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熱中症対策になる?夏休みの工作その①

暑い日が続きます。私の職場でも熱中症対策が会議の議題に上り、ファンの付いた空調服の購入が提案されたのですが、実際に使用された方から「周囲が暑いとファンの風が熱風になるから駄目だ」と指摘があり、採用には至りませんでした。私は「宇宙服は宇宙飛行士の体温を一定に保つ為に水を循環させている」という雑学を思い出し、どのぐらい効果があるのか試してみる事にしました。職場はともかく(←オイオイ)庭の草むしりや生き物の世話で熱中症になってはたまりません。

予備実験として、シャンプーの空きボトルに氷水を入れ、観賞魚用のビニールホースを繋いで、出てきた水をボトルに戻すようにします。ホースを首にかけてポンプをシュコシュコすると・・・              「おぉ、これは良い!」

ホースのサイズがピッタリ合いました。後はドリルでボトルに穴を開けただけ

冷たいオシボリをうなじに当てる感じがずっと続くと言うか、体熱が奪われていくのが判ります。面白くなってずっとシュコシュコしていたのですが、もう少し偏差値を上げたくなって(笑)電動化を目指す事にしました。

吸い込んだ毛玉は下部の透明なボックスに溜まります。掃除機と同じですね

百円ショップの「毛玉クリーナー」を分解します。丸い穴が沢山開いた金属パーツと毛玉を切り取るカッターの刃を外せば「ロータリーポンプ」の構造にそっくりです。この辺は職場の業務で得た知識や、学研の「科学と学習」を読んでいたのが役に立ちました(笑)。後は身の回りにある物を組み合わせ、エポキシ系接着剤を使いながらペットボトルのキャップを固定します。水漏れ防止の為、ホームセンターで購入したチューブ入りのシリコンゴムを塗り付けて元通りに組み立てました。

ボックスが付いていた間隙はエポキシ系接着剤をパテ代わりに使って塞ぎ、ノズルを別に取り付けます。試運転でピンクのパーツのネジ部分から水が漏れたのでシリコンゴムを塗りたくりました

と、ここで問題発生です。ロータリーポンプは中身が空っぽの状態から水を吸い上げる程の吸引力はありません。ポンプの中をあらかじめ水で満たす為の「呼び水」が必要なのです。(口絵の写真はモーターが水没しない程度に水を貯めた洗面器の中でポンプを駆動しています)シャンプーボトルの手動ポンプを分解すると、プラスチック製の小さなボールを使った「弁」が採用されている事が判ったので、この部分をそっくり移植しました。

こんな感じでボールが使われています。吸い上げた水が落ちない仕組みになっています

そして、完成したのがこちらです。保冷の為にレジャーシートを切って自作したカバーを着け、ベルト通しを設ければ腰に装着する事が出来ます。最初に使用する際、二、三回スイッチをオン・オフするとロータリーポンプの中が水で満たされ、勢い良く循環が始まりました。

スイッチの構造がいまいち信用できないので交換しました

ホースを首にかけるといい感じで汗が引いていきます。「どーだ!」と嫁さんに披露したところ、「幾らかかったの?」「500円・・・いや800円・・・1,000円は行かないと思う・・・」「ふーん」でした。彼女にも使わせようとしましたが、「いや、いい」と拒否。少しは興味を持て(笑)。

しかしこの冷却ポンプ、使い続けるうちに別の問題が発生しました。ペットボトルに穴を開けてホースを差し込んでいるのですが、接着剤が効かない材質の為、シリコンゴムを塗っても少しづつ水が漏れるようになったのです。こんな事なら、最初からシャンプーボトルで製作すれば良かった・・・  作り直す気になれなかったので、もう少し偏差値を上げた「夏休みの工作その②」に続きます。

今回の余談。Amazonで探すとバイクツーリング用の水冷ジャンパーが市販されているのを見つけました。考える事は皆同じですね。バイクは風に当たるから涼しそうに見えますが、高速道路を長時間走ればヘルメットは蒸れるしジリジリ日焼けします。事故った時の怪我を防ぐ為に夏でも長袖を着るので暑さ対策が必要になるのです。                   余談その②。「ミレニアムシリーズ」と呼ばれるゴジラ映画では、着ぐるみに入るスタントマンが水冷ジャケットを装着するようになりました。従来の撮影では三十分ごとに休憩を取って体を冷やす必要があったのですが、ジャケットのおかげで動ける時間が延び、撮影スケジュールの改善につながったと言われています。

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