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みかづきを読んで、戦後の日本の教育改革と今の中国って似てるなって思ったお話し

友人から勧められた「みかづき」という小説を読んでいます。

小説を読むのは本当に久しぶりです。

登場人物の吾郎の気質や背景を考えると自分と似ているところがたくさんありモヤモヤします。

まだ全体の6割しか読み終えていないのですが、とても気になる記述を見つけました。戦後の教育の変革期に新設の高校を設置に時間をかけることについて・・・

「どのみちエリートのポストは限られているのだから、子供達の皆が皆、高校に進学する事はない。この国が列強との経済戦争に勝ち抜いていくには、エリート同様、最低限の義務教育を受けた賢明な労働者もまた必要だ」

と説明しています。

なるほど、日本もかつて通った道なのかと。

この記事の5番目の要点とほぼ同じです。

5)しっかり働いてね
高等教育も必要だけど、すべての人に必要なわけではありません。中国は広いし、人口も多い。だから一握りの天才たちを集めても相当の人数になるので、その人たちに研究分野や高いレベルの教育を任せましょう。無理して精神を病むくらいだったら、早めに仕事を始めましょう。農業や工業の仕事はまだまだ需要があります。

ただ中国と日本の決定的な違いは、多様性の幅です。

日本はやっぱりなんとなくみんな同じになれる雰囲気もあるし、実際それを目指しているところがあります。

日本に帰ってどんな田舎に住んでも不便はあっても同じ行政サービスは享受できるような気がします。

でも中国の場合、ガスがないとか水道に問題があるところってまだまだありますし、そこから都会へ出てきてカルチャーショックって人もたくさんいます。

ですから中国の改革が日本と同じ結果にはならないでしょう。また大きな変革が都市部の人にどのように影響するか、また農村部の人にどのように影響するか計り知れないところがあります。

◇◇◇

ただこの改革最近は尻すぼみになっている雰囲気もあります。

もうすでに報道で教育のことを見かけなくなってますし、同業者たちも仕事を再開しているという話しを聞きます。

そうなると最初に規制をうけて廃業した人や、授業料を振り込んでいて返金してもらえなかった人はどうなるの?って思います。でもその辺も運がなかったで済ますしかないのが中国スタイルなのかもしれません。

そして犠牲がつきものという、切られるのが自分でなければ特に気にしないというのもここで生き抜く知恵なのかもしれないです。

◇◇◇

さてこの「みかづき」ですが、戦後の教育に塾というスタイルで挑んだ家族の物語です。今後どんな展開になるのか楽しみです。

わたしも日本にいるとき落ちこぼれ専門の家庭教師をしていました。

あるとき知り合った不動産会社の社長さんからテナントを貸すので塾というスタイルでやってくれませんか、息子を鍛えてくれませんか?って頼まれたのを思い出しました。

10点とか20点しかとれない生徒を60点取れるようにするのは比較的簡単です。そして80点ぐらいまでなら何とか伸ばすことができます。でもその先が難しいんですよね。そんなこともあったなと懐かしく思いました。

たまに小説を読むのも良いものです。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。

また明日!


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