エスプレッソで眠れない

覚醒しちゃって、いい朝だねおはようと体が叫び回っている。体は正直者らしい。こちらは深夜で、また知らない人とキスして、ぐらぐら泣いて会いたくて、6色のレインボーフラッグは君と行った新宿二丁目を思い出しました、会いたいな。

通じたWi-Fi、会いたいとだけ打って送ってしまうところだったのに、そんなときに限って君からどうでもいいやさしい一言が届いていたから、よかったです。情けない姿で泣きつくのは会ったときだけで充分だ。

ホワイトルシアンの美味しく飲める店があるんです。生クリームがシャレっぽく乗ってるから。オトナのおもちゃ箱みたいな夢を見れるに違いない。日本で飲んだそれは、そういえば年下の君には強すぎたらしいけど、きっとこれなら大丈夫。やさしく酔えます。二人とも酔ったら、ちゃんと手を繋いで帰ろう。もう誰の目も気にせずに。

最後にキスもできなかった。あんまり好き過ぎるから。こっちじゃ一人でバーに行くわたしはパリピ扱いされるんですけれど、まったく逆です。馬鹿に真面目すぎるだけです。堅物なんです。自分の身を削って、ボロボロになって構わないから、君が来てくれたときどこへ行こうかなと空想して慰めて、そうして幸せになって哀しくなって、温度差に身を縮めております。

からだは熱い、涙が熱い、エスプレッソも舌を焦がす。こころだけ真冬の日本に置いてきたかもしれない。震えて、でも抱き合うなら君じゃなきゃ嫌だ。快楽は窒素のごとくふわふわ浮いてます。身を突っ込むのはかんたんだと思います。一瞬真剣なフリをします。ますます君に会いたいです。やっぱりわたしはバカで、君を愛しています。

ドイツのシーシャは日本のよりおいしいよ、って一緒に行った店の店員さんが言っていたよね。けれどもこちらで一度も試していないんです。そうしたいけど。一緒に行く相手もいないから。ちょっといいなと思った人もいたけれど、彼は宗教上の理由で酒も煙草もダメだって。人生うまくできてるね。待ってるよ。君だけを。

#エッセイ #ドイツ

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