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空衣
2017年5月29日 21:39
こんな夢を見た。俺が照葉樹林を見下ろしている。太陽はばちりと瞬いた。影を裂く鋭さで雲が流れて行く。俺はどの木よりも高く浮いていて、猿にも人間にも狼にも襲われない。嵐の前夜のような荒びた黄昏だった。花の香りが届いてきた。俺に鼻があったのかと自分の腕を挙げて確かめようとするが、腕を不当に動かした瞬間、泥濘の中途半端に乾いた地面に叩きつけられるのだと気づいた。俺は羽毛に覆われて、空を飛んでいる。
2017年3月18日 23:39
ねえ一緒に死のうか。 イルカはつぶらな瞳のまま、ボクの手を突っついた。イルカは大きく口を開けた。ボクには聞こえない超音波で、喉も裂けろと叫んだらしかった。プラネタリウムの電源をオンにする気軽さで、真っ暗な夜が満天の星空に変わった。 仲間がいるよ、とイルカは誘った。無数の星々は区別なく蠢いて、押し競饅頭していた。みんな必死だった。 ボクの涙腺は再起不能だったから、もはや普通の