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カーコラム「元祖ホットハッチ "スバル レオーネスイングバック1600SRX "」

 ゼニス・ストロンバーグ製のキャブレーターを2連装し最高出力100PS、最大トルク12.5kg-m搾り出水平対向4気筒 OHV 1600ccエンジンエンジンを搭載するスバル レオーネスイングバックSRXは、免許を取得した80年代初頭、欲しい車の一台だった。

 スバル レオーネスイングバックSRXに搭載されたこのエンジンは、フォーミュラーカーの登竜門とも言えるカテゴリーである " FJ1600 " で使用されるものと同一のパワーユニットである。

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 オーバースクエアなエンジンのため、低速域でのトルク感は薄いものの、その分エンジンレスポンスは良好で、3000rpmから6000rpmまではOHVとは思えないほどの吹けあがりを見せた。最高出力こそ100PSだが、車重が870kgと軽量なため、走りはスペック以上のもので、ショートストロークエンジンらしくレスポンスも軽快だった。

トランスミッションも5速クロスミッションが標準なので、狭いパワーバンドを有効に活用できた。

 操縦性は基本的にどアンダー。しかし、アクセルオフではFFならではのタックインが顕著で、その特性を積極的に使えば、特に峠の下りではライバルのFRテンロク車をカモることも可能だった。また、重心が低い水平対向エンジンのメリットによりロールセンターが低いため、直進性能・旋回性能共に優れ、高速の直線では抜群の直進安定性を、コーナーでは素直でシェアなハンドリング特性を発揮した。

 サスペンション形式はフロントがマクファーソン・ストラット式、リヤがトレーリングアーム式の4輪独立懸架。フロントには初期応答性とコーナリング中のロール剛性向上のためスタビライザーが装着されている。

スバルらしくブレーキにも手堅い作りで、この時代のこの車格のクルマには贅沢な4輪ディスクブレーキを採用している。

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 レオーネも含め、当時のスバル車はスペアタイヤがエンジンルーム(しかもエンジンの真上)にあったり、パーキングブレーキが駆動輪のフロントだったりと、シュール盛り沢山(もちろんスバルならではの安全志向に基づくもの)だったが、このSRXもその例外ではなくスバルならではの個性溢れる一台だった。





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