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こんなにも無駄なリンク

人間だれしも苦手なものや事くらい、一つや二つあると思う。
私の場合、
・高いところ
・自分の意志で出られない空間(乗り物、劇場等)
・カミナリ
・深夜の学校または廃病院(誰でもや)
など思いつくが、歯医者もかなり上位に、相当上位にランクインする。

数か月(!)前から、どこからどう見ても完璧な虫歯を放置。放置というより、意識から消去しようとしていたフシさえあった。
痛みが出る前に歯医者に行くに限る。その方がダメージが少ない。
歯にも心にも。そんなことは分かっている。
歯磨きの回数も増やしたし、歯磨きの時間も長くした。ちょっと高い歯磨き粉にも替えた。意味がない。分かっている。そんなことは分かっている。
そもそもオーラルケアが身体の健康を保つことに大きく関わってくることも知っている。そんなことくらい分かっているのだ。私はバカではない。
怖いのだ。歯医者怖い。超怖ぇぇ。(←バカだ)

しかしもう限界だ。いつ痛みがきてもおかしくない。いや待てよ、もしかしてもう痛いのか?恐怖のあまり痛みを感じなくなってしまったのか。
仕事モードの勢いで行けばなんとかなるかもしれないと職場近くの、なるべく口コミが良くて、先生が選挙ポスターによくある嘘くさい腹黒い笑顔をしていないところ。意を決して予約の電話をした。

「どうされましたか」「虫歯治療をお願いしたくて…」
「痛みがありますか」「ないです」
「虫歯というのはどんな感じで…?」「黒くて穴が開いてます」
「黒くて穴が」「はい、黒くて穴が」
「それはたいへん!」「そう思います」
(とても優しい受付の方だった)

仕事終わりにと思っていたのに、日にちと時間が合わず、結局休みの日にわざわざ出向かなくては行けなくなった。
虫歯の状態は「ギリ」だった。先生がそう言っていたので間違いないし、見せてくれたレントゲンは素人の私が見ても「ギリ」だった。
が、虫歯の神様は私を見捨ててはいなかった。(虫歯の神様なんていない。

神経までは到達していなかったとのことで、その日のうちに治療は終わった。麻酔で痛みはまったく無かった。次は歯石を取りに来てくださいねと言われて、つい予約をしてしまった自分を褒めたり殴ったりしてやりたい。(情緒不安定)


余談だが、朝、タイツを履いたら穴が開いていた。
まあ隠せばいいかと思ってその上から靴下を重ね履きした。
歯医者でスリッパに履き替えるとき、隠ぺいしたはずの穴が復活していた。
「!?!?」
靴下にも穴が開いていて、それが見事にタイツとリンクしていた。
人生でこんなにも無駄なリンクがあるだろうか。
思わず写真を撮ってしまったが、あまりにアホらしくて消去した。


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