藤田美香

■写真と短歌ユニット:クジラと蛇口(写真担当/蛇口ひろこ Instagram→http…

藤田美香

■写真と短歌ユニット:クジラと蛇口(写真担当/蛇口ひろこ Instagram→https://www.instagram.com/jaguchi_hiroko/)

マガジン

  • クジラと蛇口

    • 83本

    短歌:藤田美香  写真:蛇口ひろこ  2人によるユニット 主にtwitter(@kujira_jaguchi)で活動中。

  • 乱切りくじら、ここ (雑記)

    だらだら書きたいだけの。不定期。

  • 短歌作品

    「藤田美香」の短歌。不定期。

  • 感想文

    目に留まった短歌や詩などの感想。

  • 短歌結社誌「まひる野」掲載

    短歌結社誌「まひる野」掲載歌

最近の記事

寝入りばな馴染みの獏が枕もと三角コーンを置いて帰った

    • 春、終わってくれ

      息子の入学式は行かなかった。 疲労困憊、無理です行きませんと言ったら、そうでしょうねと笑っていた。 仕事の話。数年前に異常に忙しくなり、申し合わせたかのように人がクソほど辞めていった時と同等な異常な忙しさ。仕事中に発狂しそうになったのは初めての経験。やはり、常に甘いものを手の届く範囲に置いておかねば。350缶でいいのでアルコール摂取を許してもらえたらもうちょい頑張れるんだけどと上司に言ったらそれから目を合わせてもらえない。 社内のちょっとしたコンテストで最優秀賞の記念品を

      • しょぼい春支度

        仕事が休みのたびに朝からPCの電源を入れるが、特筆するようなこともない。休みと休みのあいだには仕事しかない。業務上「このタイミングで!?」というような問題がいくつも同時に勃発しているのでもう笑うしかない。泣きながらと怒りながらと笑いながら、何が良いかと言えば笑いながら仕事をするのが良いに決まっている。これはあくまで私の話。 職場内の人間関係について、あまり気分のよろしくない話を聞く。初耳。「本当になんにも気にならないんですね」と言われた。そうだよ。 最近、またれーち(ウチ

        • ページが折れたら弁償じゃん

          昨夜はまた、うまく眠れなくて焦った。眠たくなければ寝なきゃいいのだが、0時を過ぎると次の日(の私の体力気力集中力)を考えてしまう。 寝る直前まで息子が漫画の話をしてくれていて、ついスマホで読み始めてしまったのが敗因。3時になったなと思ったところまでは覚えている。 入り浸っているSNSの、勝手に流れてくる「おすすめ」との相性が最近、非常に良くない。わざわざ文字数制限を超えてまで書かなくていいじゃないか。もうブログとかにしてくれないかな。140文字っていうルールがあるからいい

        寝入りばな馴染みの獏が枕もと三角コーンを置いて帰った

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        • 乱切りくじら、ここ (雑記)
          52本
        • 短歌作品
          19本
        • 感想文
          12本
        • 短歌結社誌「まひる野」掲載
          18本

        記事

          話の途中といえば途中

          ある友人のこと。 職場で「(子どもが)同じ保育園じゃないですか」と声をかけられたのが最初で、それから20年以上、友人と心置きなく呼べる希少な貴重な人物である。 自宅が近所だ。直線距離で200mないと思う。 連絡を取り合うことはほぼ、無い。たまに、思い出したように飲みに行く。そして近所ゆえ、たまにばったり会う。 今夜もそうだった。 仕事帰り、家まであと50mのところで、スーパーに行く途中の彼女に声をかけられた。30分ほど立ち話。 犬が死んでしまったこともバレていた。家の様子

          話の途中といえば途中

          クジラと蛇口のいちごつみvol.4

          写真:蛇口ひろこ ◆いちごつみ:相手の短歌から一語を選び、その語を使って短歌を書く遊び なんと100首を超えました。 4Bの柔らかさもて輪郭をなぞられている絵画教室/藤田美香 終わったら迎えに来るという母を待たずに絵画教室から帰る/蛇口ひろこ この冬が終わったらまた春が来るいままでと別の春だとしても/藤田美香 木曽川へ越冬にくる白鳥が飛んでゆく頃きみに逢えたら/蛇口ひろこ 沈んでも岸まで泳いでいけそうで渋々次の白鳥を待つ/藤田美香 厚岸の殻付きの牡蠣を専用のナ

          クジラと蛇口のいちごつみvol.4

          海賊みたいな休日

          福岡県西方沖地震から19年。娘の卒園式のその最中だった。 先生方の素晴らしい対応で、場がパニックになることもなく、園児席でしゃがんで、怯えた顔で私を探している娘に大丈夫だからとアイコンタクトを取った。式は中止になり、歩いて帰宅するその道のアスファルトに亀裂が入っていたり、ブロック塀が崩れていたり。 旧暦のひな祭りまで、と飾っていたマルティグラスのひな人形は落ちて割れた。リビングのドアはそれ以来、閉めるのにコツがいる。 自分が何気なく発した言葉が、言葉の意味として適切ではなく

          海賊みたいな休日

          それは歪んでいる

          更年期障害期を抜けた気がする。アレがはじまりだったのかな…から実に4年。仕事に行けない日が続いたり、とりあえず動ける日が「調子の良い日」だったり、心療内科に相談したほうがいいかもしれないと予約をしたり取り消したり。家族にも職場にもずいぶん迷惑をかけたと思う。ホルモン剤、漢方薬、ヨガ、サプリ、思いつくものはすべてやった。今、私めっちゃ元気だわ、と思う。おつかれさん、私のホルモン。 それで、元気なのはいいが、この2月から3月のえげつないシフトはどうにかならんかったのか。20代の

          それは歪んでいる

          もっと感動してるのに

          ひろこさんが明治村のお土産に紅茶を送ってきてくれたので、朝起きてミルクティーにしていただいた。一口飲んだら甘くて香りも良くて、美味しい!と声が出た。はちみつを入れようと思っていたけどやめた。 がぶがぶ飲みたくてたっぷり作ったけど、本当にがぶがぶ飲んでしまった。私はコーヒーより紅茶が好きだ。それを言ったらひろこさんがそんなイメージがないと驚いていた。確かに自宅ではお手軽なのでインスタントコーヒーを飲むことは多い。でも美味しいと思って飲んでないんだよなあ。苦いし。 ゆっくりお茶

          もっと感動してるのに

          私の短歌日記にもタイトルを付けたい③

          ちからが抜けていて、私らしい短歌だよななんて 手帳を読みかえして思っています。自己満足です。毎日書いてます。

          私の短歌日記にもタイトルを付けたい③

          エルしってるか

          虫歯が3本もある。右下から治療していいですかと聞かれた。 覚悟をしてきたのでどこからでもやっちゃってくださいと答えたら先生、爆笑していた。麻酔をかけている時(だと思う)に、パキン!と大きな音がして、先生が「骨が…骨が強いから…骨がねえ…強いなあ!」と爆笑していた。麻酔の針が折れたのか?確かに前回、歯も、歯を支えている骨もすごくしっかりしていると言われた。少しでも沁みたら教えてくださいと言われたので教えた。あ、沁みますかと聞かれ、ものすごく少しだけ沁みているような気がしますと答

          エルしってるか

          なんでもない日(時系列)

          息子、今日から卒業式の予行演習ということで登校。 自宅を出る時間に間に合うように起きる。 髪はぐちゃぐちゃのまま、寝間着のままで玄関先まで出て見送る。 おまけに眉毛も無い。(現在全剃り中) 家の前を通る小学生にじろじろ見られる。そりゃそうだ。 家事をする気にはならないので、白飯と漬物で朝ごはんを済ませる。 犬に供える花を買いに行こうとコートを羽織る。 もちろん寝間着のまま羽織るだけ。暖かくなってきたらコレができなくなるなあなどと思いながら外に出ると雨。一旦中止。 SNSを

          なんでもない日(時系列)

          この冬が終わったらまた春が来るいままでと別の春だとしても

          この冬が終わったらまた春が来るいままでと別の春だとしても

          なんだったんだあの列

          デパートの催事、赤福餅が目当て。並ぶのは分かっていたし覚悟して行ったのだが、開店時の衝撃よ。店が開くやいなや並んでいた列が崩れた。一気になだれ込んでいく。…なんだったんだあの列。 夫に言うと、福岡人はそういうもんだと言っていた。なにその地域性。(あまりの衝撃に立ち尽くして取り残されてしまった人) 京都の漬物屋さんで守口漬けを買う。店主らしき方が美味しく保存できる方法を丁寧に教えてくれたけど、保存するまでもなく食べちゃうーと店員さんときゃあきゃあやっていたらどんどん人が集まっ

          なんだったんだあの列

          泣いて済むなら済ませたい

          道端でぎゃん泣きしているこどもの声で目が覚めた。 そうかあ、私もそれくらい泣ければなあなど思いながら布団から出た。 私は子どもの頃からよく泣く子で、泣きたいと思っていなくても涙が出るんだから仕方ない。父によく「泣いて済むと思うな」「泣いて何が変わるんなら」と言われたもんだ。泣いて済むなら済ませたい。 異常な暖かさが数日続いた。コートを手に持つのがいやなので薄着で出かけたその日は寒かった。夫が帰宅して、今日寒かったなと言ったら、暖かいと思ったから薄着で行ったら寒くて…と同類だ

          泣いて済むなら済ませたい

          岡田奈紀佐さん短歌作品集『まぼろしスイマー』を読んで②

          時代は流れていくし、形あるものは無くなるし、世の中の移り変わりは激しい。その流れに乗って生きていかねばならないのだが、哀しいかな「無くなる」という事実に無理矢理にでも対峙しなければならないことが、実はよくある、と思う。ここではそれが店。主体は今はもう無い店の名を「呼ぶ」のだ。しかも「飼い犬の名を呼ぶように」だ。そこには愛着しかないじゃないか。垣間見える日常と日常に潜む主体の意識のようなもの。 この歌、ものすごく好き。 Google先生の返答、もしかしたら動物園じゃないかもし

          岡田奈紀佐さん短歌作品集『まぼろしスイマー』を読んで②