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現役高校教師が見る日曜劇場『下剋上球児』(ネタバレ含む)

 今回は先週の第5話で視聴率10%を超えた日曜劇場『下剋上球児』について書きます。

本当はずっと前から現役高校教師の視点で書きたい、、と思っていたのですが時間がなく、、(涙)。

やっと書くことができて嬉しい限りです!

実はこのドラマ、最初は全く見る気がありませんでした。

『ルーキーズ』や『フルスイング』などの野球ドラマを見てきた私にとって、

いわゆる「あるある」なドラマだと思っていたからです。

しかし同僚の先生から
「見てみてよ~、めっちゃ面白いから~!!」と言われ続けてしぶしぶ見たところ、ハマってしまいました(笑)。

ドラマの主人公である南雲先生は、なんと私と同じ地歴公民科。

そんな親近感もあり、前作の『VIVANT』並みに毎週楽しみになるドラマになりました。

現役高校教師の視点で、今回はこのドラマを深掘りしてみたいと思います。

気になった細かい場面

 第1話で大きく3か所ありました。実際の場面を転載させて頂き、紹介します。

①南雲先生は歴史の教員だった。

 黒板の文字に「大坂城」とか、「豊臣秀吉」と書いていて、ちょうど戦国時代の面白いところをやっているな~と思いました。

実は今の2年生(学校によって違いますが)から日本史Aという科目はなくなり、歴史総合という、世界史と日本史が融合した科目になります。

このドラマの設定が2016年なのでまだ日本史Aの時です。

戦国時代は近現代史を扱う日本史Aではなく日本史Bなので、
3年生に対する授業なのかなと思いながらテレビを見てました

②やっぱり日本史なら山川出版社の教科書。

 段ボールに山川出版社と書いていて、「やっぱり山川か~!」という声が出ちゃいました(笑)。

歴史の教科書といえば山川。

おそらく7~8割のシェアがあるのではないでしょうか。

私がかつて学んだ高校も山川です。山川の日本史の教科書には大変お世話になりました。

③職員室にウォーターサーバーがある、、けど三重では普通?  

 熊本県の高校には多分、、、ないと思うのですが三重ではよくある光景なのでしょうか。。

だとしたらリッチな職員室だな、、と思い見てました(笑)。

ちなみに職員室の大きさから見るに規模の小さな高校で、アットホームでいいなと思いました。

おそらくですが職員朝礼の様子を見る限り、各教科1人しかいないような職員数のように思います。

となると、地歴公民科の南雲先生は現代社会(現:公共)、地理A、日本史A、日本史B、もしかしたら世界史も教えていたのかなと、、と思いました。

免許なしでも正規採用されるのか。

 第2話では衝撃のシーンがありました。

「教員免許を持っていないんです。」

このセリフでかなりドラマの展開に目が離せなくなった視聴者の方も多いのではないでしょうか。

第4話では実際に偽造された教員免許状が映し出されていました。

では実際、教員免許無しで採用されることはあるのか、、。

これはドラマを見ている方は結構気になることだと思います。

熊本県では少なくともあり得ないです。

教員免許状はコピーでいいので、南雲先生がドラマの中でやっていたように、
名前のところを張り替えるだけで偽造できる可能性があり得ますが、

授与証明書という別の書類が必要になるからです。

採用された時の記憶が曖昧なのですが、授与証明書は原本提出が必須だった記憶があります。

たしか授与証明書は熊本県知事の印鑑や証明の文字も細かく何文字も裏に入っており、

この証明書を偽造することは不可能だったように思われます。

熊本県や熊本市で教員免許状の更新忘れのニュースはありましたが、
偽造というニュースは聞いたことが全くないので、偽造は不可能にかぎりなく近いということでしょう。

私がもし教員免許状なしに教壇に立っていたとしたら、精神的には耐えられないです。

1日どころか、1秒でも立ちたくないな、、とは思います。。。

現時点で心に響いた「名シーン」

 第5話が終わった段階では、やっぱり南雲先生の自宅で部員たちが御飯を食べている時に涙されていたシーンが心に残っています。

「教員免許が取れていたらどんなによかったか。。。」

こんな心の声が聞こえてきて、ちょっと涙が出ました。

教員免許が無い状態で教員をすることは、もちろん許されないことではあります。

しかし、「免許って何なんだろうな、、」と考えるきっかけにはなりました。

例え教員という肩書が無かったとしても、子どもたちから尊敬される大人に私はなっているだろうか。

そんな命題をつきつけられたような気がしました。

日々、生徒と接していますが、私にとっては「何百人目の教え子」でも、この子たちにとっては「生涯で唯一の担任の先生」。

さすがに南雲先生みたいに何時間もかけて家庭訪問にいったりはなかなか出来ないことですが、

あっという間に過ぎ去っていく高校生活を共にする重みを少しでも感じながら、教壇に立ちたいなと思いました。

次の放送が楽しみです!


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