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実は負けてない?菅首相の深謀遠慮


3つの国政選挙の大敗

4月25日は、菅政権初の国政選挙投開票日でした。北海道二区、参議院長野選挙区、参議院広島選挙区の3つの選挙。結果は予想された通りで、3敗。完敗です。言い訳をするとしたら北海道二区は候補者を立てなかったから、負けるのは当然。でも、出てくれる人がいなかったということ。自民党の選挙区から出馬する人が誰もいないなんて、そんなにある事ではありません。実際、野党に席を置きながら自民党入りを密かに狙う国会議員はひとりやふたりではありません。例えば、静岡の細野豪志衆議院議員は次の衆院選で自民党の候補を倒して自民党入りを狙っています。このような例は枚挙にいとまがありません。

そう言えば、自民党入りするのではないかとささやかれていた国民民主党の山尾志桜里衆議院議員は、2年前のダブル不倫疑惑の焼き直しのような醜聞がでました。国会議員が使えるJRパスを、プライベートな買い物などに使ったという写真付きの記事でした。


仕組まれたスキャンダル

私は、スキャンダルが出ると必ず考えることがあります。それは、

これが出て得をするのは誰だろう。

ということ。

スキャンダルは「偶然」には出てきません。このスキャンダルが今出たことに何か背景はあるのか。あるとしたら、なんだろう。

この人が失脚したら、得をするのは誰だろう。

議員秘書の頃、私のボスは文春砲を食らったことがありました。その時の衝撃は、食らったものでしかわかりません。最終的には私の首も吹っ飛んだのですが、それもそのはず。

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選挙は民主的な殺し合い。

違法でない限り何でもするのが選挙です。もちろん、法律違反はいけません。「昔は入院している人の投票用紙を持って投票所に行ったもんだよ」などと、私が議員秘書になりたての頃、長老秘書が懐かしそうに話してくれたことがありましたけど、それは選挙がお祭りだった時代の話。こんなことをしたら今は立派な公職選挙法違反、犯罪です。笑えるものではありません。でも、法律にふれないなら、できることは何でもするのが選挙です。

スキャンダルではありませんが、コロナ禍での厳しい自粛を政府が国民に求めている中で、公明党の遠山清彦衆議院議員が高級クラブに行ったことが発覚し、1月29日に議員辞職となりました。驚いたのは、その後です。同じように銀座のクラブに行っていたということで、自民党の松本純氏(神奈川1区)、大塚高司氏(大阪8区)、田野瀬太道氏(奈良3区)が何れも自民党離党したことです。法律違反でもお金がらみでもないのに、菅政権は首を斬るのだろうか。表向き「自主的な離党」のこの処分は、安倍政権下で辞職しない離党しないことに慣れていた私にはとても厳しい処分に映りました。


菅首相は、表向きは「笑顔が下手」「コロナ対策も下手」「全て後手後手」と揶揄される政権に見えます。でも、彼はあの安倍政権を7年8カ月にわたり支えてきた「菅元官房長官」。ニコリともしなかったあの官房長官時代のしかめ面。政権の足元を整えてきた剛力が思い出されるのです。

この手腕が現菅政権に持ち込まれているとすると、評価の仕方も変えてみる必要があります。コロナ対策がなっていない。オリンピックはどうやって実施するのか。方針が見えない。アメリカの言いなり。

「言いたい奴には言わせておけ」といって菅首相が陰で笑っていると想像した途端、私はゾッとしました。菅政権は、敵、いえ、敵となり得る可能性のある存在は、バッサバッサと容赦なく切り倒し続けているように見えてきます。

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