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コミュニティへの向き合い方について思うこと

写真を趣味とされている方のコミュニティ(SNSのほか撮影会や合同展なども含みます)への向き合い方について、自身が気をつけていることや気になったことを内省と整理を兼ねて文字に起こしています。写真撮影に関する例えが多いですが、人や集団への関わり方や、情報の信頼性を問う視点として、普遍的な思考を意識して挙げたつもりです。

14の思うこと

1. 現実世界はグラデーション

SNSは物事を白黒にわけてしまう論法だらけです。しかし多くの人は真っ黒でも真っ白でもなく、白と黒の中間にいます。写真のヒストグラムのように…
例えばの話、大多数の人は、守銭奴でも無償の愛の持ち主でもない。
白黒に分ける論法に振り回されないよう、このことを常に頭におく必要があると思います。

2. 立ち位置を切り替えてモノをみる

例を挙げます。客側の目線でプロの仕事といえば100%完全無欠、完璧な仕上がりをプロの仕事と捉えるかもしれません、しかし売り手側で並、上、特上の価格別のサービスがあるとき、並の客に特上同様の100%Maxの成果を提供することが果たして適切でしょうか。
カメラの立ち位置を変えてアングルやレベルを選ぶように、複数の立ち位置から想像力を働かせること、相手の立場に合わせて言葉を選ぶことが大切と思っています。

3. 私の周りの常識

世代や国の違いはもちろんのこと、東京と関西ですら随分違いがあると感じたことはあります。用語でも業界が違えば意味や指す範囲が違います。
「常識」「普通」を他人に押し付けないことは大事かと思います。

4. 時間軸の視野

考える・調べる姿勢を大切にしたいと思います。流行りは一過性か、それとも時代の変化をもたらすものか、考えてみましょう。過去に類似の事例があるかどうかを調べる事が役立つと思います。

5年後には忘れ去られるのか、それとも様式美として残るのか、深く考えてみる価値があります。過去に同じような流行があった場合、それが斬新でなかったと判断されれば、今回の流行も一過性のものである可能性が高いでしょう。

インターネットやSNSでは情報が瞬時に流れてしまうため、現在の情報に偏りがちです。例えば、写真を始めた当初に有名だった写真家の話題がほとんど見られないことがあります。

もし話題が音楽であれば、過去の隆盛期を迎えたアーティストについても言及されることが多いため、写真に関する情報には特に時代の視点に偏りがあるかもしれません。これは私のタイムラインが偏っている可能性もありますが、インターネットの情報には多くの気づきがあり、感心することも多いです。しかし、それに頼りすぎると偏りが生じることを懸念しています。

5. 減点法のリスク

水平の傾きや、串刺しといった、写真の減点ポイント。
解り易い代わりに「点」の知識。
点はいくら集めても点ではないでしょうか。
ツアーでピンポイントに名所だけを回っても、土地勘は身に付かないし、土地の人との触れ合いも生まれないようなものだと思っています。
旅先で道のりを歩くように物事を「立体的」に理解すること=背景となる理論や相互の点の繋がりを理解することができなくなってしまう。

自分の写真に対して厳しくあるのはいいことですが、他人の写真を見るときに減点ポイントに囚われてしまうと、もっと大切なこと、学ぶべきところも見落とすことに。

残念な批評家にならないように気をつけたいです。

6. 理論と実践は車の両輪

理論を軽視する様な発言をする「先生」がもしいたなら、信頼に値するかどうか疑ってかかった方が良いと思います。確かに計算などを現場でしている時間などなく、体で覚えるべき、というのはその通りかと思います。
その上で、理論・知識を抑えるメリットは以下にあると思っています。

未知・未経験のことを行う場合、人は頭の中や机の上でシミュレーションをすると思います。この時、理論・知識の裏付けがあるとより確度の高い予想ができます。
つまり、未知・未経験のことに対するハードルが下がりより積極的に未経験のことにトライできる様になります。

人は反省する生き物で、実践した後、その結果の良かった点・悪かった点から考察をして次に活かす事をするかと思います。この繰り返しで人は成長すると思いますが、理論・知識がある方が精度が高く(=より正しく現状認識)ができるので軌道修正も早く成長も早いと思います。

7. 常識感覚のアップデート

企業に勤めていると「セクハラ、パワハラ、メンタルヘルス、営業秘密の保持、個人情報の管理、DX、etc..」といった事柄について周知・啓蒙が行われる関係で、これらの常識感覚がアップデートされていきます。
常識感覚のアップデートは企業人でなくても大事なことだと思いますが、残念ながら界隈では、これらの感覚がズレてるのでは、という事象をよく耳にします。
煙が充満した職場の中で、勤務時間の大半を会議に費やし、帰りの時間が来たら嫌と言えない部下に声をかけて無理やりタイムカードを押させて飲みに誘うなんて時代ではとうにないのです。
私自身、退職後、常識感覚のアップデートが止まってしまうことが老後の大きな心配で、気をつけたいと思っています。

8. ルールの目的

無人島で一人で暮らしているならルールなど必要ないと思います。
他人や集団の不利益を防ぐためにあるものですね。
XX警察のように他人を攻撃するための道具とするのは本末転倒ですし、いい人アピールをするための道具でもありません。(こういう人を増やした元凶は何かという本音はあるのですが黙っておきます。)
いい人アピールも、やってることのバランスが悪いため他人から見ればわかります。SNSコミュニティ内ではこういうルールの使い方が目につくので真似してはいけないと思います。

9. 価値観が合わない人達との接し方

例えば「理想の生活」を語る時に、新規ビジネスを立ち上げて億万長者になって高級マンションで生活する事に憧れる人と、離島でペンションでも経営しながら自給自足の生活をする事に憧れる人が、お互いに理想の生活について語り合ったところで、内容を理解はできても共感できないのは当たり前だと思います。価値観の合わない人と距離を詰めすぎると無理に話を合わせるのがストレスになりますが、仕方ない事だと思います。
写真の価値観もまた多様です。
一番やってはいけないのは他人の大切にしている拘りを馬鹿にする事で、
価値観の合わない人とは、そっと距離を置くことが大人の接し方かと思います。

10. マネージメント能力を見抜く

「人を指導するには相手の倍は知ってる必要がある」といった話はよく聞くものです。これは、逆にいえば指導される側は半分程度の能力でも指導する側のアラは見抜けるということかと思っています。僕は、自分のダメなところなんて、部下は全てお見通しと思って仕事しています。

ある写真展に参加した際、LINEで今日はこんな事がありました(ゴミの放置等)と不満のように毎日呟くだけで(これは問題対策ではない!)マネージメントに難ありと思ったので、以来、同じ主催の写真展には応募しなくなりました。
巻き添えを受けないよう、やらかしそうな人には近づかないことと思っています。

一方で大変良いケースも経験しており、短い中で、急遽ギャラリーのスケジュールに穴が空いてしまったことに対してのレスキューを立案し、短期間に実現させ、終了時も混雑対策で2度目からはタイムスケジュール割って撤収者絞ったり(こういうのが対策!)した方も見ています。こういう方が主催なら喜んで協力しようと思います。そういうものです。

11. 危ない人を見抜く

色々なタイプがあると思いますが、特殊でもなく多すぎてあえて上げるまでもない(単なる短気とか、ルーズとかでもない)という例を挙げます。
陰での人の批判が多く、特定の人間を目の敵にし、同調者で周りを固める。
仲間にはとても親切で他人への面倒見は良いように見える。
このタイプは、裏ボス、派閥を作るタイプと思って注意した方が良いと思います。このような人に付いていっても決して表で大成することはないと思いますし、利用される危険もあると思います。

12. 偏見の正体

最初に思うところの結論を言ってしまいます。
コミュニケーション不足です。コミュニケーションをとりたくないから、誤解に基づく思い込みをし、勝手な人物像を描きます。
空想の人物に憎しみやストレスを抱くほど馬鹿馬鹿しいことはないと思います。
私自身、時間をかけて打ち解けた相手に、長年こんな誤解をされていたのかとびっくりしたことが何度かあります。
本当にコミュニケーション力のある人とは饒舌な人のことではなく、他人に偏見を持たない人のことだと思っています。

13. 他人を見下すことの代償

「深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」というミームの通りかと思います。
実体験を挙げますが、自分の発言が全く想像もつかなかった決めつけに基づく解釈をされて酒席で説教されたことがあります。自分より遥かに年上の方だったのですが、その時に思ったのは、こんな年になっても、想像力が働かず物事の見通しが悪くなっているなんて、腹が立つよりも可哀想だと感じました。

14. 本質はシンプル、現実は複雑

ここまで書いてきた事の逆説になります。
人間という生き物の作る現実は複雑なものです。安易にパターンに当て嵌めず、現実に向き合い、己の頭で考えることが一番大事かと思っています。


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