見出し画像

今するべきことをするという心の習慣

競技スポーツにおいて 目標(勝利)を達成するためには 従来言われている通り 心・技・体=精神面・技術面・体力面の三位一体の充実を均等にはかる行動が大切です。しかし 技術トレーニングでも 体力トレーニングでも それに取り組む選手の心が整っていなければ いくら素晴らしいトレーニングメニューを与えられても その効果をあげることはできません。

人間は機械と違い 一定の刺激に対して 日々同じ反応を繰り返すとは限りません。その時の精神状態によって反応が異なります。昨日は頑張れたけれど今日は頑張れないとか A選手は頑張っているけれどB選手はのっていないとか といった問題です。つまり 心が整っていないと求めている効果を得ることは 難しいものなのです。

競技スポーツにおける心のトレーニングの対象は 心・技・体の3分の1の心と共に 心・技・体を取り巻く「心の習慣」も対象にするべきです。

どの競技スポーツも 習慣化するほど必死に練習したこと(例えば 意識下で行なわれる反復練習で身につけた技術)が やっと試合で発揮できるものです。技術同様に 心で思った方向に 自らの行動がおこるようにするためには 心の持ち方・心の使い方・ものの見方・ものの考え方も習慣化しなければなりません。例えば 「全力を尽くす」ということが必要であるとすれば 日頃からその考え方を習慣化した上で 練習で実践していなければ 試合で「全力を尽くす」意味もわからないでしょうし 力を発揮することは困難です。普段やっていないことや練習していないことを 大切な試合で使用するということは 力の差がない限り 結果は見えています。目標である勝利を手に入れるためには・自分の持てる力を十分に発揮するためには ただ練習をするだけでは足りません。心の持ち方・心の使い方を身につけなけれなりません。

勝利することができる自分になるために課題・目標を設定する。

まず 競技者として自分自身の現在位置(良いところ・足りないところ・悪いところ)を自己分析しましょう。そして 課題=目標(行く先)を定めます。今の自分の「現在位置」と「行く先」を明確にしておくことが大切です。

自分のたてた課題・目標を達成するために ビジョンと情熱 を持って その道のりで日々研鑽しましょう。道のりを作りより太くしていきます。

課題・目標は有言実行で行う。

有言実行(ポジティブシンキング)することによって 課題・目標の実現に対する責任と自覚が生まれます。実現化するための努力と行動の変化に注目することが何よりも大切です。不言実行(ネガティブシンキング)では 結果重視・結果が全てになりがちで 目標に対する過程や行動の変化に注目が及びません。

責任と聞くと回避しがちな場合は まず みじかな仲間に宣言して 仲間からの叱咤激励の声かけはやる気の注入だと受け止めてみたらどうでしょう。心の使い方次第です。

課題・目標に取り組む心のあり方は あてにしない内言・10割の内言をして 心をまとめておく。

競技選手に限らず 人は目標に対する思いが強ければ強いほどこけるものです。(努力逆転の法則)勝ちたい気持ちが強ければ強いほど 今放つシュートを外すと負ける立場にある時に 負けることを意識するとからだが萎縮して普段通りのプレーができずに 散々に終わるものです。

この場合において「するべきこと」は いつも通りにシュートを打つことです。日々の練習の中で 心の持ち方は「勝ちたい」「シュートを決めたい」ではなく 一瞬一瞬 今に集中するために「勝つ」「決める」「守る」…です。あてにしない内言・10割の内言は「〜したい」ではなく「〜する」です。

このシュートは決まるだろうか?勝てるだろうか?体力は持つだろうか?という今後の展開 つまり「未来への不安」 や あの時外したシュートやディフェンスはこうしておけば良かった という「過去への後悔」を 試合中の今 気にかけるのではなく 「今するべきことをする」 という心の習慣を築き上げなければなりません。

そのためには 点を取った・点を取られた 逆転した・追いつかれたという展開の中で 1プレーごとにピリオドをうち 1プレーごとに意識を切り替えていくことが重要です。そうした中で展開に左右されない心の持ち方・心の使い方は 「するべきことをする」なのです。

勝つために 決めるために 守るために 行ってきた「道のり」にそって するべきことをすれば良いのです。

成功と失敗の決定は五分五分にある リスクテイキング

するべきことをする中で 「未来への不安」や「過去への後悔」に縛られ チャレンジできないまま 日々の練習を継続してしまうことがあります。目標を持った取り組み方が 人を向上させてくれるものだとしても 失敗に囚われてしまっていたら向上はありません。チャレンジできない選手たちは日々の練習から シュートを打つ・1対1で勝負する…といった局面で 成功する確率が7割から8割ないと行動を起こしません。この心の習慣のままでは技術が向上することはないでしょう。失敗はしないがチャンスは作れない人で終わります。

チャレンジする成功確率 つまり成功と失敗の決定は 五分五分のところにあるのだと心の持ち方を習慣化しましょう。日々の練習で今まで 7割8割の成功確率がなければチャレンジしてこなかった選手が 五分五分でシュートを打ち・1対1にチャレンジすれば失敗の連続でしょう。しかし そこで「現在の位置」と「行く先」を明確にして練習を継続すれば 必ず試合の中で その局面での選択肢は広がっているはずです。

課題・目標に対してただ漠然と日々を過ごすのではなく 変化を感じながら 求めながら努力する。

「なりたい最高の自分」を目指す過程では 自らの変化を感じる能力・自らの変化を楽しむ能力を育みながら 結果ではなく「すでにできている変化」と「まだ変化しきれていない部分」を見つめ直していくことが大切です。変化を大いに楽しむという考え方の習慣を身につけましょう。

課題・目標に対して ふさわしい変化をしたのかどうか?その中で何を学んだのかが大切です。成功を求めて相手に勝つことだけが目標になってしまうと 成功した段階でバーンアウトしてしまったり 失敗すると醜いストレスに襲われたりといったことがよくあります。自分に負けて相手に勝っても 醜いストレスは消えません。自分に勝って相手に負けた時には 克己心が芽生えています。

「なりたい最高の自分」のために用意した課題・目標を達成した時には 新たな課題・目標を設定して 深化・拡大していき うまくいかなかった時には自省心と共に 次へのエネルギーに変えられるようにしていきましょう。

チームスポーツでは 個々の変化の集大成が結果につながる。

チームの目標は1つだとしても 1人1人のすべき仕事・役割・責任は違います。チーム全体で目指す目標を明確にし 全員に共通したものであると同時に 1人1人のものになって初めて目標は達成されるものです。

チームスポーツでは 試合に出場するスタートメンバー以外の選手が チームの目標のために何ができるのかという 場の形成と場の共鳴 がさらに必要になります。

ものの見方・考え方を変化させてゆく。

自分を知り(自己分析力) 自分を育てること(自己コントロール)は 今までの心の持ち方・心の使い方を 掃除することになります。

人の行動は 意識と無意識の中で 無意識(固定観念)に縛られています。

自分を変えてゆくために 心の幅を作るために 接戦を楽しむ心理状態を作るために 心の習慣を見直してみましょう。 


「ちょっとやってみようかな、マネしてみようかな」というところからカラダの使い方に興味をもってもらえれば嬉しいです。