音大生の思考のーと

ヴァイオリン弾きの、ますもとすずねです。音楽高校、音楽大学を卒業。2023年秋からドイ…

音大生の思考のーと

ヴァイオリン弾きの、ますもとすずねです。音楽高校、音楽大学を卒業。2023年秋からドイツ🇩🇪の音楽大学修士課程に在籍。日々、音楽と向き合って考え続けるわたしの「あたまのなか」から、ころんと出てきた言葉たちを思うまま自由に綴る場所。♯音大生の本棚

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  • ドイツ生活🇩🇪

    ドイツでヴァイオリンを弾きながら日々考えることをまとめたもの

記事一覧

固定された記事

言葉と、コトバと、ことば

ドイツ生活を始めてから1ヶ月が経ちました。 うわあああと頭を抱えることも、異国の地なのにほっとする瞬間があったり、毎日が新しい日々を過ごしています。 私がドイツに…

電車旅が好き

もうだいぶ前の話。 春休みを終えて日本から戻り、1日休んだら妹が住むスイスに行く予定でした。 同じ時間軸に戻ってきたよー!と妹と電話をしていたところに、不穏な通知…

Carmenを観たらCarmen on Iceを観たくなる

この前、フランクフルトに住むヴァイオリンの先輩に教えてもらって駆け込みでチケットを入手して観に行ってきた”Carmen"。 演出が素晴らしいよ〜と教えてもらい、先輩がオ…

ふわふわと漂い続ける、あの香り

目に見えない香りの記憶を辿っていることがある。 ずっと香水を纏うことが憧れだった。 小学生の頃あった授業参観の時に、母が教室に入ってきたことを振り返らずともすぐ…

閉ざされた道、開いた道

ちょっとした報告と個人的なお話。 奨学生に選出していただきました。 Deutschlandstipendiumという大学を通じて全学科の学生の中から選抜される奨学金生の1人として推薦…

本を買い漁る

春休みのうち2週間を日本で過ごし、そして再びドイツに戻ります。 ドイツから日本に持っていったものは必要最低限。家に帰れば多少欠けているものがあっても借りることがで…

少しだけ戻ります

久しぶりの長時間フライトをすることにしました。2月末から3月にかけて少しだけ航空券が安くなるので、春休みのうち2週間ほどを日本で過ごします。 正直帰るつもりは全くな…

日記のような、書き留めたいこと

今日は気の向くまま書いてみようと思います。いつもnoteの記事やSNSの投稿をするときには書いて、推敲して、考えてを繰り返してから投稿しているので時間をかけてゆっくり…

消えたEMS

昨年の9月末は引っ越しのために日本からEMS(国際スピード郵便)で段ボールを新しいドイツのお家に送る作業をしていました。 合計6箱の引っ越し荷物だったのですが、紆余…

思い出の土地、ミュンヘンへ

ドイツにはジルベスターという年越しのイベントがありますが、日本のようなお正月休みという感覚はありません。2日から比較的通常運転な感覚です。 私も31日にたまたま手に…

お散歩する、その風景

ドイツ人は歩くことが好きです。何かと歩きに行こう!と目的なく、ぐるぐると歩きにいくことに誘われます。「散歩する=spazielen gehen」とドイツ語の初級教科書で最初の…

クリスマスを過ごす

ドイツに来て初めてのクリスマス。 11月くらいから街や人々がわくわくしている雰囲気を感じていました。 「日本に帰るの?」という質問を友人から何度もされていたのですが…

初めてのつぶやき。私事ですが本日23歳になりました!音楽と言葉を大切にしながらまた次の一年を積み重ねていきたいと思います。ドイツ暮らしのことや音大生としての目線や音楽家としての目線、言葉を綴るこの場所を大事に育てていけたらと思います。

深夜1時、叩き起こされて

高校卒業以来会っていなかった高校時代の友人がフランクフルトの近くにあるマンハイムに住んでいると連絡をくれ、せっかくなら会おうということで1日マンハイムを楽しんだ…

お隣さんとの交流

今まで実家暮らしをしてきて、ヴァイオリンの練習に関して困ることはありませんでした。家族の理解さえ得られれば、何時に弾いても基本的には許されて、早朝練習も深夜練習…

ひとりの晩酌

11月に入って、寝ることができない日々が続きました。 朝早くから練習して、日中も頭をフル回転で動かして、帰ってきてから練習やら勉強やら家のことをやってと確実に疲れ…

固定された記事

言葉と、コトバと、ことば

ドイツ生活を始めてから1ヶ月が経ちました。 うわあああと頭を抱えることも、異国の地なのにほっとする瞬間があったり、毎日が新しい日々を過ごしています。 私がドイツに来てから使う言語は、母国語の日本語、英語、ドイツ語。 ドイツ語に関しては絶賛勉強中なので、日常生活で使う比率は英語がほとんどを占めています。私が通う、フランクフルトの音楽大学はドイツの中でも必修授業を大学院生にも多く課すことで有名だと入学してから知りました。どうやら、大学院生は基本的に演奏実技以外の授業がほとんどな

電車旅が好き

もうだいぶ前の話。 春休みを終えて日本から戻り、1日休んだら妹が住むスイスに行く予定でした。 同じ時間軸に戻ってきたよー!と妹と電話をしていたところに、不穏な通知が。Deutsche Bahnがストライキをするとのこと。 1月から何度目になるだろうかというストライキ。そして、私はなぜかストライキの最中に動かなくてはならないことが多く、早い時間帯に動いたり、なんとか動いている電車に飛び乗ったり。毎回無理やり動いてきました。 ただ今回は少し事情が違い、当初の予定の日は完全に電車が

Carmenを観たらCarmen on Iceを観たくなる

この前、フランクフルトに住むヴァイオリンの先輩に教えてもらって駆け込みでチケットを入手して観に行ってきた”Carmen"。 演出が素晴らしいよ〜と教えてもらい、先輩がオーケストラで弾いている日が偶然私も予定のない日で、さらに最後の1席が空いていたので即チケットを購入。1階席の前から11列目。いわゆるS席だけれども、学生は半額になるので迷わずチケットを買いました。全公演のチケットが完売していて、本当に偶然その日だけチケットが残っていた奇跡。先輩に、「チケット取れた…!!奇跡…!

ふわふわと漂い続ける、あの香り

目に見えない香りの記憶を辿っていることがある。 ずっと香水を纏うことが憧れだった。 小学生の頃あった授業参観の時に、母が教室に入ってきたことを振り返らずともすぐにわかった。教室内にふわっと漂う香水の香りで、「あ、母だ」とすぐにわかる。 それが私にとって誇らしかったし、着飾ってコテコテした輝きではなく、空間の輝きみたいなものを独り占めしている凛とした母の佇まいが好きだった。 私にとっての香水の始まりだった。 中学に入って、朝登校した時に友人にこんな風に話しかけられたことがあ

閉ざされた道、開いた道

ちょっとした報告と個人的なお話。 奨学生に選出していただきました。 Deutschlandstipendiumという大学を通じて全学科の学生の中から選抜される奨学金生の1人として推薦をいただきました。(私の大学は音楽だけではなく、演劇やダンスの学科もあるので、いろんな学科の学生が集まります) こちらのDeutschlandstipendiumは月々の奨学金で、選出してもらうためには学校からの推薦と自分のモチベーションレター、これまでの成績や入試の成績、コンクール歴から奨学生

本を買い漁る

春休みのうち2週間を日本で過ごし、そして再びドイツに戻ります。 ドイツから日本に持っていったものは必要最低限。家に帰れば多少欠けているものがあっても借りることができたり、ドイツほど制限なく買いに行くことができるので、1つ目のスーツケースの半分にはいつもの化粧品やスキンケア、少しの洋服(1-2着くらいしかない笑)を入れ、反対側に少しだけドイツからのお土産。 2つ目のスーツケースは全く荷物を入れず、すっからかんにしてドイツから日本に飛びました。 理由としては、日本から色々ドイツに

少しだけ戻ります

久しぶりの長時間フライトをすることにしました。2月末から3月にかけて少しだけ航空券が安くなるので、春休みのうち2週間ほどを日本で過ごします。 正直帰るつもりは全くなくて、友人や教授に「帰らないの!?」と驚かれつつも、年末年始はドイツでやることがあったことや、自分も日本が恋しいという感覚もなく過ごしていました。セメスターを終えて、次のセメスターまでの休暇も新しい曲の譜読みをしたり、勉強をして過ごそうかなあなどと漠然と思っていました。 夏に帰ると航空券が目が飛び出るほど高いし、か

日記のような、書き留めたいこと

今日は気の向くまま書いてみようと思います。いつもnoteの記事やSNSの投稿をするときには書いて、推敲して、考えてを繰り返してから投稿しているので時間をかけてゆっくり仕上げています。というのは私が刹那的な言葉を好まないからで、「言葉」を鍛錬していくことと出てくる言葉を吟味することに楽しさと、選び抜かれた言葉に意味があると思っているので、文章を書くことは好きですが時間をゆっくりかけています。 そんな風に書き上げていくのも楽しいですが、ちょっと違ったこともやってみようと思います。

消えたEMS

昨年の9月末は引っ越しのために日本からEMS(国際スピード郵便)で段ボールを新しいドイツのお家に送る作業をしていました。 合計6箱の引っ越し荷物だったのですが、紆余曲折あったものの5箱は手元に届きましたが、残りの1箱はドイツの通関手続きの最中に「紛失」。 (1つ税関送りになってしまった段ボールがあり、電車と徒歩で1時間の税関局まで取りに行き、手続きをしてから約10kgの段ボールを抱えて帰りました…正直めちゃくちゃ大変だったし、税関に行くという異様な緊張感で気持ちがいっぱいいっ

思い出の土地、ミュンヘンへ

ドイツにはジルベスターという年越しのイベントがありますが、日本のようなお正月休みという感覚はありません。2日から比較的通常運転な感覚です。 私も31日にたまたま手に入ったそばの乾麺と、アジアンスーパーに行って見つけた”みりん”を使って、麺つゆを作り年越しそば気分を味わいました。お餅食べたいなあとは思ったものの、日本のようなお正月が恋しいということはあまり感じることなく1月1日を迎えました。カウントダウンに関しては派手なので、至る所で爆竹のような花火のようなものがボンボンと打ち

お散歩する、その風景

ドイツ人は歩くことが好きです。何かと歩きに行こう!と目的なく、ぐるぐると歩きにいくことに誘われます。「散歩する=spazielen gehen」とドイツ語の初級教科書で最初の方に習う動詞であるくらい、ドイツ人にとっては散歩・歩くことが好きらしいです。 フランクフルトは平らな道が多く、中心街までも難なく歩いていくことができます。ついつい日本の感覚で電車(U-Bahnという地下鉄)に乗って、サクサク移動してしまうことが多いのですが、最近は歩いて移動することが多くあります。 友人

クリスマスを過ごす

ドイツに来て初めてのクリスマス。 11月くらいから街や人々がわくわくしている雰囲気を感じていました。 「日本に帰るの?」という質問を友人から何度もされていたのですが、私は帰る予定はありませんでした。10月に引っ越しをしたばかりで、2ヶ月も経たないうちに帰るのは勿体無いと思ったのと、ありがたいことにギリギリまで演奏会や授業がフランクフルトであったので、今は帰る時ではないと最初から思っていました。 また、ドイツ人の生活に浸りたいというのも一つの理由でした。クリスマスの準備が始まる

初めてのつぶやき。私事ですが本日23歳になりました!音楽と言葉を大切にしながらまた次の一年を積み重ねていきたいと思います。ドイツ暮らしのことや音大生としての目線や音楽家としての目線、言葉を綴るこの場所を大事に育てていけたらと思います。

深夜1時、叩き起こされて

高校卒業以来会っていなかった高校時代の友人がフランクフルトの近くにあるマンハイムに住んでいると連絡をくれ、せっかくなら会おうということで1日マンハイムを楽しんだ、とある土曜日。帰宅して、心地よい疲れを感じながらベッドですやすや寝ていました。 そこに突然鳴り響いた火災報知器のサイレン。私は比較的眠りが深くて、一回寝るとなかなか覚醒しません。そして疲れていることもあってぐっと深く寝ていたと思うのですが、それを覆すほどの爆音。半分寝ぼけながら、夢であるのか現実なのかを彷徨い、楽器と

お隣さんとの交流

今まで実家暮らしをしてきて、ヴァイオリンの練習に関して困ることはありませんでした。家族の理解さえ得られれば、何時に弾いても基本的には許されて、早朝練習も深夜練習も可能なほぼ24時間ヴァイオリンを弾くことができる環境でした。幸い、ご近所さんの理解も得られていたこともあって、音楽活動を応援してくれる人が地元に多かったのは一つの強みでした。 さて、ドイツに移り1人暮らしを始めたものの、自分の家で練習ができるのかは全くわかりませんでした。入居する際に、「楽器を弾きますか?」という質

ひとりの晩酌

11月に入って、寝ることができない日々が続きました。 朝早くから練習して、日中も頭をフル回転で動かして、帰ってきてから練習やら勉強やら家のことをやってと確実に疲れているはずなのに、ベッドに入っても全く寝付けない。そして気がついたら意識を失っていて、真夜中に1時間おきに覚醒。朝は夢見の悪さで、追い立てられるようにして飛び起きる。という状態になってしまいました。夢と現実の区別がつかないくらいリアルな悪夢にうなされて、飛び起きてからもしばらく動悸が止まらなくなる日もあったりと、自分