよ」と言ってくれた…
憶えていないのですが
そんな気がするのです。

知り合いだったこともあって
私の両親も
安心してお願い出来たのでしょう。

大工さんのお家に行くまでのことも
行ってからのことも
ほとんど憶えていないのですが
一緒にお風呂に入ったことだけは
よく憶えています。

母屋から離れたところに
お風呂場があって。
それは桶のお風呂
つまり五右衛門風呂だったのですね。
それで私はびっくりして。

生まれて初めての五右衛門風呂。

その中で
嬉しそうに笑う私の姿が
浮かんできます。

その後
母屋に戻り
薄暗い部屋に案内されました。

部屋には
何組か布団が敷かれていて
真ん中辺りの布団の中に
知らない女の人が
寝ていたんですね。
それで私はとっても驚いて。

たぶん
大工さんの奥さんか
お母さんだったのだと
思います。

私たちに気付いて
目を覚ましたその人は
驚いた様子もなく
私を布団に招き入れてくれました。

自分の家とは違うにおい。
初めて会う知らない女の人。

一瞬不安になりましたが
きっと、大丈夫
そう思って
私はすぐに
その布団に潜り込んだのでした。

翌日
目が覚めたら

あれっ?!

そこは
いつもの布団の中でした。

驚いて母に尋ねると
夜になってから急に、
父が
「やっぱり迷惑だろうから
 迎えに行って来い」
と言い出して
慌てて連れて帰って来たのだと。


もう40年以上も前の出来事です。

文子さんの記事を読んで
突然この時のことを思い出して。

もしかしたら
Mちゃんと過去の私が
共鳴したからなのかもしれません。

小さな子どもって
あなたのことが好き
ずっとあなたのそばにいたい
という気持ちを
真っ直ぐに伝えますよね。

手を握ったり
抱きついたり
「大好き」という
ストレートな言葉で。

きっとあの時の私も
『大好き』の気持ちを
真っ直ぐに大工さんに
伝えていたのだと思います。

だから、
だからきっと
大工さんは
嬉しかったんじゃないかなと。

そして私は私で
大好きな大工さんに
ありのままの自分を
受け止めてもらえて
どんなに
どんなに幸せだっただろう…と。

Mちゃんの「手を繋ごう~!」と
小さな私の「泊りに行ってもいい?」

2つの出来事が
2人の真っ直ぐな思いが共鳴して…
涙がぽろぽろとこぼれました。


本当の自分から遠ざかるたびに
言いたいことをぐっとこらえてしまうたびに
こうして届くサイン…。

大丈夫
あなたが思ったことを口にしていいんだよ…
そのことで全てが終わったりしないから…
そこから始まるのだから…

小さな私が
そっと背中を押してくれました。


文子さん、
ありがとうございました。



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