見出し画像

世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと 


 この著書を読んで、やりたいこと探しをやめる事を決めました。
 
 命の次に大事なこと・・家族かお金に関係することかな?なんて思いながら答えをすごく期待しながら読み始めましたが、途中から答えはどうでもよくなりました。なぜなら国境なき医師団の方が語った、現地で体験した内容が凄まじかったからです。
紛争地。スーダン、シリア、ロヒンギャの人達。私もニュースぐらいは見るので聞いたことはありましたが、ここまでひどいとは知りませんでした。
スーダンの避難民キャンプにいた顔が傷だらけの初老の女性は、家は焼かれ、夫は目の前で殺害され、自分と娘はレイプされていました。
ミャンマー軍によるロヒンギャ掃討作戦では、ある日村に軍隊がやってきて、出ていくよう言われ財産はすべて奪われ、女性は子供であれ、誰彼構わずレイプされ、200人いた村の男性は全員殺害されたようです。これは、数人が体験した特別な話ではありません。避難民キャンプには、万の数を超える人達が溢れかえっています。
 心身ともにこのような一生消える事のない傷を負った人々は、これから先の人生に何を望むのでしょうか?
 避難民キャンプでは清潔な水がなく、下痢や疥癬などの病気が蔓延しているようです。疥癬は高齢者施設で働いた事があるので知っています。ダニに冒され全身掻きむしります。まともに医療は受けれません。これが紛争地や避難民キャンプでの受け入れ難い現実。夢や希望、人権など何もない。命だけがある。
冒頭の方のページに書かれていたこの文章に大方の事がつまっているように思いました。1番心に響きましたのでそのまま書きます。

「privilegeー特権
特権と聞くと、ある特定の身分や地位の人たちだけがもっている特別な権利を僕たちは思い浮かべがちだ。だが僕はこう断言できる。
 日本にいる僕たちは、本当にたくさんの特権をもっている。でもどれだけ多くの人たちがその事に気づいているだろうか。
 安全な社会で、教育を受けることができる環境。安価で高い水準の医療へのアクセス。
 これらは人生の大半の時期を内戦下で過ごしているアフリカや中東の一部の国の人達からすれば、夢のような話だ。
 清潔な水へのアクセスに困ることも、反政府勢力と政府軍の戦闘に巻き込まれる事もない。そして何より自分の人生を選択できる。
日本のような国に生まれたというだけで、すでにその特権を与えらている。」

 私は特権を持った人とは、大富豪や資産家の家に生まれた人、要するにお金に困らない上流階級の人々ぐらいに思っていました。自分の無知が恥ずかしいです。
 ここ1年ぐらいは、自己啓発本を重に読んでいます。50歳からの生き方や自分のやりたいことを見つける為に。世間で言うミッドライフクライシス(中年の危機)にはまり込んだと思っていました。
 この著書の中にも書かれていました。「僕たちが言っている人生の危機とは、戦争や紛争の被害者の人からすると、それほど深刻なレベルではない」と。全くその通りです。50歳手前でこのままでいいのかとこれからの生き方について思い悩んだ事を、大げさに危機と嘆いていました。
 紛争地では、相手に従わないNOの選択は死に直結するでしょう。仮にYESを選択したとしても無傷では済まなそうです。自分は、きれいな水が飲めなくなるまでにどれだけのNOを選択できるのでしょうか。
 私は、起こり得る選択の場面で、相手や環境に従わずNOを選択したとしても、自分や家族を殺されたり、暴行を受けたりすることはありません。
 嫌だからやめる。合わないから仕事を変える。嫌いな人とは付き合わない。などNOを繰り返す事で行き場がだんだんなくなったとしても、衣食住を失うのはかなり先のほうでしょう。きれいな水なら身体が動けば公園で飲めます。
 やりたい事はもういいです。やりたくない事を、今までよりもしっかりNOと選択しようと思います。それで十分です。いや、正しい命の使い方を踏まえた上で。
 
 命の使い方。それは、自分以外の誰かの為に使う事。

最後まで読んで頂き有難うございました。
人にも物にも良き出会いを。
♫出会いも分かれもeasy come easy go♫


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?