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Death Proof in Grindhouse 最終上映

『Death Proof』という映画は知っているだろうか?2007年に公開されたクエンティンタランティーノ監督の作品で、今から15年前の映画である。この映画の国内上映権が今年の5月28日に切れるため(泣)、国内最終として数箇所の映画館で上映されるゾ!

グラインドハウスとは?​

They were the big old downtown movie theaters that sometimes stayed open night long, for all the bums. At the graindhouse that I went to, every week there was the new kung fu movie, or new car-chase movie, or new sexeploitation movie, or blaxploitation movie.
Quentin Tarantino

「グラインドハウスというのは、ダウンタウンにある大きな古い映画館で、野郎たちのためにオールナイトで映画を上映していた。そこに行くと毎週新しいクンフーにカーアクション、お色気映画やブラックエクスプロイテーションがかかっていたんだ」
クエンティン・タランティーノ  

別冊 映画秘宝 『グライドハウス映画入門』

グラインドハウス=B級映画2・3本立て+映画の間に予告編3本を上映する劇場なのだ。とても魅力的だが、一人で行くのははばかられる…笑。私は勝手に”千本日活”みたいな感じなのかな…とイメージしているが。とても気になるが、怪しくて危険そうな場所…?

『Graindhouse』(アメリカ公開版)はロバート・ロドリゲス監督の『Planet Terror』(ゾンビ系)とクエンティン・タランティーノ監督『Death Proof 』(スラッシャー系)のB級(風)映画の2本立てとして公開され、その後それぞれの映画が独立して上映された。その2本のうちの『Death Proof』が私は好きである。
『Grindhouse』は本編2本立てに加え、フェイク予告3本を含んだ形になっており、遊び心が満載である。

全然関係ないけど2本立てと聞いて”Science Fiction/Double Feature”を思い出した笑
『Rocky Horror Picture Show』もカルト的な人気を誇る、最高の映画。


Death Proof の魅力

クエンティン・タランティーノの作品には、かの有名な『Pulp Fiction』や日本人俳優も出演した『Kill Bill』などこの映画のほかにもいろいろあるが、私はダントツでこの映画『Death Proof 』が好きだ。
「なんでなん?」と聞かれることも多く、「この映画、無駄話多いから眠い」といった感想もよく耳にするのだが…
大学院時代はアマプラで映画をダウンロードし、繰り返し流し聞きしながら、96穴プレートにPCR試薬を分注していたほど何度も繰り返しみた(聞いた)。

Hey! Girls!
なぜ私はこの映画が好きなのか…考えてみた。
このストーリー展開、何かと共通しているな…と。。そうパワーパフガールズである、笑。

ブロッサムが好きだった

悪事を企む悪党どもを、ガールズがぶっ倒す という構成が同じなのだ。
幼稚園のころに好きだったパワーパフガールズが、そのまま映画になったみたいで好きなのかもしれない、笑。プリキュア好きもこの映画は楽しめるかもしれない…笑。

前後半の2部構成
この映画は前半:オースティン、後半:レバノンの2部で構成される。前後半で話がガラッと変わる。

オースティン ガールズ

前半はガールズトークが多いため、退屈…となる人が多いのかも。でも、イケイケの(陽キャに分類される)女子の会話を覗いていると思えば、まあ楽しめるのではなかろうか。

レバノン ガールズ
助手席がゾーイ・ベル

後半はとにかくゾーイ・ベルがすごい!『Kill Bill』で主演のユマ・サーマンのスタントマンをつとめた彼女が、彼女自身の役で登場。台詞の通り、Zoe the fuckin’ cat!だった。

ガチのカーアクション
先ほど紹介したゾーイ・ベルのカーアクションは後半ラスト20分くらいで炸裂する。この最後20分をみるために、全編をみているといっても過言ではない。とにかく(退屈だといわれる)会話のシーンも辛抱強くみてほしい。
劇中に「幼少期にカーアクションに憧れて、『バニシング・ポイント』を繰り返しみる子供」という話が出てくるが、あの映画が好きという子供はどんななのか教えてほしい。(まあそれが車のボンネットの上で「シップスマスト」をするようなスタントマンなのか…笑)。『バニシング・ポイント』という映画はひたすら何かから逃げるというよくわからない映画だが、あっけなく終わってしまう。アメリカンニューシネマの特徴なのかな。

Kowalski from "Vanising Point".

スタントマンリスペクト映画
実際にゾーイ・ベルというスタントマンが出演している、主人公がサイコなスタントマンであるなど、この映画は普段スポットが当たることのないスタントマンの話がよく出てくる。
タイトルの『Death Proof』を直訳すると…【耐死仕様】。。なんじゃそりゃって感じだと思うが、そう思う人はこの映画をみよう!(タランティーノより)。この映画はCGを使うことなく、リアルガチのスタントで撮影されている。カーアクションの撮影で7週間…すごい。

カート・ラッセルの演技
なんといっても最大の魅力は主人公スタントマン・マイク・マッケイを演じる、カート・ラッセルだ。
これまでみてきたカート・ラッセルは(ださ)かっこいいヒーロー的な役が多かった。それこそ世の中にはびこる悪や、地球外生命体に果敢に向かって、やっつける役だ。それが今回の映画では、かわいいガールズに目星をつけて、お母さんの車だという【耐死仕様】の車に乗って追いかけまわす、サイコ野郎の役なのである。
サイコ野郎なのに、自分が劣勢な立場になると途端に焦りをあらわにするという、とても人間的な一面もあり、特に腕にフォアローゼスをぶっかけるシーンは超笑える。登場シーンの車のミラーにうつる”つぶらな瞳”も、サイコ野郎のイメージからは程遠く、なんか笑えてしまう。

Escape from New Yorkのラッセル、スネークというヒーローを演じる。
犯罪発生率400%超えのニューヨークに緊急着陸した大統領を救出するというお話。
遊星からの物体Xのラッセル、南極に現れた地球外生命体に果敢に立ち向かう。
この映画はクリーチャーの造形が大変興味深い。


サントラとパンフレット

入手に至るまで笑
この映画を知ってから私は行く方々でサントラとパンフレットを探し回っていた。BOOKOFF、古本市、丸善の古本祭、などなど血眼になって探した。でもみつからなかった。
最近はとても便利なツールがあることを知った妹が、BOOKOFFオンラインでサントラを入手した。さすがわが妹!
いろんな古本屋を探し回ったがみつからなかったパンフレットも、妹が名古屋で発見した。さすが!!、といった感じで結局自分では発掘することはできなかった笑
それはそうと、タランティーノ映画はサントラが秀逸である。どの映画もタイトルバックがとてもかっこよく、印象的である。サントラには映画の台詞も収録されており、「このシーンな~」と思い出すのも楽しい。

サントラから1曲紹介
私がおすすめするのは…
『Hold Tight』 Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich
https://youtu.be/1iHG7YRorgM
なんだこのグループ名…バンドの構成メンバーの名前並べましたバンドで、The Whoのピートも加入する可能性があったとか、なかったとか…笑
この曲を聞くと、映画のシーンが思い浮かぶ…、曲のリズムに合わせて展開されるアクション。Check it out!!


最後に

『Death Proof』が好き!と一人盛り上がっているわけであるが、とても魅力的な映画なので、1度みてほしい。。ハマる人にしかハマらないかもしれない…というかたぶんほとんどの人が変な映画だなと思うかも…ちょっと悲しいけど、泣。
今回の国内最終上映では『Grindhouse』というみたことのないバージョンで『Death Proof』を楽しめるため、はやくみたい。新鮮。
次に映画館でみれるのはいつになることやら…と少し残念ではあるけれども、これからも家で繰り返しみる!
近くの劇場で最終上映しているなら、ぜひ映画館でみてほしい映画なので、足を運んでほしい。。ラスト20分をみて「あ~スッキリ~」となってほしい。”THE END”の文字をみたときの達成感・爽快感はみた人にしかわからないのだ…

Adious!!

THE END


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