息子とコロッケを食べました。時刻は午前11時。今日は水曜日、みんなまだ授業中なんです。

★★★

朝９時。
寒空の下を息子とてくてく歩きました。他愛ない話をえんえんとしながら。岡山駅前まで車でピュンっと１０分ちょいですが、天気も良かったので「歩こうか」と提案。

都市銀の、しかもどうしても窓口へ行かなければならない用事があったんです。インターネットバンキングで何とかしてくれよと思いながら。

地図を見たら、自宅から銀行まで約５ｋｍあります。歩けますかね、きみ。
「外に出ていいの？」
いいのいいの。
退屈でしょう、きみだって。

岡山は道が狭いです。そして碁盤目ではない。私は札幌育ち。東へ曲がれば東へ進むと思いながら歩いていると足元すくわれます。どこですか、ここ。

「無料案内所ってなあに。どうしてたくさんあるの」

ぼったくられないようにするための案内所だよ。
「ぼったくら…？」
水割りとピスタチオで30000円とかね。
「ピスタチオ、ですっ！…ピスタチオってなに？そうざい？」
ピスタチオはね、大人のおやつ

午前中の酒場はひっそりしています。ちょっと埃っぽいです。

「なんで誰もいないの、ここ」
夜になったらね、にぎやかになるんです。

「母ちゃんオレお腹すいた」
おおそうか、コロッケ食べましょう。

ここはね、おいちゃんが注文してから衣付けてあげてくれるんです。

ビールに見えますが、麦茶。

コロッケ、ハムカツ、豚串カツ

コロッケが甘くなくて最高に美味しい。
食べながら歩こうかと思ったけれど、息子が思いのほかたくさん欲しがったので、着席で。

「先生がね怒ってばかりなんだよ」
うん
「全体せきにんって言うんだよ」
うん
「体育の時間が短くなるじゃん」
うん
「オレね、ずーっと怒ってるひとがいるのいやなんだよ」
うん
「コロッケおいしいね。あっちぃね」
うん、おいしい。熱いね。

「今、何時？」
11時過ぎ
「今、何時間目？」
業間休みが終わって…３時間目かな
「タク、ドッジボールしたかな」
晴れてるからね、したかもね
「ドッジやりたいなー」
母ちゃんとやる？
「それじゃあパスパスじゃん」
そうだねー
「外野がいない…つまんないじゃん」
そうだなあ
「タクとドッジしてーなー」
ほーか

「コーヒーって苦いじゃん。なんで美味しいの」
それが飲めるようになったら大人ですよ。

「今日、給食なんだったかなあ」
揚げパンだったらどうする？
「ぎょえーーーーーー。それはこまる」
母ちゃんは揚げパンつくれません。
「オレ、給食の時間が好きなんだよ。みんな笑う。せんせいも」
ほーか。

さ、帰ろう。

「母ちゃん、帰りも歩くの」
歩きますよ。
「バス乗ろうよ」
だって天満屋まで戻らんとならないんですよ。

「家にいたら歩かされるから、明日は行く。学校」
ほーか。

学校なんて行かなくてもいいよと。

そこまで言い切れる器量がない、私には。ドッジボールもしてあげらんないし。でもまあ、皆勤賞に深い意味があるとも思わない。私にできるのは「こっちにいてもいいし、あっちにも楽しいことはありそうだし、どうする？」と投げかけることくらい。

コロッケ食べて明日は行こうかなと思ってくれるなら、それで。