平均睡眠時間12時間(プラスお昼寝)、生きてる。

無気力な日々にスパイスもなく。倦怠感、嫌悪感。現実だとおもっているココよりも、夢の方が主役。それでも、なんでか生きてしまって、まだいなければならないようで。

こんなに長生きすると思っていなかった。

それを就活だのなんだのの言い訳にしているみたいだが、事実だ。単なる、でも決定的な事実として、今日も存在した。好きな人がドイツへ飛んでくるのを待っている。





「普通の王道にはなれない。」という記事を書いたのが2017年の4月でした。

変わりたかった。愛されてみたかった。

どれだけの力があるかはわからない、それどころか大切にしたいものまでも傷つけるだけで。幸せになんかなりたくない。何度もそう思った。耐えられない。

幸せになっていいんだよ

言ってくれたのは、自分と正反対の友人だった。普通の王道をいく人だった。

原始人レベルで機械オンチな私には引用もうまくできなかったので、そのまま張り付けておきます。読み飛ばしてくださって大丈夫です、今日書いたのはここまで。



ーーーーーーー

側にいればいるほど、終わりを感じる。肌に張り付く。

ああ、この人の近くにいることはできない。いずれ自分とこの人は決して交わることのない、覚束ない過去だけの関係になる。いつ細い糸が切れてしまうかわからない。どうかあとひと季節保ってほしい。きっとこの人は私を忘れる。私は死ぬ瞬間までこの人に囚われているだろうというのに。
ただ絶望と呼べたらいいのに、その距離感こそが徹底的な日常で。

私は自制できない。弱気な小鳥であるうちはまだいい、いつか獣になってこの人を食い尽くしてしまうかもしれないのだ。それはわかっている。そうすれば簡単に私とこの人の縁が切られることも知っている。

必死に人間の殻を被ってこの人の悩みを雀の涙ほどでも共有する努力が出来ているうちに、私はこの人から旅立つことができればいいのだろう。

私はもう嫌われたくなかった。過去に二度ほど私はこの人に冷遇、あるいは無関心を受けた。数億年間宇宙に自分ただ一人しかいないような、孤独に支配された。
ややこしく見えて理由は簡単だった。

私がこの人を愛し過ぎたからだ。

今もはや、私は理性的動物ではいられなくなった。この人が好まなくても、私はこの人を愛している。
隣で話すことに我慢ならなくなったとしても、触れても抱いてももっと滅茶苦茶にしてしまっても、私の渇望は留まることがないだろう。

それならば何もせず、大木のようにじっと待って、この人が寄り掛りたくなったときにはいつでも受け止められる、そんな立派な人格者になれればまだいいのだろう。この辛抱がこれからどれだけ続くだろう。

具体的には、私が留学で旅立つまでのあと四ヶ月半は現状維持でいなければならなかった。

対極にいるこの人と、この先何事もなく穏やかにそれだけの月日が過ごせるとは思えない。 どこかで決裂する。今でさえ徐々に軋んで行く様が、私の魂には滲み出ている。時限爆弾のカウントダウンのように胸を締め付ける。
これが恐怖でなくて何であろう。

離れて変化し嵐に揉まれて旅すれば、元の場所に帰ることは不可能だ。今の関係はこれで最後だ。例え同じ地に戻ってきたとしても、私もこの人も互いの手が届かない場所へ行ってしまうだろう。全く違うベクトルへ曲解して、振り向くことの敵わないくらいに。

先日、共に野外で飲んでいた。お揃いの種類の、違う味のビールだ。

私もこの人も知っている先輩や同期の集団がいたので、混ざって山手線ゲームをした。

本当は二人でいたかった気もしたけれど、最近やたらと会い過ぎているので、今日くらい他の人とノリだけで一緒にいられるのもいいなと思った。

二人で会えば会うほど相違点が膨らみ、飽和してどこかで爆発することを、私は怖れていた。それはシャボン玉ほど可愛らしい変動ではないから。

途中、男の先輩が酔って私に寄りかかってきた。先にちょっかいを出したのは私だったので、私は気にせず受け止めた。

すると、先輩の先輩が彼に注意した。
「おい、レディーに何してんだよ」

男の先輩は一瞬で酒が覚めたみたいにガバリと起き上がった。
「あ、ごめん。男かと思った!」

男の先輩は周囲を見渡し、私に何度も頭を下げた。
「いや一応女ですけど、別にいいですよ~」

私は本当にどうでもよかったので、むしろ彼にそんなに謝られても困ると思った。
その日の格好は黒づくめで闇に溶け込んでいたし、短髪で帽子を深く被っていたので、私が身体的に女性であることがわからないのは何も悪いことではなかった。

帰り道、最寄駅の女子トイレで私はこの人に話した。
「そろそろ自分、男子トイレも入れないかな」

「ええっ、無理でしょ」

わかりやすい答えだった。ありがとう。この自分とは真逆の正直さが、この人の魅力の一つだ。

先週も男に間違えられたし、たまに女子トイレにいる方が不自然なときもあるから、その時々によってどちらに入ってもいいと思うんだよね。立ちションも化粧もしないしできないから、自分にとっては用を足せれば問題ないわけで、だからトイレで青に行こうが赤に行こうがそんなことはどうでもいいんだ。自分を男だとも女だとも思わないよ。

そうしたことを一言でも洩らす気はなかった。ただ、先ほどの「男子トイレも入れないかな?」という質問は、この人に言ってみてはならなかったと気づいた。

この人は、「普通の王道」を行く人だ。漫画の主人公みたいに、なんだかんだ辛い状況に立たされても正規ルートに舞い戻って活躍できる人だ。

私はそうではなかった。私はこの人から見れば、どんどん普通を離れて「変」になっていっている。普通のレールに戻ろうとはしなかった、自分で独自の道を歩いていきたかった。

私たちは真逆だった。

この人にとって、男子トイレにも女子トイレにも入っていく人間は、「普通」ではないだろう。キチガイだ。私は、気狂いだ。

普通を追い求めるこの人の側に、変な私がいることは許されない。いつかこの人は私を邪魔に感じるだろう。合わない、という点が余りにも積み重なって、そのうちグラグラ崩壊して、今までが潰されていく。

私はこの人と、他の好きな人を重ねていた。

その人は私に引導を渡すとき、私の最も痛いところをついた。傷に刀を刺されたようだった。それを好きな人から受けたものだから、なおさら呼吸が止まった。

「私は普通の恋愛をして、普通の結婚をしたいの。だから私には話しかけないでほしいし、今後関わらないで」

「普通」。

お前は普通じゃないから、関わるとろくなことがない。離れてくれ。
つまり、そういうことだった。

この別れの言葉を、私はまた言われるのだろうか。この人からも。どれほど好きであっても、いや、だからこそ。

自分を貫くことは、他の全てを捨てていくことだった。好きな人からも離れなければならなかった。私には何もない。自由とは、孤独だった。

せめて、今ここにいられるうちに、守れるものを大切にしておくだけだ。



好きです。


ーーーーーーーー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?