くまきち

美術と文学に関わって生きています。同性のパートナーの家と実家を行ったり来たり。へんてこ…

くまきち

美術と文学に関わって生きています。同性のパートナーの家と実家を行ったり来たり。へんてこな文章を書き散らしています。

最近の記事

月の光はなにいろ?

久しぶりにnoteを開いた。 親戚に誘われて、たまたま行った演奏会があまりにもすてきだったので思わず開いてしまった。 プログラムはシューベルトにベートーヴェン、そしてラヴェルの「夜のガスパール」。 「夜のガスパール」 もうこの響きだけでうっとりしてしまう。 ベルトランの同名の詩「夜のガスパール」からインスピレーションを受け、ラヴェルが作曲したのだという。博士課程2年目に履修した比較文学の講義でスペイン文学専攻の先輩といっしょに講読した、思い出の作品だ。積ん読本の林立する雑

    • 横に移動するエレベーター

      誰しもよく見る夢、というものがあるとおもう。 高熱のときの、ネオンカラーの曼荼羅のような模様が迫ってくる夢。建設途中の建物の中に、たったひとりで立ち尽くす夢。 幼い頃からわりとよく見てきた夢がある。それがタイトルにした、横に移動するエレベーターの夢だ。 基本的な要素としては、幼い頃住んでいた古ぼけた団地の青い扉のエレベーターが、なぜか縦ではなく横に移動し、自分がどこにいるのか分からなくなってしまうという筋書きである。同じ団地に住んでいた年上の男の子から、このエレベーターは横

      • 夢日記

        わたしにしては珍しく、はっきりと思い出せる夢を見た。 あれは小編成の室内楽。わたしはおそらくコンサートミストレスの位置に座っていた。どうやらこれから本番らしいのだが、なぜかわたしはひとつも譜面を持っていない。持ってくるのを忘れてしまったのか、はたまた元から持っていなかったのか。まだ幕は開かない。舞台のうえ、薄暗がりの中でプログラムを見る。一曲目のタイトルを目で追う。見たことも聴いたこともない曲名が書かれている。どうしよう、わからない。弾けない。開演の時刻が迫る、薄闇の中で焦

        • ふたつの、みかづき②

          パートナーからプロポーズしてもらった日のことを書き留めておこうとおもっただけなのに、どうやらわたしはふたりの出会いから今にいたるまで、すべてを遡ろうとしているらしい。 なにかひとつのことを話そうとすると、はじまりからおわりまですべて語らなければ気が済まないのは、やっぱりわたしの性格なのだろうか。 ・・・ わたしが彼女と出会ったのは、父が亡くなった年の、梅雨入りのすこし前のことだった。 その年の春、わたしは2年勤めた職場を辞め、大学院での研究に専念するための準備をしていた

        月の光はなにいろ?

          なないろの日

          TPR初日に渋谷でレインボーカラーのLOEWEのバスに遭遇した。実はいちどもプライド関連のイベントには参加したことはないのだけど、毎年なんとなく気にしている。 今のパートナーと出会ってはじめて当事者という意識がすこし芽生えたけれど、多様性の象徴みたいに捉えられるのはべつにうれしくはない。ただこれまで、なかったことにされていただけだから。 過去の自分にも、付き合っていたひとにもいないことにされてしまっていたけど、今はそうじゃない。同じセクシュアリティの友人もたくさんできて、

          なないろの日

          ふたつの、みかづき①

          あなたはとってもちいさなこえで、 はずかしそうに ぼくとずっといっしょにいてください と言って、ちいさな箱のなかの三日月を見せてくれた ふたりしてにこにこして、ちょっと涙ぐんで、 またすぐ笑顔になって そしてわたしは いっしょにいようね、って言った 生まれてはじめて、だいすきな人から指輪をもらった。三日月が輝く、金色のちいさな指輪。 ・・・ 物心ついたときには、一生結婚なんかするもんかと固く心に決めていた。どうしてそう思ったのか、当時のわたしにはまるで分からなかっ

          ふたつの、みかづき①

          そして、春

          2020年10月に宣言してから、一度も更新しないまま、あっという間に2年が経っている。 わたしってやつはほんとうに、いつもそう、だ。 下書きにタイトルだけはどんどん溜まって、ライトに書こうとおもった内容はどんどん重たくなって。ほんとうになにもかもままならない。 ぼんやりしていたらまた春がやってきてしまった。 春は、わたしからいろんなひとを奪っていった季節だ。何度繰り返してもざわざわする。 春には、はじまりとおわりと、出会いと別れと、 すべてが詰まっている。 花粉で霞む目

          そして、春

          、というわけで

          今日からとにかく雑文でもなんでも、1日1回 投稿することにします。 これはわたしのゆるい決意表明 漢字で書くとちょっとつよすぎるので、 ひらがなで。 けついひょうめい

          、というわけで

          継続は力なりというやつ

          ああ、わたしは なにかを続けるということがほんとうに苦手だ。 noteをはじめたって、いつの間にか更新しなくなるし。 ほんとうは毎日、ちゃんと1日をふりかえって なんでもいいから何か書くぞっておもってたんだけどなあ むりだなあ むつかしいなあ ねむいなあ

          継続は力なりというやつ

          遅ればせながら、自己紹介

          そういえば、自己紹介をしていなかったなあ、と 今更ながら気がつきまして、 誰に自己紹介するわけでもないのですが、なんとなく書いてみようかなあと、思ったわけであります。 わたしは、日本のとある小さな街にすむ、30手前のにんげんであります。コブクロのおふたりを心から尊敬していて、おいそれとはすきといえないほど、おふたりの音楽がだいすき。おしゃれがすきでおかいものがすきで、すべての生き物のなかで猫がいちばんすき。 その猫よりもだいすきなパートナーと出会いまして、お付き合いして

          遅ればせながら、自己紹介

          おかいものと、夢と、おめかしと

          おかいものしてる夢をみた。 先日、おかいものについてのnoteを投稿したばかりだったので、じぶんでもびっくりした。 ※前回の記事では「お買い物」と表記していましたが、今回の記事では「おかいもの」とひらがな表記に改めました。 どうやら、この自粛ムード満載のなか、 がんばってお外にでない生活を続けて ネットショッピングで、なんとかきもちをごまかしていたけれど やっぱり おみせじゃなきゃだめだ おかいもの特有の、あの高揚感が、全然足りないのである。 もちろんネットでおか

          おかいものと、夢と、おめかしと

          外出自粛と、スキンケア

          わたしはどうやら、ストレスが溜まるとスキンケアに走るらしい。 このことに気がついたのは、3月の半ばのことであった。 ふだんから、基礎化粧品に関しては人並み程度の関心はあって、じぶんの肌の質やら、気になるお悩みやらに合ったものをいろいろと探してはいた。 が、元来あまりじぶんに投資するほうでもないので、地元のドラッグストアでその時期にポイントがよけいに付くものや、今月のお買い得品!みたいなものをなんとなく買う程度だった。 ところがある日を境に、インスタやらTwitterでみ

          外出自粛と、スキンケア

          冬眠させてください

          春だけど。 冬眠させてください。 カラオケとライブハウスだけ、どうして名指しなのかしらね。 テレビをつけるとリポーターが街にくり出し、どうしてこんな時に街中に?とひとびとにマイクを向けるという、なんとも不思議な光景が写し出されている。 外出自粛要請という、ずいぶん曖昧な言葉がただよって、空中へと消える。 外へ出なくてよいのなら、そりゃあもちろん出ないけれど。 不要不急の外出は控えて。 命を守るため。 家にいるだけで、命が守られるならいい。 仕事をやすんで家にいて、

          冬眠させてください

          たいせつなひとの、たいせつな日

          テレビでは外出自粛が呼びかけられ、窓の外には季節はずれの雪が降り積もる。 付き合い始めてようやく1年経った、パートナーの誕生日。どちらかというと雨女のパートナーの、おおきな節目のお誕生日は、みぞれまじりの雨でスタートした。 パートナーは、ふわふわのやさしい小さな哺乳類のようなひとだ。身の回りのいろんなことを、おおきな目をまんまるくして、じっと見つめている。好奇心が旺盛で、よく動き、よく食べ、よくねむる。 ひとのことを否定しない。自分とは違う意見に、じっと耳を傾けるようす

          たいせつなひとの、たいせつな日

          初投稿

          そういえばnoteに登録していたんだった。 gmailの受信ボックスを整理していて、唐突に思い出した。 自分のこと、身の周りのこと、世の中のこと 少しずつ言葉にしていこうかな。