脳天を突き刺すほど甘い。

なんて、トルコ菓子を形容するにはぴったり。のびーるアイスや、和菓子に似た練り菓子ロクムや、唇の柔らかさも、確かにそんなんでした。びっくりするほどトルコのお菓子が甘いものだから、ついに私の味覚がイカレタかと思った。それで正しいらしい。どのガイドブックやネットにもトルコ菓子の驚異的な甘さが謳われているいるのを、ドイツに帰国してから知った。

ノープラン、ノーテレフォン、ノーガイドブック、ノーボーイフレンド。希少な日本人として、観光されたのはどっちだかわからない。携帯電話をギリシャで鮮やかに盗まれたおかげで、続くトルコの情報はほぼゼロだったのであります。エキサイティングだった。やばい、とはこのこと。トルコに行かずに世界を語るのは恥だと思いました。

きみ、ジャパニーズだよね? だってほら、中国人なんかよりかわいいしオシャレだから。ってな口説き文句が挨拶。接待をかわしたり時々受けたり。代償が身体になる前に逃げなきゃならん。かわしきれないときもなくはない。

誠意なら、とっくに、ずっと、大切な人に捧げている。他のアソビはいらない。甘い言葉なんて、あの娘の一声で満ち足りている。イスタンブールでとても上機嫌で描き上げた絵があったのだけど、プリンを飲み物にしたような甘いホットドリンクのサーラップがお気に入りになって購入したのだけど、それらもすべて日本にいるあの娘へ送った。携帯がないので、写真は一枚も撮っていない。存在だけ、確かにあった。


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