(CNN） ウクライナでの戦争に、新たな、そして潜在的に非常に重要な要素が加わっている。最近の欧米のウクライナへの兵器供給により、前線から遠く離れたロシアの司令部、物流センター、弾薬庫を攻撃することが可能になったのだ。

[動画】ウクライナで使用されている高機動ロケット砲、配備場所をカバーする。

ドネツク州、ルハンスク州、ザポリージア州、ヘルソン州の占領地では、1月14日までの1週間、大きな爆発が相次いだ。衛星画像や欧米の専門家から判断すると、標的の選定が非常に効果的だったようだ。

ここ数カ月、ウクライナ軍は西側パートナー国から長距離精密砲やロケットシステムを要求してきた。求めていた兵器を手に入れたウクライナは、それらを南部と東部に効果的に配備している。

ウクライナ軍は具体的な情報をあまり発表していないが、内務省幹部は13日、提供された兵器のおかげで、この2週間で「武器や燃料、潤滑油などの在庫を保管する倉庫を20数か所破壊できた」と述べた。ロシアが利用できる）火力に間違いなく影響を与えるだろう」と述べた。

これらの兵器のうち最も高性能なのは、米国が提供する高機動ロケット砲システム「HIMARS」だが、ほかにもある。ウクライナは米国とカナダからM777榴弾砲を、フランスからシーザー長距離榴弾砲を供与された。

このほか、英国はハイマースより高性能な多連装ロケットシステム「M270」の提供を約束しているが、ウクライナがいつ運用訓練を終えて配備できるかは不明である。

ハイマースの使い勝手の良さは、"High Mobility Rocket Artillery System "という名称にも表れている。機動性が高いため狙われにくく、運用に必要な兵士はわずか8人。ウクライナに供与されたロケットの射程は70〜80kmで、GPS（全地球測位システム）誘導装置で誘導される。GPS（全地球測位システム）誘導システムを利用したロケットは、極めて正確なものである。

オーストラリア陸軍の元少将ミック・ライアン氏によると、「ハイマーは通信拠点、司令部、飛行場、重要な兵站施設を破壊するために使われている。

このため、ロシアの高級将校は特に攻撃を受けやすい。ハイマーの精度は、ウクライナが民間人の犠牲をそれほど心配する必要がないことも意味している。人の防衛当局者によると、誘導ロケットの命中誤差は2〜3メートルで、従来よりもはるかに少ない弾数で遠くの目標に正確に命中させることが可能だという。

CNNが調べた衛星画像によると、11月11日夜にヘルソン州ノバカホフカの倉庫を大規模に攻撃した際にも、ハイマーが使用されたとみられている。この攻撃では二次爆発が起こり、広い範囲に被害が及んだ。衛星画像には小さな穴が1つだけ写っており、攻撃がいかに精密であったかを示している。

このほか、ルハンスク州とドネツク州、ドネツク州のシャフタルスク州とヘソン州、ザポリージア州のメリトポリ付近で大きな爆発があった。

14日には、ロシア戦線の奥深くにある10数カ所の目標が攻撃されたとみられるが、そのほとんどは戦線から少なくとも約40キロメートル奥に位置している。このような遠隔地を旧式の「トーチカII」ミサイルで正確に攻撃することは困難であろう。

さらに、ウクライナ側が夜間にハイマーを発射しているため、ロシア側が発射台を発見して攻撃することはさらに難しくなる。ロシア軍は開戦以来、夜間の戦闘に苦労してきたが、ウクライナ軍は今でもこれを利用しているのである。