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今日も明日も負け犬。をみたお話

ボーダレスシネマのすべりこみで
一本の映画をみました。
https://rescuex.jp/project/17237

「今日も明日も負け犬。ー起立性調節障害と紡いでいくー」
という作品を知ったとき

「いい話なんだろうなあ」
と漠然と思った。

「起立性調節障害」という単語は、今まで聞いたことがなかった。

朝どうしても起きることができず、
体調不良や周囲との関係の変化によって
生活困難に陥っている方は、世の中に何万人もいるらしい。

この病気の症状を知って
当事者の人は生きづらいだろう。
とか
孤独なんだろう。

ということは、すぐに想像できた。

想像できていたはずなのに、映画の途中
夏実さんが、前を向きはじめるシーンでじわりと涙が出た。

悲しいわけではなくて
辛いわけでもなくて
共感するなんておこがましい程、
心情を理解しきれてるわけでもないのに

心が追い付くまえに身体が先に反応していた。
こんな不思議な感覚ははじめてだった。

最後までみた後に、ドキュメンタリーをみて
そのドキュメンタリーでもっと泣いた。

「いい話なんだろう」と
安易に思っていた自分が恥ずかしくなるくらい
なぜかポロポロポロポロ涙がたくさんふってきた。

高校生だけで映画をつくる。
病を持ちながら、最後まで撮りきる。

高校生なのに…と心無い言葉を浴びせられたり
コントロールできない自身の不調によって
ちょっとでも気をゆるめてしまったら
途中でガラガラと映画製作自体、崩れてしまいそうな状況の中。

夏実さんや小田さん、ひかるさん、月海さん
そして26人の皆さん全員、親御さんを含め
時間がかかっても
つらくても
泣いても
前をむいて、一歩進んで
たくさんの人の想いを
大切に紡いできた物語なんだと思った。

自分が20代になってから、
「世間に普通のひとなんていなくって、
それぞれ得意・不得意がある」と知ってから、
みんな色んな生きづらさを感じて生きているんだろう。
と思っていたけれど

今回の映画をみて
あらためて、世の中には
あやうい状態の中でも、
なんとか歯を食いしばって生きていたり
それでも理解されずに苦しんでいるひとが
たくさんいると感じたし

そんなときには「頑張れ」じゃなくて
一緒にがんばろうよ。
といえる人間になりたい。と心底思った。

学生でも大人でも
どんなひとにも、この作品は
言語化できない、きっかけをくれると思う。

「映画だから、映像だから伝わることがある」と
はじめて体感した作品でした。
(きっと小説ならではの良さもあるんだろうな)

今日も明日も負け犬。という作品が
もっと多くの方々に広がることを心から願っています。

本当にありがとうございました。

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