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「夢見る小学校」から広がる教育の輪

 今日は、「夢見る小学校」を観たた人たちでのお話し会に参加してきました。映画に出てくる「きのくに子どもの村学園」の元先生や卒業生の方、上映会を主催された冒険遊び場をされている方から、それぞれが実践されていることや考えておられることを聞いたりしながら、お互いに質問し合ったり、思いを共有したりしました。
 お話を聞いていて、きのくにで周りに認められながら育った子は、自己肯定感が高く、自信があり、自分は自分のままでいいと思える子に育つのかなと思いました。きのくにの保護者の方も、自分軸がしっかりとあって、自信さえ失わなければ、やりたいことが見つかったら必ず力を発揮できるといったようなことをおっしゃっていました。卒業生の方も、何があっても自分を肯定していける強さがあるというか、根拠のない自信のようなものを持っていて、生きる力に溢れている印象でした。
 私も何か話してほしいということで、日頃思っていることや実践していることを少しお話しさせてもらいました。私自身は、市役所で広報や環境、街づくりなど様々な仕事をさせてもらいながら、スポーツ少年団の指導を長くやってきて、つい数年前に小さい頃からの夢だった公立学校の教員に転職しました。なぜ今頃なのかなって思ったけれど、自分のやりたいスポーツを続けたいという思いが強かったから前の仕事を選び、周りは賛成してくれる人は少なかったけど、自分のやりたい道を突き進んできたんだなと改めて思いました。そういう意味では、きのくにの子どもたちと共通点があるのかもしれません(笑)でも、そのおかげで、すぐに先生になっていたら気づかなかったことにたくさん気づけ、知り合わなかったであろう人たちともたくさん知り合い、色んな場所にも足を運ぶことができました。今思えば、遠回りしたおかげで、たくさんの大切なことが学べ、自分の興味の範囲や可能性も随分広がったと思います。
 話を元に戻して、今日私が話したことは、大きく分けると①教育の目標は人と社会のwell-beingであり、子どもたちを幸せにするためにも、まずは先生たちの幸せを保証する必要があるということ、②社会を変えていくためにはまずは教育からで、ほとんどの人が受ける公教育を変えていく必要があること、③変えていくためには、対話が大切だという3つのことです。
 まずは、みんなで何のために学校があるのかという本質を話し合い、共有する必要があるし、先生たちに話し合うためのゆとりが必要だと思います。今の学校は子どもも大人もスケジュールをこなすことに追われ余裕がなく、考える気力を奪われているように思います。大学を卒業しそのまま教員になる人が大多数で、外の社会との繋がりがないまま、閉鎖的な空間で過ごすことにも問題があります。教育の本質的なことに時間を割いたり、仕事以外のこともできるようなゆとりがあるような幸せな働き方が、きっと子どもたちの幸せにもつながっていくんだと思います。
 次に、きのくにの実践はとても素晴らしく、共感することばかりですが、日本では教育の選択肢が少なく、そういった学校に通うことができるのは経済的な余裕があり、保護者の理解がある子どもたちだけです。これは、実際にきのくにを訪問して学園長の堀さんや校長先生にお話を伺っていて感じたことです。そうすると、似たような価値観の人しか集まってこない部分もあり、多様性という部分や誰もがアクセスできるわけではないということに疑問を感じました。そこで、やっぱり公教育を変えていく必要性があると考えています。今日、参加されていた人の中には、「世界中、どこの国でも公立学校を変えることは難しいから、無理だと思う。」といったようなことを発言された方がいたのですが、私はそうは思いませんでした。諦めてしまったら何も変わりません。まずは一人でも声を上げていくこと、そしてそういう仲間を増やしていくことで、変えることができると信じています。公立のイエナプランスクールを自分のまちに開校することが、今の一番の野望です(笑)
 そこで必要になってくるのが対話だと思います。まずは自分が考えていることをちゃんと声に出して伝えるということが一番ですが、自分の実現したいこと、願いを形にしていくためには、相手が受け取りやすいような話し方を身につける必要があります。そのために、まずは相手の話を聞くこと、アイメッセージで話すこと、穏やかに話すことを心がけています。そして、自分の考えに賛同してもらうための材料(例えば研究論文や実践事例など)を用意しておくことも大事です。日本社会は同調圧力が強く、空気を読むという社会ですから、なかなか自分の考えを言いづらいというところもありますが、それは普段の繋がり方や話し方を工夫していくことで解決できる部分も大きいのかなと思います。ふと見ていたTwitterで、「職員室で昼休みに読書をしていたら、管理職に注意された」と呟かれていた人がいました。賛否両輪あるだろうけれども、相手の自由な(幸せな)行動を不快に思う人というのは、きっと満たされていないからなんじゃないでしょうか。ここにも先生たちのwell-beingが実現されていないことの弊害があります。お互いに足を引っ張り合うというか・・・。自分は自分でもいいし必要以上に空気を読む必要性はないけれども、そこで対話にもっていければ、お互いを理解し合えるのかなとも思いました。
 職場ではマイノリティなので、なかなか自分の思いの全てを職場で話すのは難しいのですが、こういう場で同じ思いの人と繋がれるというのは勇気づけられるなと改めて思い、忙しい合間を縫ってでも参加してよかったし、ぜひこの繋がりを続けていきたいなと思いました。この場を提供してくれたFさんに感謝です😊Fさんもちらっとお話しされていたけれど、将来のためと今の幸せを犠牲にしてることって多いです。学校ではいい大学に入るため、その次はいい会社に入るため、その次は出世するため、儲けるため。今ここを精一杯幸せに生きていきたいものです。その他にも、自分が学校でやっている実践についても話したのですが、それはまた後日アップしようと思います。

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