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異性の子を持つシングルマザー、シングルファザーには温泉権、サウナ権がないの?

①小学生以上or身長120㎝以上は混浴禁止
②小学生の入浴には大人の付き添いが必須

公衆浴場で目にするこういった注意書きですが、これは異性の子を持つシングルマザー、ファザーにとってとても大きな問題です。

なぜかというと、小学生の異性の子を持つシングルマザー(母と息子)や、シングルファザー(父と娘)は、混浴orこどもだけで入浴させることができず、温泉、サウナに行くための選択肢がぐっと狭まってしまうからです。

「貸し切り風呂があるじゃないか」

という意見もあるかと思いますが、貸切風呂というのは公衆浴場よりも数が少なく、辿り着くだけでも大変で、料金も高くて気軽にも行けません。

残された手段は、異性の親族や友人に一緒に連れてってもらうか、付き添い不要になる小学校卒業まで6年間諦めるか…

このような方に対してのぼくの回答は

①法的には7歳までならOK、8〜12歳は自治体や施設によってはOK
②とはいえ、小学生以降は『こどものためにも』1人で入れるようにしてあげたい〜理由1〜
③とはいえ、小学生以降は『こどものためにも』1人で入れるようにしてあげたい〜理由2〜

です。


①法的には7歳までならOK、8〜12歳は自治体や施設によってはOK

公衆浴場法第三条では、

1 営業者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置を講じなければならない。

2 前項の措置の基準については、都道府県が条例で、これを定める。

公衆浴場法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000139

とあります。

また、混浴等の風紀の規定は都道府県、保健所設置市及び特別区の条例に因るとあります。

そのための指針として、令和2年12月10日付け厚生労働大臣官房生活衛生・食品安全審議官通知は、男女の混浴制限年齢に関しては、

「おおむね7歳以上の男女を混浴させないこと。」

と示しています。

各地方自治体の混浴制限年齢については、令和4年9月1日時点では以下の通りでした。

引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000139


私の住んでいる浜松市では10歳以上、つまり小学校3年生までなら混浴可ということになります。

引用元:https://www.benricho.org/nenrei/toutatsunenrei.html


ただ、施設によって独自で年齢制限を設けているところもあるので、ここは施設によく確認が必要です。

②とはいえ、小学生以降は『こどものためにも』1人で入れるようにしてあげたい〜理由1〜


原則7歳、自治体によっては8〜10歳になるまで(小学2〜4年生)は法的にOKでも、小学生以降は『こどものためにも』1人で入れるようにしてあげたいというのが個人的な意見です。

その理由は、令和2年度厚生労働科学特別研究事業の「子どもの発育発達と公衆浴場における混浴年齢に関する研究」にあります。

これを要約すると、

①公衆浴場で子どもや親、一般の入浴者全てが安心して入浴できる、子どもの適正な混浴年齢に関するデータを集めた

②集めたデータは、条例内容、入浴者の混浴に関する意識調査、運営側へのトラブル事例の調査、園児や児童の性に関する意識や実態に関するもの等

というものです。

で、結果はこうなりました。

成人の考える子どもの混浴禁止とすべき年齢は『6歳から』がピークで次いで『7歳から』であり、子どもがはずかしいと思いはじめた年齢も6歳と7歳が相対的に高く、公衆浴場事業者が考える混浴を禁止とすべき年齢は7歳の割合が最も高いことが明らかとなった。また、幼稚園教諭からは、4~5歳の時期に性の意識の芽生えがあるという意見も得た。

引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000139

6〜7歳(小学校1,2年生)、場合によっては4〜5歳から、性の意識や恥ずかしいと思い始めるということです。

思えば、ぼくが小学校1,2年生の頃は、学校のプールの授業の際には同じ
教室で男女が着替えていましたが、あれはかなり嫌でしたね。

女子陣からの視線(監視)もですが、自分の身体を見られる恥ずかしさも、こどもながらに感じていました。

*1 言うまでもなく男女問わずタオルを巻いていました
*2 男女問わず、タオルを巻かない強者もなかにはいました

法的には問題なくても、こどもの心的にも安全面でも、避けたほうがこどもにとって良いのかもしれません。うっかり近所の公衆浴場でクラスメートのませた女の子と鉢合わせて、翌日学校で格好のネタの標的にされたら嫌でしょうからね…

寂しい気持ちはありますけど、健やかに成長していると捉えれば喜ばしいことです。そしてなにより、親の負担が軽くなって、これまで以上にこどもに優しく接しられることに繋がると思います。

③とはいえ、小学生以降は『こどものためにも』1人で入れるようにしてあげたい〜理由2〜

小学1年生を1人で公衆浴場に行かせるのは不安ですが、小学生になると水泳の授業があり、基本的にはお風呂も同じ動作なので1人でも問題ないはずです。

自分で服を脱ぎ水着に着替え、プール後は体を拭いて着替えるという一連の動作は、学校で1人でできている(それまでに躾けている)のですから。

従って、プールとお風呂の違いやマナー、ルール、なにかあったときの決まりごとを教えてあげるのがよいでしょう。

例を挙げると、

・適宜水分補給
・シャワーの温度調節の方法、蛇口を回してお湯を出すタイプなのか、押すタイプか
・お湯を出しっぱなしにしない
・周りに水がかからないように
・走らない。歩いていても滑って転ばないように
・湯船に入る前にはかけ湯する
・飛び込まない。静かにする。泳がない。潜らない
・他の人を凝視しない、リアクションしない
・ロッカーの鍵を手につけてなくさない
・水滴は拭き取ってから脱衣場へ
・ドライヤーの使い方
・待ち合わせ場所、時間
・困ったときに従業員に伝えるキャッチーなフレーズ

表現方法はともかく、小学生のこどもを育てたことのないぼくが少し考えるだけでも、これだけの項目が浮かびます。

これらを1つ1つ言葉で伝えるのは無理なので、小学校にあがる前に、公衆浴場や貸し切り風呂、温泉付き旅館といった施設で、一緒になって実践形式で教えてあげると良いかもしれません。

あとは、従業員さんにお願いしてみるのも手かもしれませんね。「うちの子初めて1人で入ってるんで様子見てきてもらえませんか」って。 お友達を1人連れて行ってあげて、2人で入らせるって手もあります。 誰かと一緒なら不安より楽しいでしょうから。

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