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中国の受験テクニックが日本とは違って面白いって思ったお話し

毎週、日本人補習校で中学生に国語や数学を教えています。

中国で生まれ育った生徒も多く、中国の中学校や高校の様子を知る良い機会ともなってます。

今日、授業していて面白いことがありました。

設問4を解説しているときに、わたしが「ここは○○の理由から選択肢ウもしくはエしかあり得ません」と説明すると、すかさず生徒Aが「では答えはエです」と言います。

それで理由を尋ねると「設問3の答えがウだから」と生徒Aは満足げに答えます。そして生徒Bもその通りとうなずきます。生徒Cは「なんで?」って反応で、当然わたしも「なんで?」と思いました。

中国の受験テクニック「答えは連続しない」

生徒A・Bも中国で生まれ育った日本人です。詳しく聞くと中国ではテストの際に答えが連続することは非常に希だそうです。

それで、さっきがウで、次の問題がウかエならエで間違いないと判断したようです。2人とも100%「エ」だと自信満々に答えましたので、これは中国では常識のようです。

生徒Bが自分の体験を説明してくれました。

彼女が通う学校にアメリカ人の英語の先生がいました。学校の試験は4択問題で「A・B・C・D」から選ぶのですが、その英語教師、何を考えたのか試験の答えをすべて「B」にしました。

するといつもほぼ満点を取る学生が60点くらいしか得点できなかったそうです。つまり答えが連続するはずがないという固定観念に縛られて、答案を書き換えた結果4割も失点してしまったと笑ってました。

もし、自分がそういう試験を受けたら途中で気づいて全部「B」を選ぶかもと話すと、そんなの絶対に無理、常識がないと生徒AもBも真剣な顔でいいます。

唯一、中国生活が短い生徒Cだけが、わたしの意見を聞いて笑ってました。

中国の受験テクニック「答えはCを選べ」

さらに4択問題の場合、わからない問題は「C」を選ぶというテクニックもあるようです。

生徒Bによる情報によると、過去の高考(中国の大学受験試験)の統計によると「C」の正答率が高いそうです。それでわからない問題がでた場合、Cを選ぶのが常識と言っていました。

まぁ4択問題ですから、適当に選ぶのであるなら何を選んでも一緒です。であれば悩まずCと決めておくのは無駄な時間を使わないっていう点で良い方法だと思います。ただ、統計からいって「C」を選ぶべきだと信じているところに面白さを感じました。

Cって「CHINA」の「C」ってことはないよね?と聞くと、マジでオッサンのセンスへぼいって感じで対応されたのに、ちょいと凹みました。

文字数が一つだけ多かったり少ないのを選べ

さらに四択問題で選択しの長さが一つだけ短かったり長かったりするのも正解だと信じられているようです。

例えば、こんな感じです。

A.山田さんは悲しみの涙をながした。
B.山田さんは鈴木さんが去ったことを知って悲しんだ。
C.鈴木さんは山田さんと一緒に別れに悲しみの涙をながした。
D.鈴木さんは山田さんと一緒に再会の喜びの涙をながした。

Aだけ短いので、答えは「A」だそうです。

わたしの受験テクニックだと答えは「D」となります。「D」だけ喜びという感情で、A・B・Cは悲しみという感情に言及しているからです。これに対して生徒AもBも「そうかな〜」と首をかしげてました。

国が違うと、受験テクニックもこれほど違うとは面白いなって思いました。そういえば高考(中国の大学受験試験)でどの科目を選ぶと受験に有利なのかというコンサルタント、この数年人気のようです。

日本の進学指導などのノウハウを持ち込むと人気になるかもしれませんよ。なんて無責任なことを考えてしまいました。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。

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