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これまでのメイク歴、そしてスーパー師匠たちに出会う

これまでのメイク歴

高校卒業するまでメイクしたことなかったですね。せいぜい色付きリップ。なので大学生デビューにワクワクした。
高校の卒業旅行は友人たちと東京ディスニーランドへ。知り合いの旅行会社のお姉さんにプランを組んで手配してもらった。
「遊ぶだけじゃなくて、お勉強もね」ということでプログラムの中に「新入社員研修とメイク講座」も組み込まれていた。社会人になる友達もいたのでね。
名刺の受け渡し、電話の取り方などのマナー講習のあと、お待ちかねのメイク講座。初めてさわる器具、道具、これは一体どこに塗るのだろうか。
先生が解説しながらそれぞれみんなにメイクをほどこしてくれた。
仕上がって、顔を見合わせて、爆笑した。
田舎の素朴な高校生の顔面が、六本木イケイケフェイスになっていた。
大笑いが止まらないその顔面の勢いのままで上野に行き、これがいいと教えてもらった「ポンズ」なるクレンジング剤を買って帰った。

女子大生時代はバブル崩壊後、だけどなんとなく華やかな残り香があって、海外旅行に行く友人知人親戚から免税店で買った化粧品をもらうことも多かった。シャネルにディオール、口紅に香水、ギラギラしてたなぁ。ショッキングピンクの口紅をぐりぐり塗ってましたね。

社会人になって、肩肘張って、ぼろぼろになりながら働く日々も、若さがそれをなんとか底支えしていたのだろう。明け方帰り仮眠取り顔洗って眉毛描いて口紅ぎゅっと塗ってまた飛び出していく不毛な日々だった。

結婚、出産。
肉体が変化して、ああ、自分って動物だったんだなと思った。
乳児との格闘でメイクどころではなく、深夜の鏡で自分を見て
「野生のコヨーテってこんな感じかな」とか思っていた。

仕事も変化していった。いやなことはもうやらないと決めた。
力がどんどんぬけていき、人生がやっと楽になった。
その頃お茶と出会いました。
台湾旅行帰りの友人に台湾茶を淹れてもらい、
「なんじゃこりゃあ!!!!」と恋に落ちたのだった。
すぐに台湾にお茶を買いに行き、本を読み漁り、道具を求めてさまよった。
そして気がつけば6年前、いつのまにかお茶屋を開いておりました。

お茶の方々は得てして薄化粧な方が多い。食品を扱う場なのでネイルもしない。薄化粧というより、メイクしてない、天然自然を愛する方が多いかも。
お茶の繊細な香りを楽しむのに化粧品の匂いは似つかわしくないのは確かです。なので自分もついついナチュラルな方向へ。ありのままがいいってアナも言ってるし?

ナチュラル=なにも足さないなにも引かないだと思っていたら、50の声を聴く頃たいへんなことになっていた。わたしを守ってくれていた女性ホルモンがどんどん減っていくのを体感することとなり、それは身体中のあちこちに現れてきて、鏡を見るのもいやになった。
数年前から白髪染めをやめた。染めた付け根から白いのが生えてくるあの感じがみじめでいやだったのでやめた。まだら白髪頭は想像以上に老けて見えた。自分が一気に老人になってしまった。そのあたりから「死ぬまであとどのくらいか」ばかり考えていたような気がする。
そしてある日、
「なんか、右半分だけ下がってない?」とオットに言われてびっくりした。
顔の片側だけがたるんで下がるようになっていたのだった。ぎゃあー。
消えない眉間のシワやほうれい線、やがてもう左半分も下がっていくのだろう。老いるって残酷だな。でももう50だし、仕方ないよな。

スーパー師匠たち現る

そんな折、とある動画で「顔ヨガ」なるものを見た。
その講師の先生のお顔はピンと張りがありとても若々しい。
え、67歳ですって!?同年代にしか見えない。
「60過ぎて眼瞼下垂の手術も考えたが、顔ヨガインストラクターになってハリが蘇りました」「顔ヨガで、表情筋はいくつになっても応えてくれます」
めっちゃ説得力ある。
それからその動画にあわせて超変顔で顔ヨガに励んだ。
数ヶ月後
「筋肉は裏切らない」ってほんとだね。顔の左右差があんまり気にならなくなってきた。やれば変わるんだね!

ちょうどそのころ、YouTubeやインスタに「詐欺メイク」のショート動画が上がってくるようになった。すっぴんではなんとなくさえない表情だったのが、音楽に合わせてみるみる変身していく様は眼を奪われるものがあった。顔面はキャンバス、メイクというかメイクなのかこれもメイクなんだろうな、目の大きさもなぜか3倍くらいになって光り輝くからすごい。

目が小さい、一重でいやだ、顔がでかい、眉が薄い、間延びしている
そういうコンプレックは「だったら描けばいいじゃん」
ない毛は描き足せばいいし、でかい顔は影入れて締めればいいし、シミやシワはなかったことにすればいい。整形するより技術磨けばいいんじゃね?
いやすばらしい。すばらしいねメイク。
詐欺だろうがなんだろうが、メイクで理想の顔になった人たちは、顔だけでなく表情や振る舞いも自信に満ち溢れていて、メイクが人格までひっぱりあげているのだということがよくわかった。

そこにきて「メイク下地なくなる」事件(前回参照)ですよ。
YouTubeにてスーパーメーキャップアーティスト師匠たちに出会ったわけですよ。

死ぬまであとどのくらいかなんてカウントしながら老いていくのは面白いことじゃない。生き生き生きないとつまんない。
改変できるんじゃない?
師匠たちのオススメに乗っかってみることにした。

(つづく)

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